「この頃も音響が悪かったなあ」機動警察パトレイバー2 the Movie 守銭奴さんの映画レビュー(感想・評価)
この頃も音響が悪かったなあ
押井守は自己流が行きすぎていて勝手なことばかりするので、事実上アニメ界を干されてるのか
自分から愛想がつきてアニメ界を去ったのか詳しくは知らないが。ただ、やっぱり奇才な人だと思うので、最近のはしにも棒にもかからないような単なる商売人のアニメ作家と仕事したいと思わないのは事実なんだろな。
このパトレイバー二作目、やっぱり分かりにくいわけだが。何がいちばんわからないかって、柘植という人物の目的がわからない。
戦争を思い知らせたかっただけならやりすぎだし、クーデター計画でないなら手間をかけすぎる。
クーデター計画とむかしは考えてたので、すぐに連想する映画として
「皇帝のいない八月」
というのがある。これは本当に自衛隊が二つに割れて国家転覆を企むのでエグい場面も多いし人もかなり死ぬ。
ところが、パトレイバー二作目のこれはほとんど全く人が死なない。あえて死人を出さないような作戦をとっていると言える。
戦争に怯える恐怖を味あわせてやる、というところか。
「戦争?もう始まってるよ」竹中直人演じる公安の不気味な男が言うが、時代が違う今どう受け止められるかわからない。
むかしはそういう言葉に揚がった、アゲアゲ〜
正体不明機が勝手に飛んでいるのが確認され、三沢基地と小松基地にスクランブルがかかり、発進するが正体不明機は突然レーダーから消える。燃えるじゃない〜
普段歩いてる渋谷や新宿の街を戦車が通っている。燃えるじゃない〜(笑)
いや今の時代笑えないって。
戦争をしている国と戦争によって発展を遂げていく国同じだろ、みたいに言ったのは後藤だっけ?
その意味するところはいまいち判断しずらいが(いろんな解釈ができそうだが)
現代に訴えてくるテーマとしては重い。
ところで、後藤と刑事課の松井の連携は今回も冴えてますね。
「また松井さんと組んでなんかやってるんでしょ」とあきれて言う南雲がいいです。
南雲しのぶ、今回の主役。はっきり言って感情的になると言わなくていいことまで上司に言ってしまう、ちょっと暴走してしまうところもある人だが
最後、柘植との再会に何を思ったか。
見所はたくさんある。と思う
訂正
竹中直人演じるのは荒川とかいう公安じゃなくて
陸幕調査部別室とかいうこれは架空の部署かな?ウィキ情報
考えてみれば公安の人間が単独で動いてればあからさまに怪しいしなんか変だな〜と書いてて思いました。
こういう難解さが若い人に敬遠されんかな…