「【目に毒なモノは見たいのが人情。だが、ストリッパーになった娘を想う男親の複雑な気持ちが沁みる作品。だが、ラストは爽快である。正にカルメンは、故郷に錦を飾ったのである。】」カルメン故郷に帰る NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【目に毒なモノは見たいのが人情。だが、ストリッパーになった娘を想う男親の複雑な気持ちが沁みる作品。だが、ラストは爽快である。正にカルメンは、故郷に錦を飾ったのである。】
■浅間山麓で牧場を営む青山家の娘・おきんはストリップダンサー、リリィ・カルメン(高峰秀子)としてマヤ朱実(小林トシ子)と一緒に里帰りする。
派手な出で立ちのハイカラ娘に村人たちは戸惑いを隠せずにいるが、自分たちを芸術家だと信じる2人は、村でストリップ公演を敢行すると言いだす。
◆感想
・校長先生(笠智衆)を始め、純朴な村の人々が派手派手しい格好で村に戻って来た時の戸惑い。
・父の複雑な思いが、コミカルな中に描かれている。
・高峰峰子さんって、歌も踊りも何でもこなす人だったんだなあ・・。流石、3歳から子役として働き、その後、一流俳優になっただけの事はあるなあ。
■今作の見せ場は、高峰秀子と小林トシ子の場違いなのに憎めない、コミカルなストリッパーとして躍るシーンであろう。村人たちはその姿を息を呑んで齧り付きで観ている。
<ラスト、二人は稼いだ金をお金の父に渡すが、父はその金を校長先生に渡し、学校の為に使ってくれという。校長先生は”そういうことなら”と快く受け取るのである。
リリィ・カルメンが故郷に錦を飾った瞬間であろう。>
■高峰秀子さんの気品あるエッセーは、好きである。又、旦那さんになった映画監督の松山善三との二人旅エッセーも愛読書である。
3歳から子役で学校にも行かずに、働き通しだったという高峰秀子さん。
今作は、そのイメージを吹っ飛ばす快作である。
自分の生半可ナええ加減知識としては、確か戦後、初カラー総天然色。わたしの親の世代ですと「高峰さん」は2人いて、デコちゃんも大人気だったと今はとっくのとうに亡き父が申しておりました。確かに「良い意味で」アメリカ🇺🇸占領下の表現の自由、自由の息吹を感じます。しょうもないコメントですみません。😊