ガメラ 大怪獣空中決戦のレビュー・感想・評価
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ザ怪獣映画(平成ガメラ3部作)
劇場公開時以降3作とも何度観たことか
2021年の7月某日に丸の内ピカデリードルビーシネマにて3作連続で観たことが忘れられない
まさにガメラが主役(怪獣映画の主役は怪獣であって欲しい)
なので自分にとっての最高の怪獣映画
どれが一番というより3作でワンセットって感じです
(3部作の流れ)
「ガメラはきっと来るよ」⇨
「ガメラの敵にはなりたくないよね」⇨
「ガメラは1人じゃないわ」
(第1作の記憶)
1995年の3月公開ですが、同月には「love letter」も公開、中山姉妹大活躍
3作連続出演の渡辺裕之さんのセリフ「芝公園に墜す」が忘れられなくなりました
(第2作の記憶)
ガメラの復活を祈る仙台の少女が前田亜季さんだったと後年知る
怪獣映画史上最高の反則技「ウルテイメットプラズマ」に亜然として笑ってしまった🙇♂️
(第3作の記憶)
ミイラになった仲間由紀恵さん
究極の返し技「バニシングフィスト」に呆れて笑ってしまった🙇♂️
ガメラのソフビを欲しがる息子にバニシングフィストの劇場限定版をすすめたら、ケガしたガメラは可哀想だからと普通のを買って帰った
何度観ても飽きない、色褪せない。
祝・生誕60周年ドルビー再上映。
5年前も同劇場で鑑賞したが、また観れるとは実に喜ばしい。平成ガメラシリーズは私にとって何物にも代え難い作品たちなので嬉しさも爆上がりだ。
最初に観たのが30年前の公開当時な訳で、そこから好きだと流石に客観的な視点で観ることは難しく、好き前提による主観が感想の大半を占める。とは言え、今観ても映像的に物凄く古臭く感じるとか不自然な箇所が多いとかが無いのが凄い。
私は世代的に平成ゴジラもよく観ていて今も好きだが、面白さの差ではなく、リアリティや没入感といった作品により深く入り込めるかどうかの点でガメラのほうが上回っていると感じている。それは作りこみの差ではないかと思っている。単にリアルなセットや着ぐるみを作ればよいということではなく、例えばカメラワーク等の工夫でどうやって観客に見せるのか、実際の映像と合成する際やCGを使う際にそこだけ浮かないようにするにはどうするのか、そういう所が本当に上手く出来ている。そりゃここはミニチュアだろうとか合成やらCGやらだろうとかは観れば分かるが、その瞬間に明らかに浮いているのは駄目だ。一瞬で没入感が削がれるからだ。つまり、平成ガメラシリーズは作品に集中できるという点で群を抜いているのだ。
今回のガメラは顔が大きくややずんぐりしている体型で見方によればかわいいかもしれない。だがその分、ギャオスが怖い。捕食、とにかく捕食。最初から最後までずっと人を襲う。冷静に考えて怖すぎるでしょ。このバランスが良い。古代文明とかのファンタジー要素も取り込んでいるものの、設定はしっかりと作りこんでおり、ニュース映像等の日常風景を上手く入れ込むことで現実感も醸し出している。まぁニュース場面が多いのは製作が日テレだからだろうが。
特撮なんて時代遅れ、なんてお考えの皆さまには是非一度、この作品を観てほしい。リアリティとはCGが凄いことを言うのではないという事が分かって頂けるはずだ。ストーリーや設定、俳優の演技から監督の演出、特撮技術など全てがマッチするからこそなのだ。当然30年前の映画だから今より劣っている部分はあるだろう。だが本当に魅力がない作品なら、単に映像綺麗にしましたよ、というだけでは観れたものではないだろう。もともと優れた作品であり、見所が満載だからこそ4Kドルビーに見合うものになるのだ。あとサントラ、これを忘れてはいけない。大谷幸氏による素晴らしい曲たちがまた合うんだこれが。
少しでもこの「1」が面白いと感じたならば是非「2」も観てほしい。何故?私が「2」が一番好きだからだ!その際は2分ぐらいあるロングバージョンの予告編は観ないでほしい。あれは、オチ以外のストーリーほぼネタバレだから(笑)。
特撮最高!Tokusatsu at Its Best!
色々用事を済ませて、
さて、と検索して、
知ってるけど観たことなかった
ガメラ、やってるやん、で観ることにした。
95年公開なので、
怪獣の造影は着ぐるみや人形なんだろうが
カメラアングル、カメラワークの巧みさで
没入感とリアルさが感じられる。
この特撮で培った技術は、
最新技術が使用できる今になっても
引き継がれているのは
樋口真嗣監督が関わっている
シン・ゴジラや
シン・ウルトラマンなどを観れば明らか。
30年前の作品を観て、
大事なのは見せ方だと再確認した。
CGなんかで凄い映像は作れても
嘘くさくなるのか、
本物の様に感じるのかは
見せ方だなと。
作り手が意識してそう観てくださいなら
バトルシーンがドラゴンボールっぽくても良いし
アニメや漫画風でもいい。
マトリックスはその最好例だと思う。
ただ作り手が意識せずにやってると
ちょっと寒くなる。
大画面で観ていて
この作品は、ガメラというものを
新しくスタートさせる作品なんだと
改めて感じた。
機会があるのならぜひ。
I had finished a bunch of errands, and when I searched for something to watch, I noticed that Gamera—a film I’d known about but had never actually seen—was playing in theaters. So I decided to go.
Since it was released in 1995, the kaiju are, of course, brought to life with suits and models.
But the clever camera angles and dynamic camera work make the film feel incredibly immersive and surprisingly real, even on the big screen.
And it’s obvious that the techniques honed through this era of practical effects still live on today—just look at Shin Godzilla or Shin Ultraman, both of which Shinji Higuchi was involved in.
Watching this 30-year-old film in a theater made me realize once again that what truly matters is how you show things.
CG can create spectacular visuals, sure, but whether a scene feels fake or genuinely real all comes down to presentation.
If the creators are intentionally shaping the style, then even battle scenes that feel like Dragon Ball, or that resemble anime or manga, totally work.
The Matrix is probably the best example of that.
But if those choices aren’t intentional, they can feel a bit awkward.
Seeing it on a huge screen, I really felt that this film was meant to redefine and reboot what “Gamera” could be.
If you get the chance, absolutely go see it.
祝公開30周年!当時ついに誕生した怪獣映画の決定版!「シン・ゴジラ」につながるリアルを目指した特撮映画
平成ガメラシリーズ第一弾!
ファンが本当に観たかった、リアルでシリアスで面白い怪獣映画を復活させた作品として、非常に重要な作品です。
当時、怪獣映画は、年一回の平成ゴジラのみで、そのゴジラも、都庁とか、やたら広大なミニチュアを作るだけで、昔の怪獣映画の興奮には遠く及ばず、私も毎回やきもきしながら見ていました。
内容も昔の延長線上で時代遅れの感は否めず、大味な特撮、リアリティを軽視した悪い意味での「昔ながらの特撮」のままで、一般の映画とは別の世界になっていました。
その思いは一般ファンだけでなく、同じ感想をもっていた金子監督、樋口監督、以下スタッフ・キャストが、見事に面白い大怪獣映画を復活させてくれました!
緻密なミニチュア、怪獣出現を伝えるTVニュース、自衛隊出動のシミュレーションなど、リアルで緻密な世界観を目指す姿勢は、この20年後の「シン・ゴジラ」につながります。
それだけではなく、怪獣激突の興奮も味わえます。
ガメラが最初に飛ぶシーンや、ギャオスの超音波、ガメラの火炎弾など見所満載!!
自分は特に、CGによる回転ジェットの再現はトリハダもの!!多少ぎこちない動きもまたイイ!!
しかも、シリアス、リアルな面だけではなく、ガメラが子供の味方だった点は、広く人類の味方として、少女との心のシンクロのカタルシスも表現した傑作です!!
神秘的で初々しい藤谷文子、凛とした中山忍、伊原剛志、小野寺昭のソフトな雰囲気と優しさ、頼りないけど人がいい螢雪次朗、極めつけは本田博太郎の怪演と、キャスト人も素晴らしい!
冒頭から、昭和ガメラの郷功次郎と昭和ゴジラの久保明が両船長役で出演というのもうれしかった!
怪獣ファンでなくても楽しめるので必見です!
子供の見方のガメラなんてお湯に浸けたケーキのようなもの
0319 これぞ待っていた怪獣映画
1995年公開
東宝マークの後に大映マーク
本郷功次郎と久保明のエール交換
やりますなあ
樋口真嗣の特撮は冴えに冴える。
川北特撮中野特撮はこういう構図が伝統だ!とばかり
いつものゴジラで相手が違うだけ、と見えることがあるが
本作の目線は千変万化
動く自動車の向きと反対に動くガメラ
福岡ドームを破壊するガメラ
超音波を放つギャオス
オープンセットは普通空気感がおかしくなるのだが
本作は本当に怪獣が街の中に現れた感。
東京蹂躙の部屋の中からの視点
東京タワーから落ちる卵
どれも鳥肌が立つ。
特にガメラの回転ジェットのフレアと
夕暮れのギャオスのシルエットに感激した !
ギャオスとガメラの存在意義も無理なく進める
金子俊介の演出も素晴らしい。
特撮を熟知した監督が特撮監督と組む。
これが昭和以来の成功の秘訣か。
中山忍ちゃん綺麗!
藤谷文子 超棒!
ガメラの造形も凄いの一言
角度によって愛くるしいおめめもいい!
ギャオスも怖さが充実
やっぱり薄いCGより重い特撮がいい!
90点
鑑賞 1995年3月23日 渋谷東宝
パンフ購入¥500
配給 東宝
お子さま向けを越えた仕上がり
ガメラとは
正直ガメラは知っていたけど、ガメラとはなんたるかを
知らなかった。
ビジュアルも好きなのだけど、
何も知らなかったんだなと改めて思いました。
やはりゴジラとの比較をしてしまうのだけど、
ゴジラは怪獣として
人間にはどうしようも出来ない存在であるのだけど、
ガメラがこんなにヒーローの立ち位置として存在している
とは思わず、少し戸惑いました。
ヒーローなのだけど、街は破壊してたりして
ゴジラに対して存在が曖昧な気がしてしまいました。
だけど、正直言ってこの時代のゴジラ映画より
怪獣の見せ方は迫力があってカッコよかった。
街並みとの融合も見事だったと思う。
ガメラに対してあらかじめ
ヒーローとしての立ち位置とどう言う存在なのかを
理解した上で観るとまた印象が違ったかもしれない。
公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。
新文芸坐さんにて「新春平成ガメラ4Kまつり三部作一挙上映!」『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999)を3作品連続鑑賞。
『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)
幼少期に鑑賞した『宇宙怪獣ガメラ』(1980)が過去のアーカイブを使用したかなりお子様向け作品だったため、本作の製作が決定した際も過度な期待は無かったのですが、予告編を観てあまりの出来の良さに度肝を抜かれ劇場に駆け込んだ記憶がありますね。
平成ゴジラシリーズも『vsビオランテ』(1989)のリアリティ路線から軌道修正、大仰なSF要素がより濃くなった時期で、ギャオスとガメラが文明の発達したアトランティス大陸の古代人が生み出した人工生命体という設定が、高速回転で空を飛んでも説得力十分で大人の鑑賞に堪える怪獣映画に昇華、『うる星やつら』『機動警察パトレイバー』でも才能を発揮した伊藤和典氏の脚本が秀逸でしたね。
本編パートの演出も特に日本テレビの現役キャスター、アナウンサーが実在のニュース同様に原稿を読み上げる様が真実味をおびて良く、特撮パートも屋外のオープンセットで撮影しているのでアオリでの巨大感や、自然光を取り入れて抜けのいい空気感が『ゴジラ』シリーズと比べて新鮮な驚きでしたね。
公開からもう30年経ちますが、全く色褪せない特撮映画を超えた日本映画の傑作ですね。
愛せる怪獣映画
わあ、ありがとー。
タイトルなし
怪獣 VS 怪獣作品では群を抜く出来♪ 俳優陣のキャスティングも◎
対怪獣同士の作品では出色の出来です。
ガメラの出現、ギャオスの捕獲など理にかなった演出が、無理なく物語を進め、あっという間に見終わります。
俳優陣も小野寺昭さんのよいパパ風自然な演技、中山忍・伊原剛志のひたむきさ、螢 雪次朗のコミカル感、役人=本田博太郎・軍人=長谷川初範の存在感 等々キャスティングも適材適所で申し分ありません。
唯一、スティーヴン・セガールの娘である藤谷文子が、ガメラと意思疎通出来る共鳴体になってしまうところが、当初違和感がありますが、そういう設定と受容下さい。
そして当時の本物のニュースキャスターがニュース映像で出演しているシーンもリアルです。
戦車・トラック・ヘリ・艦船など、自衛隊が本物で撮影協力しているシーンも搭乗してる方も本物の自衛隊員?など、考えながら見入ってしまう♪
ガメラの着ぐるみ感がやや気になりますが、暗いシーンでごまかしたCGハリウッド作とは異なり、ハッキリ見せてくれている事をむしろ英断に感じる。
「ゴジラ-0.1」の制作費1500万ドル(約20億円・ハリウッド作は10倍以上)が低すぎるのに、すごいクオリティと驚愕している海外ファンが多いですが、本作は恐らく5億未満の制作費です。
その点を甘受してご視聴を♪
今作は平成ガメラ3作のうち1作目(1995年)ですが、昭和ガメラシリーズの「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967年)も傑作ですので、機会あれば♪
日本怪獣映画の最高傑作のひとつ
神話‼️
これぞ映画ファンが本当に観たかった "シン・怪獣映画" ‼️高度経済成長を経た現代の日本に怪獣が出現したらどういう事になるのか❓国民、国家、自衛隊、メディアの反応‼️ゴジラシリーズやウルトラマンで描かれてきた怪獣プロレスによって、どういうリアルな事態が発生しているのか❓特に面白かったのは、ギャオスに対する自衛隊の作戦‼️福岡ドーム、今はPay Payドームにギャオスを閉じ込める作戦なんですが。光に弱いギャオスをヘリコプターで誘導。ギャオスが餌である大量の肉を食っている間に、開閉式の屋根を閉めようとする。それに気づいて襲いかかるギャオス。後ずさる中山忍さん。ライトフラッシュと麻酔銃のW攻撃でギャオスを捕獲、逃げた一羽を博多湾から出現したガメラが一撃で仕留める‼️なんかガメラと自衛隊の連携作戦みたいでカッコいいですよね‼️そして藤谷文子さんの少女が勾玉を使ってガメラとテレパシーというかシンクロ出来るという設定。ギャオスが古代文明が作り出した生物兵器であり、手に負えなくなった彼らが対抗策としてガメラを生み出した、という設定も面白いです‼️ ギャオスが列車の車両を襲うのも、キングコングやゴジラへのオマージュだし、夕暮れをバックにギャオスが壊れた東京タワーに巣を作るビジュアルも素晴らしいですね‼️そしてラスト‼️対峙するガメラとギャオス。一瞬の静寂。次の瞬間、放たれるガメラのプラズマ火球とギャオスの光線‼️粉々になるギャオス‼️「あばよッ」とばかりに飛び去ってゆくガメラ‼️これは「椿三十郎」だー‼️スゲーッ‼️
【”超古代文明が産み出したモノ。”シンゴジラもビックリの本格的怪獣映画。金子修介が監督である事にもビックリである。やるじゃん!金子修介監督!】
■太平洋上で巨大漂流環礁が発見された頃、九州の姫神島で謎の人間消失事件が発生。
調査に訪れた鳥類学者・長峰真弓(中山忍)は、そこで巨大怪鳥を目撃する。
一方、巨大環礁に上陸した海上保安庁の米森(伊原剛志)と保険会社の草薙(小野寺昭)は、環礁上にあった石板の碑文を解読する。
◆感想
・軽ーい気持ちで観たら、この作品、実に面白いし、良く出来ている。
・ギャオスが人間を捕食するシーン等は、ヒッチコックの”鳥”である。
・美しき中山忍さんが、愚かしきギャオス捕獲を指示する政府高官(本田博太郎)を一括するシーン等も、大変宜しい。
・アトランティスとか、勾玉などを出しながら、ガメラと草薙浅黄(藤谷文子)の思想がシンクロしていたり、福岡ドームでギャオスを捕獲しようとしたり、ナカナカである。
・東京タワーをぶち壊し、折れた部分に留まるギャオスの絵なんかも、良い。
<いやいや、金子修介監督、やるじゃないの!面白き、平成怪獣映画である。支持。>
今や超有名な人も、今となっては懐かしい人も。そこは楽しめる。いやに...
従来のミニチュアワークと光学合成の特撮から、CG とデジタル合成の特撮への変革を、この平成ガメラ3部作が推進したからこそ今日の日本の特撮界はあるのです
平成ガメラシリーズ3部作の第1作
日本の特撮映画、怪獣映画の最高峰の作品での一つです
1954年の最初の「ゴジラ」に次ぐものでしょう
あとは比肩できるものは「シン・ゴジラ」ぐらいです
平成ガメラシリーズも「シン・ゴジラ」も「シン・ウルトラマン」も特撮は樋口真嗣監督です
この本作もいわばシン・ガメラともいえるものでそれは共通している事です
シン・ウルトラマンも、シン・ゴジラも原点は本作にあると言えると思います
1995年3月11日公開
本作は、撮影している最中からラッシュをみた撮影所のスタッフからこれは凄い映画ができそうだと評判になり、公開されるやオタクの特撮ファンだけにとどまらず、怪獣映画なんてといつもは小馬鹿にしているようなうるさがたの映画評論家の先生方まで絶賛の嵐を巻き起こしました
なにしろ1995年度キネマ旬報年間ベストテンに入っているほどなんです
もちろん大ヒットしました
3部作という構想は当初は無かったといいます
しかし本作がこれほどの素晴らしい完成度を示して成功すれば 、自然と続編と言う話になります
そして2作目も高いクオリティを示し大ヒットになります
それなら、普通3部作だろうという風になって言ったそうです
つまりそれほどに作品自体に勢いがあり、スタッフにも勢いがあり、観客もまそれを多いに支持した作品シリーズだと言うことです
平成ゴジラシリーズは、本作公開のの9ヵ月後の1995年の12月に最終作が公開されて終了しました
ハリウッド版ゴジラが製作される為でしたが、実際のところコンテンツ疲労というべきものだったと思います
いや特撮技術の敗北だったのです
1993年の「ジュラシックパーク」のCG による恐竜の映像は日本の特撮を完膚なきまでに打ちのめしたといえます
「スターウォーズ」や「未知との遭遇」が黒船なら、「ジュラシックパーク」は太平洋戦争に敗れたようなものです
逆立ちしても勝てない
それがハッキリしたのです
ジュラシックパークを観たなら、もうチープな着ぐるみの怪獣映画なんか馬鹿馬鹿しい
内容もマンネリ化して変わり映えしない
大人向けなんだか子供向けなんだかわからない
誰も満足しない映画を惰性で撮り続けていたのです
コンテンツ疲労そのものです
それなら映画化ライセンスを売り渡した方が、ゴジラというブランドを永続させるための戦略として当然の事です
しかし、CG とデジタル合成の特撮技術の発展は始まったばかりだったのです
ここで日本の特撮界が諦めていたなら今日の日本の特撮はなかったのです
本作がそれを救ったのです
従来のミニチュアワークと光学合成の特撮から、CG とデジタル合成の特撮への変革を、この平成ガメラ3部作が推進したからこそ今日の日本の特撮界はあるのです
第1作の本作は、何もないところからどうすれば良いものを作れるのか
第2作では、一部CG とデジタル合成を取り入れ、第3作では日本の特撮もCG とデジタル合成で特撮をやれるようにしたのです
それこそが平成ガメラシリーズの最大の功績であり、意義であり価値であると思います
中山忍のヒロインの美しさ、東京の都市破壊シーンの説得力、破壊シーンされた東京タワーに巣をつくり夕焼けのなか佇むギャオスのシーンの絵
どれもこれも語り草ですが、何よりも本作が日本の特撮界に与えたインパクトの巨大さをまず語るべきだと思います
キネマ旬報年間ベスト10になったのはそこまでいれての評価なのだと思います
この平成ガメラシリーズにかかわった95人ものスタッフのインタビューが、2009年に発売されたブルーレイに特典映像として収録されています
彼らが平成ガメラシリーズを経験したことが今日の日本の特撮の土台になっていることがハッキリと分かると思います
ぜひこちらを全員分ご覧になるべきです
もちろん本編の金子監督、特撮の樋口真嗣監督のインタビューも収録されています
最後にかなり長文ですが、この樋口真嗣特撮監督の証言を引用させて頂き多ますます
特撮ファンなら大変に重要な証言だと分かると思います
まだCG やデジタル合成が主流になる遥かに前の時代の事です
ガメラを作る直前、私は自分たちの作れる特撮の可能性について考えてばかりいました
どうして日本の特撮はリアルな説得力が無くてちゃちなんだろうか?
アメリカからやってくる特撮のような画はなぜ作れないんだろうか?
10年近く特撮の現場に参加しているうちに、「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」と同じクォリティのものは到底作れない事も判ってきたのです
ミニチュアワークに依存せずに、合成を中心とした画作りがリアルな説得力に繋がるのは判っていたけれども、それを実現するための予算を獲得する事はまず無理でした
ところが、「ターミネーター」彗星の如く現れた監督が作り出した「エイリアン」の続編を見て、「モンティ・パイソン」のメンバーが監督したファンタジー映画を見て、驚きました
撮影規模から類推するに決して潤沢な予算が投入されているとは思えないのに、ミニチュアワークのみで臨場感と説得力を獲得しているのです
おこがましい表現ですが、「フレンドリーな特撮」
ーつまりこの程度のなら自分たちが与えられるであろう予算規模でも成立するのではないか?
技術ではなく画面構成や色調表現、ライティングでカットのリアリティは飛躍的に上がるのではないか?
あとはどうやってその試案を検証するか?
そんな事を悶々と考えていました
そんなに時に舞い込んだのが森田芳光監督の「未来の思い出」1992年の映画の特撮でした
主人公の恋人を乗せた旅客機が嵐に突っ込み、あわや墜落、でも危機一髪脱出する、というシチュエーションを、綿で作った雲海とピアノ線で吊ったミニチュアで撮影しました
雲のフォルムを自然に再現し、丁寧にライティングするやり方はジェームズ・キャメロンやテリー・ギリアムの映画で学んだ方法です
しかし、その旧態依然とした方法に依頼した本編スタッフの全員が懐疑的だったので、テストフィルムを撮影して観てもらったのです
それから彼らのミニチュアに対する、特撮に対する不信感は払拭され、私たちはそのやり方に対して自信を深めました
それが始まりだったののかもしれませんが、特撮を試せるチャンスはなかなか訪れません
アメリカで製作する「ウルトラマン」の現場に立ち会い、アメリカとはいえ予算が無ければ日本よりも条件が悪くなる事を身を持って味わい、帰国した時点で「ガメラ」の企画を脚本の伊東和典さんから聞きます
それまでの閉塞感を打開する最後の機会だったので、今まで同じ意識を抱いていたスタッフを集め、生まれて初めて制作会社、大映に売り込んだのです
「我々に、特撮をやらせて下さい」
あれほどまで積極的にアプローチしたのは、あとにも先にもあの時だけです
現状に対する不満と大胆な行動力のなせる業だったなと思います
面映ゆいですが、あれこそ「若さ」だったのでしょう
あの時期でないとできない仕事だったし、あの時期に出会えて良かったと思います
いまでもひたすら感謝です
当時の特撮技術では最高峰だったものの今や
福岡ドームを、怪獣の捕獲に使うという発想が、独創的で、なかなか面白かったのですが、肝心のガメラの存在がいまひとつはっきりしないまま、映画が終わってしまったのが残念です。
そのほか、中山忍さんの好演が意外に光っていたり、特撮技術が、「ゴジラ」に比べればいくらかマシだったり、主題歌のウルフルズがハマっていたりと、好きな映画にしたいところですが、細かいアラが気になって、違和感が最後まで消えませんでした。
特に、現地リポーターが恐怖のあまり、途中から方言丸出しになってしまうところは「あり得ない」演出です。なぜ彼女は逃げようとせずに、リポーターの職務を放棄して伝わらない言葉を選択したのか。「本能的な恐怖に、冷静さを失ったあまりに、本来の正しい日本語を使うという職務を忘れ、博多弁丸出しになってしまった」という演出だそうですが、本能的な恐怖が勝つなら、その場を逃げ出すのが本当でしょう。なぜ、台風のリポーターは雨風にさらされながら、言葉遣いが正しいままなのか考えたことがなかったのでしょうか。
2017.9.10
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