「少年僧のまなざし 若尾文子のえりあし」雁の寺 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
少年僧のまなざし 若尾文子のえりあし
1962年川島雄三監督。観る前にググって調べると、水上勉の直木賞受賞小説が原作。自伝的作品で、幼少時に目撃した禅寺の堕落した暮らしぶりを元にしている。映画化にあたり仏教界からの反発が強く公開が難航したとある。これを見て俄然期待が高まった。
文芸サスペンスとでもいうべき内容。堕落住職に理不尽に虐げられる少年僧が自分の言葉で喋り出すその激しさ。全編凝った構図。若尾文子の艶やかさ。特筆すべきは中盤以降の張り詰めた緊張感。こんなにずっと続く緊張感の映画は滅多に出会えない。最後の最後はちょっとどうかと思ったがそこも川島雄三映画と言ったところか。
十二分に堪能しました。
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