「戦争終わって20年の爪痕」飢餓海峡 HigeKoboさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争終わって20年の爪痕
砂の器を思い出した。構成も人間ドラマも近いものが有る。
あれはさらに10年後の映画なので戦争の傷跡は沈んでおり、成長する社会のキラキラ感が有った。
この映画は戦後の爪痕がそのまま刺さってた。(実際、爪がキーポイントにもなってたが)
親ですら戦争には行ってない年代だが久しぶりに聞く言葉も多い。
思い出話や小説でしか知らない、満州引き上げ、復員服、赤線、青線、オンリーさん。
樽見の妻についての短い説明も見る人の年代によって膨らむイメージが随分と違うだろう。物語の厚みの部分は意外とその時代の雰囲気によって違うんだと実感させてくれる。
時代がたてば印象が薄くなりがちなのは時事もの宿命か。
それにしても今見れば大した証拠もないまま突っ走る警察も怖い。留置場が江戸時代だったし。
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