劇場公開日 1999年6月5日

「あの曲って菊次郎の夏のテーマ曲だってこと忘れてた」菊次郎の夏 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0あの曲って菊次郎の夏のテーマ曲だってこと忘れてた

2024年7月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

悲しい

楽しい

監督と脚本は『その男、凶暴につき』『3-4x10月』『あの夏、いちばん静かな海』『ソナチネ』『みんな~やってるか!』の北野武

1999年カンヌ出品作品
少し悲しいコメディー映画
映画.comではオールタイムベストに選ばれていないがそのなかでの北野作品ではわりと好きな方

粗筋
母に会うため東京から豊橋まで旅をする少年正男と保護者として付き添う赤の他人の中年男性菊次郎のロードムービー
妻から5万円を渡され新幹線で行けばいいのに競輪でスってしまう菊次郎
なんやかんやでヒッチハイクで豊橋を目指すハメに
なんとか着いてはみたが正男の母は前夫の死別後に正男を祖母に預け豊橋で再婚し娘がいた
正男は母に捨てられたのだった

絵日記風に
おばあちゃんの友達
こわいおじさん
へんなおじさん
だめだった
天使の鈴
おじちゃんが遊んでくれた
階段から落ちたおじちゃん
タコ男
サヨナラ
の構成

好きな場面
妻にディスられ菊次郎がVサインするシーン
菊次郎が少年たちからカツアゲし始め妻に叱られるシーン
かなづちの菊次郎がプールで佐清の如く溺れるシーン
バス停のビートきよし
大型トラックとピックアップトラックのロングショット
細川ふみえのジャグリング
井手らっきょのスイカ2号

ちょっとした隠し芸大会の雰囲気も

母と悲しい出会いと別れ
その後は縁日でハッスルしすぎてヤクザにボコボコにされる菊次郎
今回はマシンガンをぶっ放したりするバイオレンス映画ではない

小説家志望の男のアドバイスでサマーキャンプをすることに
暇なデブとハゲも加わりコント要素高まる
これは好みが分かれるところ
自分は好き
裸芸は笑いの原点であり引きこもった天照大神を外に出し闇から光の世界に戻すことに貢献したアメノウズメの生まれ変わりが井手らっきょ氏ではなかろうか
人を笑わせる仕事は素晴らしい
テレビで苦虫を潰して政治を語る評論家よりよっぽど必要性が高い少なくとも自分にとっては

麿赤兒がずいぶん酷い扱い
夢の中では本領発揮

配役
不良中年の菊次郎にビートたけし
菊次郎と一緒に豊橋に住む母に会いに行く正男に関口雄介
正男の祖母と親しい菊次郎の妻に岸本加世子
バイクの男にグレート義太夫
バイクの男の友人に井手らっきょ
怖いおじさんに麿赤兒
正男の母に大家由祐子
車のカップルの女に細川ふみえ
車のカップルの男に黒須洋壬
ヤクザの幹部に関根大学
ヤクザに田中要次
ヤクザに稲宮誠
ヤクザに村澤寿彦
小説家志望の男に今村ねずみ
バス停の男にビートキヨシ
テキ屋(射的)に諏訪太朗
テキ屋(金魚すくい)に江端英久
グランドの管理人に徳永邦治
喫茶店でタップダンスをする店員に舘形比呂
喫茶店でタップダンスをする店員に瀬下尚人
ホテルの支配人に右近良之
天狗に橋本拓也
天狗に石坂勇
ホステスに小島可奈子
ホステスに永田杏子
ホステスにつかもと友希
ホステスに小林恵美
ホステスに大葉ふゆ
ホステスに安井祐子
正男の友達に荒井賢太
正男の祖母に吉行和子

野川新栄