喜劇 一発勝負

劇場公開日:1967年8月5日

解説

「愛の讃歌」の山田洋次と、宮崎晃が共同でシナリオを執筆し、山田洋次が監督したコメディ。撮影はコンビの高羽哲夫。

1967年製作/90分/日本
原題または英題:Greatest Challenge of All
配給:松竹
劇場公開日:1967年8月5日

あらすじ

関東のある小都市に八代続いた旅館二宮荘があった。この家の長男孝吉は、名前に似ぬ親不孝者で、女を囲い、父の忠と大喧嘩して家をとび出した。その後、水商売の女が二宮家に来て、マリ子という子供を置いていったが、マリ子は孝吉の子供だった。それから十数年、孝吉がひょっこり戻ってきた。ちょうど、母礼子の一周忌の日で、父や妹の信子の驚きをしり目に、孝吉は立派な身なりで得意気だった。その夜、孝吉は父の友だちの石丸医師と酒を汲み交し、「男子一生の仕事をこの町でやる」と宣言したが、丼鉢の酒を一気に飲んで倒れてしまった。翌日、二宮家で孝吉の葬儀が営まれた。ところが、参列者が悲しみにくれた顔で集った時、棺の中から孝吉が仁王立ち。生き返った孝吉のことは、テレビに取り上げられるほど有名になった。やがて孝吉は、会社を設立し、鉱山技師山口、青田、赤山らと温泉のボーリングに乗り出した。忠は孝吉が家の庭のド真中や、先祖代々の墓地にボーリングすると聞いて大ムクレで、ついに二度目の勘当を言い渡した。そんなこともあって、孝吉の計画は思い通りには運ばず、破産一歩手前に来ていた。その時、ボーリング現場のパイプから良質の温泉が噴き出したのだ。孝吉はたちまち町の成功者になった。それから三年後、忠の苦々しい顔とは反対に、孝吉はヘルスセンターの経営に乗り出し、着々と事業を発展させていた。ある日、マリ子がヘルスセンターに出演しているバンドマンと東京へ出たいと言い出した。はじめは賛成していた孝吉は、妹だと思っていたマリ子が自分の実の娘だと聞かされて驚き、反対派に回った。しかしマリ子は反対を押し切って東京に出て行った。思わず「親不孝者!」と怒鳴る孝吉に、忠は「ざまあ見ろ」とこ気味よさそうに笑うのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 喜劇 一発勝負

2026年1月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「男はつらいよ」が始まる前に作られた寅さんシリーズの原型の様な映画で興味深い。ハナ肇演じる放蕩息子が巻き起こす乾いた笑いのドタバタ劇は、渥美清演じる義理人情を前面に押し出したウェットな笑いとは丸で異なるものの寅さん映画を観ているかの様なシーンも多い。地方の田舎町、日本の原風景を見ているような美しいショットの数々、鉄道と駅舎、駅ホームでの見送りや別れのシーン、テキ屋を演じるハナ肇、綺麗に仕上げられた室内装飾等は、寅さん映画の一部と言われても分からない程だ。孝吉(ハナ肇)には妹の信子(倍賞千恵子)が居るが、その下の妹であるマリ子(瞳ひかる)は、実は孝吉の娘、信子にとっては姪っ子だったり。だんごやではなく、地方の老舗旅館が舞台なので、祖父母、家政婦、店員等に様々な客やら近所の人々が入れ替わり立ちかわり現れる賑やかさ等、基本的な構造がよく似てて面白い。但し流石にこの騒がしい乾いた笑いの連続では長くは続けられないと判断したのか、主人公のキャラクター自体を大幅に変更したのではないかと?
様々な役者が出ていて楽しいが、加東大介と北林谷栄は出番も多く大活躍。谷啓、桜井センリ、犬塚弘、三井弘次、左とん平に、最後は若き日の堺正章、井上順まで登場。
撮影/高羽哲夫、音楽/山本直純と寅さん映画の主要スタッフなのが良い。
開演当時の(東京)サマーランドの外観(遠景)とオープン当初の園内の賑やかな風景が映し出されるのも懐かしかった。

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ナオイリ