「 何度も見た作品だが、初めて劇場で鑑賞。まずは劇伴の荘重さに開幕1...」機動戦士ガンダム 逆襲のシャア sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
何度も見た作品だが、初めて劇場で鑑賞。まずは劇伴の荘重さに開幕1...
何度も見た作品だが、初めて劇場で鑑賞。まずは劇伴の荘重さに開幕1秒でやられる。大いなる悲劇を予兆するような弦の響きから始まって、主役機の登場・タイトルロールとともにティンパニーで最高潮に!文字通り「劇場版」に相応しい重量感あるBGMである。また改めて見直すと、昔は浅はかな小娘だとバカにしていたクェス・パラヤが、実に可愛く、また聡明に描かれていて驚いた。劇場版に登場する子どもたちは、大人よりも1歩先を見ているようで、作品自体のテーマ・理想を子供の口を借りて語っているところもある。一方で主役級のアムロもシャアも、パイロットや政治家として成熟していても、結局大人として一番大切な仕事-子供たちを教え導く、ということがまるで出来ておらず、結果大人の戦争に巻き込まれて子供たちの未来が奪われてしまう。(当時での)シリーズ集大成、の結末がこれと思うと、トミノ的現実認識のシビアさが怖くなるような…。また、今回英語字幕付き上映だったので、言外のニュアンスの多い本作を翻訳することの難しさも再発見できた。決して直訳ばかりではなく工夫されていたように思うが、解釈の違いを感じる場面も散見された。近作の「閃光のハサウェイ」(映画版)や「ジークアクス」を見たことでまた別のコンテキストも生まれていて、再見できて良かった。結末含め詰め込みすぎ、無茶な展開も多いが、富野作品中、そして日本アニメ史上においても最高傑作だと思う。
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