「質問を質問でかえすな」CURE なつさんの映画レビュー(感想・評価)
質問を質問でかえすな
大抵の人間は「良い人」に見えそうに行動する。
しかし、どんな人間でも腹黒いところはあるのだ…的作品。
そしてそれを無理やりこじ開けられてしまうという恐ろしい作品。
いや、絶対に会いたくないそんな人
そんなこじ開ける人間、心の解放をする人間マミヤ
それを追う刑事タカベ
間に入る精神科医のサクマ
何件もの✖️付き猟奇殺人が行われている中、やっと尻尾が捕まるのが教師、警察官、医者の殺人が発覚してから。
サクマは言う、倫理的観念を持ち合わせている人間には洗脳はあまり効かないと。人殺しを悪だと思う人には生半可な洗脳は効かない。
しかし効いてるし!!!
みんな道徳、正義、命を救うを生業としている人々が殺人を起こす
あまりにもひどい催眠…途中で邪教とすり替わるがほんとに怖い。
マミヤは出会う人々に同じ質問をする
相手の質問を質問で返し、秒で忘れ再び同じ事を語る。
観てるこっちがイライラするのだから本人達はイライラMAXであろう
アンタの話を聞かせてよ。そこから催眠が始まる
心を揺さぶり、相手の本心を覗き込み、それを解放させる。それは殺人という形で。殺人まで手を染めらせるという事はかなり深く深く入り込み、こじ開けるだけでなくそれ以上の爆発を誘発している。
空っぽのマミヤ。
本当に精神病を患っていたのか
その心は誰にもわからない
ただ1人、タカベを除いて
俺の言葉が理解できるのはアンタだけ。
そんなタカベにあまり深入りするなと忠告する
作品きっての良心サクマ。
タカベは病気の妻のケア、正義感のある刑事として疲弊した毎日を送る。
妻が病院で読むのは「青髭」
心の病を持ってる人間が読むものかな?とは思うけど最終的には妻が夫を殺す話。
妻はタカベが帰るタイミングで空の洗濯機を回し、歯ブラシを買いに出て迷子になり心配させ、とどめは生肉だ。しかもご丁寧にきちんとセットされたテーブルで。
蓋を開けた時の生肉コンニチハはかなりゾワリとした。
妻もひょっとしたらわざとやっているのでは?とも思う
良き夫の殻を破りたかったのかもしれない。それとも青髭に閉じ込められた女の様に脱出したかったのかも。
タカベがマミヤを尋問するシーンはヒリヒリした空気がたまらなく息を飲む。
後半のライター火に水
催眠の合図…勝つのはどちらなのか
謎の廃屋にて邪教の教祖の写真を見る。
そしてマミヤを撃つ
思い出したか…
これでお前も終わりだ…
暗示の手を遮ってタカベはとどめをさす。
以前はファミレスで食事もそこそこに食べることができなかったタカベ。
妻もサクマもマミヤも死亡した今、綺麗に肉を食べ終える。
空っぽの伝道師マミヤ
中身の詰まった伝道師タカベ
タカベはより強い伝道師として生きていく。
ファミレスでこれから起こる惨事
刑事である彼は無敵の伝道師。
アンタの話を聞かせてよ…
そんな事を言わなくても洗脳ができる。
あー、怖かった。
視聴2回目だけど、なかなか名作だなぁ。