教祖誕生のレビュー・感想・評価
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青年の成長物語
配信もTSUTAYAでも観られなくて、縁がない作品だなとか思っていたらWOWOWでやってくれた!やっと観られて感動。
嘘から出たまこと。人って役職を与えられるとそれにそって立ち回るんだなと思う。主人公の青年も最初馬鹿にしていたけれど、必死に教祖としての心持や振る舞いを習得しようとしている様子がなんともいえない。
ところどころクスッと笑える場面もあり結構好きな映画やった。組織ってほんまいろんな人がおるからなあ。司馬や呉がいなければこの教団自体存在しないはずやけど、結局は自分たちにはコントロールできないほど周りの信仰心が大きくなってしまったんやなあ。
5年後のシーン、やっぱりこりひんなあと笑ってしまった😂
新興宗教の布教活動に面白半分に参加した青年が教祖に祭り上げられる。...
新興宗教の布教活動に面白半分に参加した青年が教祖に祭り上げられる。
コメディではあるが、宗教について考えさせられる面もあった。
ビートたけしはいつも同じような役柄で出演しているのが今一つだが、存在感はたっぷりだった。
このころはブーム
ある新興宗教団体の布教活動を見ていた和夫。そのインチキを見るが、「暇なんで」とその活動に加わる。駒村のような熱心な信者がいる一方、司馬と呉は教団で金もうけを企てている。そして司馬により教祖はクビになり、和夫が二代目教祖に仕立てられ。
ビートたけし原作で、ラストはやっぱりそうだよね、と思いました。1993年の作品で、この時期は地下鉄サリン事件より前、新興宗教のブームみたいな感じがあったような気がします。
飛散する悪意
オウム不安の世情に乗っかった新興宗教批判コメディかと思いきや、悪意の矢印は画面上を行き交うすべての人物に対して向けられる。
中でも救いようがない末路を辿るのはやはり和夫青年だろう。
和夫は司馬率いるインチキ宗教団体をインチキだと知りながらも暇と好奇心に突き動かされ、興味本位で彼らと活動を共にするようになる。
実際、オウム真理教の信者の人たちにも和夫と同じくらいフランクなノリで入信を決意した者が案外多いそうだ。
さて、入信したとはいえ特にカタストロフィックな神秘体験などが待ち受けているわけではない。入信前と同じように胡散臭い布教活動に明け暮れるだけだ。来る日も来る日も布教、布教、布教。
しかし反復はリアリティを生む。繰り返し繰り返しニセモノを演じているうちに、いつの間にかそれをホンモノと錯覚するようになる。和夫はすでに引き返せないところまでホンモノに染まりきっていた。
何が恐ろしいって、ニセモノだった頃とホンモノになった今との間に明確な転換点が存在しないことだ。だから和夫は過去を反省しようにもそもそも目印を見つけられなかった。自分が何か危ない領域に踏み込みつつあることに気づけなかった。
神の存在が嘘だろうが本物だろうがそんなことは大した問題ではない、という司馬の言葉はかなり正鵠を射ていたといえる。しかし司馬やその仲間の呉が自身の宗教団体を最後までドライブできなかったのは、彼らが反復の力を軽視していたからに他ならない。
どれだけバカバカしいことであっても、それを絶えず繰り返し、積み上げていくと、何か精神的な重力のようなものが生まれる。そしてそれは現実的な真偽を超越した価値と化す。司馬や呉には信者のそのようなリアリティが理解できていなかった。
いや、和夫だって同じだ。彼もまた真偽という表層においてのみ宗教を理解していたために、更なる深みに嵌ってしまった。
つまり真偽の先にある反復の強度と、それが生み出しうるおぞましい世界を想像できない者は、誰であれ悲惨な目に遭うのだ、ということをこの作品は言っている。
さて、スクリーンの前のお前はどうだ?と。
教祖だってクビになる!
初代教祖は浮浪者だった爺さんを教祖に仕立てあげ、電気を通して手かざしで病気を治すのがパフォーマンスだった。この初代の教祖は下絛正巳。『男はつらいよ』シリーズの二代目おやっさんだ。
祀り上げられると、普通の人間でも徐々に自分が神に仕える者だとのぼせあがり、勝手な行動を取ってしまう。初代教祖はこのため司馬(ビートたけし)によってクビになるが、二代目の和夫も次第に変わってゆく。
新興宗教というものの本質をとらえたかのような風刺映画ではあるが、物語にするには起承転結がはっきりしない(クライマックスがない)。金儲けばかり考えている司馬に腹を立ててケンカとなり、ナイフを持った駒村(玉置)を逆に殺してしまったという展開。しかし、5年後の映像として司馬がまた新たな宗教を立ち上げてるという面白さ。ただ、映画全体としてはショートストーリーで十分なくらいの内容。これがオウムの一連の事件後に作られていたら、もっと凄い映画になったのかも(笑)
色あせないなぁ
今観てもやっぱり面白いです。
萩原聖人さん 白鳥麗子の時から好きだけど、最後の方の顔つきの変わりようとか良いですね。
こんなに皮肉めいた 嫌な人ばかり出てくるのに、観た後スカッとするのはなぜですか。
95分という時間もちょうど良いです
嘘から出たまこと、だから詐欺師との溝が滑稽
総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 65
演出: 70
ビジュアル: 65
音楽: 65
適当に始めたことだが、きっかけはともかくとしてそれにのめり込んで本物になるなんてことは良くあることだろう。本物の宗教家になっていく人々と、何があろうが初志貫徹して金儲けしか頭にない詐欺師の北野武との溝が皮肉的に描かれていて滑稽だし、この映画の中心部分はここだろう。金のためには感情的になって怒鳴り散らす彼の性根が、徹底して腐りきっているのが本当に潔い。
でもこんなにも胡散臭い宗教がこれほど拡大して大きくなるというのが現実的ではなくて、救いを求める信者たちのこともおざなりになって殆ど描かれることもないから、余計に宗教としての成長がわからない。そこがないから何故最初の詐欺師たちが本物の宗教家になっていったのかを理解出来ない。そのあたりは手を抜かれ過ぎていると思う。
なぜ、教祖になるとみんな本気になっちゃうんだろうな~
この映画は面白いです。
新興宗教っていうのはこんな感じだ!というイメージ通り
司馬大介(ビートたけし) 呉(岸部一徳)の金の亡者名コンビ
必ず居そうな妙に真剣な信者 駒村哲治(玉置浩二)
初代教祖(下條正巳) 高山和夫(萩原聖人)の新旧教祖様
やっとDVD化されました。
高山和夫の疑問に答える
司馬の話す詭弁的な話術に妙に納得してしまうのでした。
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