キスより簡単2 漂流編

劇場公開日:

解説

亡き父親の幻影を探し求めながら、自由奔放な恋愛に生きるヒロインと彼女を取り巻く男たちの姿を描く青春映画。石坂啓原作の同名コミックの映画化第2弾で、脚本は小野寺崇が執筆。監督は「われに撃つ用意あり」の若松孝二。撮影は同作の田中一成がそれぞれ担当。

1991年製作/99分/日本
配給:バンダイ
劇場公開日:1991年5月11日

ストーリー

女子大生のまあこはテレビで活躍する生活アドバイザーのママと二人暮らし。父親はまあこが生まれる前に事故死してしまい、まあこは父親を知らずに育ったのだ。ママは父親について何も教えてくれず、いつしかまあこは勝手に父親の像を作り上げ、父親の虚像を男性に求めるようになっていた。まあこには同じ大学のバーイフレンドのトオルがいたが彼の身勝手さに嫌気がさし、テレクラで知り合った政治活動かぶれの男や、行きずりの宗教活動をしている男など、次々と付き合ってはみるものの、まあこの欲求は満たされなかった。そんなある日、仲間と集まっては公園で騒いでいる浮浪者のリーダー・ゲンをはじめ、酔っ払って若いサラリーマンとケンカし、やられてもやられても立ち上がって闘おうとするうだつの上がらない中年男や、食堂でのんだくれてブツブツつぶやいてはからんでくる変なオヤジなど、世間のアウトローとして生きている中年男たちに、まあこはたまらないほどの魅力を感じるようになる。中でもゲンには尊敬の念まで抱くようになるが、ゲンは突然チンピラに襲われ、まあこの目の前で殺されてしまう。浮浪者たちの日雇い賃金をピンハネしていたヤクザ組織と争い続けた果てのことだった。まあこは、ゲンの故郷の海に遺骨を沈めるために新潟に向かった。そして灰色の海が見える海岸で、中年カメラマンのゴローと出会い、ゴローはまあこをモデルにシャッターを切る。まあこはゴローに幻の父親像を感じ、不思議な懐かしさにとらわれながら、ゴローと旅を共にする。数日後、東京に戻ったまあこのもとにゴローから小包みが届く。それはまあこの写真集だった。そして、それがきっかけとなってまあこは芸能界にスカウトされ、新しい道を歩んでいくのだった。

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