「子どもは見ちゃだめ」鬼畜 smallvilleさんの映画レビュー(感想・評価)
子どもは見ちゃだめ
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とんでもなく恐くて凄い映画だった。人間の業そのものを描いてるというか、重くのし掛かるような。
不協和音の音楽が耳に残り、緒形拳の殺意と戸惑いに満ち満ちた表情は一度見たら忘れられない。撮影当初は渥美清が役を張る予定だったというが、緒形拳の眼光は気弱な男が鬼畜に変貌していく様を完璧に表現していた。
本作は小道具と情景が印象深い。蓋の壊れたオルゴールや畳部屋に通じる階段。東京タワー、展望台、新幹線、断崖の原っぱ、禍々しい夕日など。どれも変鉄のない日常的なものだからこそより恐ろしく記憶に残る。これは川又昂の功績とも言える。小さいときに見たらきっとトラウマになって悪夢に魘されたろうな。もっと早く見たかったけど。
子どもには絶対に見せたくない映画だが、子を持ち育てる親ならば、一度は見てほしい映画。
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