喜劇 男は愛嬌
劇場公開日:1970年6月13日
解説
「喜劇 女は度胸」「男はつらいよ フーテンの寅」につづく、バイタリティあふれる森崎喜劇。脚本は森崎東、熊谷勲、梶原政男の共同執筆、監督は森崎東。撮影は吉川憲一が担当。
1970年製作/87分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1970年6月13日
ストーリー
ホルモン焼きの小店を開くカネには、五郎と民夫という二人の息子がいて、自慢のタネだが、二人の父親が誰かと訊かれても答えられない程、乱脈な過去をもっていた。五郎は遠洋漁業の船乗りで、忘れた頃にしか戻って来ない。弟は地区の司法保護司をやっている。ある日、近所の春子が少年鑑別所から戻ってきた。幼なじみの民夫は、なんとか善導しようとしたが、春子はついてこなかった。そこに、五郎がヒョッコリ帰って来た。五郎は町内のブラブラ男たちを集めて、大宴会を催すが、酔った亀吉の運転したダンプが春子の家に飛び込んで大騒動。民夫に責められた五郎は、「春子を三日以内に大金特と結婚させてみせる」と、平吉、源太郎、秋本らと結婚コンサルタント委員会を開き、数名の候補者を選んだ。最初に白羽の矢が立ったのは、資産一億といわれる元網元の守銭奴倉本倉吉であった。しかし、この縁談は民夫の反対と倉本の拒否にあい、消え去った。次は旧帝大出身の高校教師羽仁不可止であった。羽仁とその厳母は春子を気に入ったが、不幸なことにこの縁談も民夫の真実の告白と五郎の軽挙妄動によって、崩壊した。五郎は激怒して、民夫と喧嘩になるが、その最中、某商社の副社長になっている神部を思い出し、彼をたずねた。だが、神部の汚ない魂胆を見て、五郎は即刻断わるのだった。一方、春子は、これ以上迷惑をかけられぬと家出した。数日後、春子を捜し回る五郎と民夫はダンプの一件以来、記憶喪失の亀吉に袖をひかれた。二人は今はポン引きの亀吉の世話になるが、現われた女はなんと春子とギン子で、双方驚き合ったのはもちろんであった。だが、そのとき、刑事の手が伸びた。必死のギン子は刑事の背後から、レンガを振りおろし、逃げ去った。しかし、民夫はただ一人自首するのだった。翌日、警察に現われた五郎は、民夫に「お前は春子と幸せにくらしな」とカッコいいセリフを残して消えていった。