ガメラ対宇宙怪獣バイラスのレビュー・感想・評価
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とっても低予算になった大映ガメラ第4弾!
冒頭からヘンテコな宇宙船が出てきて地球を狙っています。で、何故かそこを通りかかったガメラさんに喧嘩を売って逆にボコボコに・・・ってガメラさん、そこ宇宙だよ!呼吸を忘れてない⁉️あまりに普通にひょっこり出てきたので、ツッコミを忘れそうでした。
そんなこんなで大映ガメラ第4弾です。過去作の使い回し映像がそこそこ長いのは予算を削られたのでしょうか?白黒の第1作目も普通に混ぜて使っているので違和感がスゴい。最初に出てくる宇宙人も普通のオッサンだしなぁ・・・。これは映画館で見せられると辛いヤツや😢
しかし❗あのイカのようなバイラス星人の造形は好きです🦑最後の戦いだけは良かったですね。弱そうなのに意外と強いバイラス星人。そして何処からどう見ても軟体動物なのに頭がガメラの土手っ腹に突き刺さるなんて⁉️ガメラさんとウォータージェットみたいに遊んでからの腹にブッスーだったんでビックリしました。しかも何度も刺しててけっこうエグい。
でも、ガメラさんはバイラス星人が刺さったまま大気圏まで行って、そこからバイラス星人を落として倒しました。で、そのまま何処かへ去っていくガメラさん。子供達も「バイバーイ」なんて手を振ってましたが・・・ガメラさん、腹に穴空いて重症なの忘れてませんか?
ガメラ対低予算
シリーズ4作目。1968年の作品。
本作から昭和ガメラは本編も特撮も見てはっきり分かるほど質落ちに。
まず、本編。
前作までは地球を舞台に一応それなりに大人も見れる話だったが、突然の路線変更、異星人による地球侵略モノに。
…いや、ゴジラだって『三大怪獣 地球最大の決戦』『怪獣大戦争』で宇宙色になったが、それでもまだまだ特撮SFの面白味があった。
またTVでは『ウルトラセブン』が放映され、大人も見れるSFであった。
しかし、こちらは完全に子供漫画SF…。
主演は本郷功次郎とクレジットされているが、実質主役は正夫とジムの二人の少年。
潜水艇でガメラと遊泳したり、ピンチに立ち向かったり、少年二人が大活躍!
その一方、異星人に囚われ、ガメラもコントロールされてしまう。
世界人類は絶体絶命の危機! 正夫とジムを犠牲に異星人の宇宙船を攻撃するか、子供二人の命は犠牲に出来ず降伏するか、二者択一!
国連が選んだのは、何と後者!
“人間一個の命は地球より重い”を地でいった!
子供向けSF漫画としてはハラハラドキドキ理想ストーリーかもしれないけど…、ねぇ…。
科学考証もリアリティーもナシ&無視! 有るのは荒唐無稽とツッコミで、沢山有り過ぎるのでいちいち挙げられません!
でもどうしても言いたいのは、バイラス星人の宇宙科学を一瞬で分かる宇宙的超天才の正夫&ジム!!
トカゲ、コウモリときて、今回の敵は“宇宙イカ”。その名は…
バイラス!
確かにその造形はユニークで印象的。闘い方も。
“ガメラ対バイラス”で特に記憶に残っているのが、バイラスが鋭利なナイフのような頭でガメラの土手っ腹を何度もグサッ、グサッ、グサッ!
それにしても、完全子供向けの作品でよく見せたもんだ…。
自分も昔見た時、ガメラ可哀想と思いつつ、少々残酷でもあり、ひょっとしたらそれが昭和ガメラを敬遠した理由かもしれない…。
『ガメラ対バルゴン』『ガメラ対ギャオス』はそれなりに特撮の醍醐味あり、複数の対決も繰り広げられたが、特撮は目に見えてショボくなり、対決も一回だけ。
それを補うかのように、バイラス星人の“ガメラ研究”として昭和ゴジラ後期シリーズでもやった禁じ手、過去作品の流用。これが70分の尺の内、15分~20分ほどを占めている。カラー作品なのに、突然白黒にも!
まあ、まだいい。が、この後の作品でも定番のようになり、いい加減飽きてくる。
また、音楽も似たような音楽が延々と。
でもそんな中で、遂に誕生! 昭和ガメラの名曲“ガメラマーチ”!
これも子供向けだが、改めて聴くと軽快で、嫌いじゃないんだなぁ。
これら質落ちの理由は分かり切っている。
大映の業績不振。
ガメラシリーズはヒットはしているものの、作られていく度にどんどん削減。
それが全てではないが、こういう特撮作品にはやはりどうしても欲しい。
本作でガメラはバイラスと闘っていたのではない。
ガメラが闘っていたもの。その名は…
低予算!
低予算なりの工夫が切ない
ガメラ・シリーズ第4作。
サンテレビ「アフタヌーンシアター」で鑑賞。
シリーズ初の侵略者・バイラス人の地球侵略作戦に、ガメラとふたりの子供たちが力を合わせて立ち向かう、と云う筋書きはシリーズのコンセプト―「怪獣映画は子供の目線を大切にしなければならない」を地で行く王道パターン。
一見ガメラ映画の理想形のような作品に思えますが、折からの大映の業績不信により余儀無くされた前作に比べて半分以下と云う低予算での製作体制が大いに影響しているのではないかなと、大人になった今では想像する次第です。
前作から引き続いて、大映スターの本郷功次郎が主演していますが、ギャラの面などかなりギリギリのところでの出演だったのではないかと思われます。ドラマ部分のクォリティーを保つため、本郷氏の出演は欠かせなかったのかもしれません。よって、子役中心の作劇にすることで彼の出演シーンを減らし、浮いた予算を他へ回すと云った工夫が行われていたかも。
ストーリー面でも工夫の跡が。ロケ代を節約するために、専ら海辺が舞台となりました。特撮シーンもミニチュアが少なくて済むから一石二鳥、と云う目論見があったそうです。
ガメラがバイラス人に操られて各地を破壊するシーンでは、過去作のライブフィルムが流用されていました。1作目のシーンも使用しているため、カラー作品なのに突然モノクロが交じると云う今では考えられない珍事態が勃発していました。
なんとも切ないエピソードではありませんか。
子供目線を強調したためか、雑なところがちらほらと。
冒頭からバイラス人撃退のための秘策に繋がる要素を伏線として散りばめていましたが、その方策はあまりにも子供じみていて、大人になった今では少々見るに耐えないものが。
単純明快なのは大いに結構なことではありますが、バイラス人がめちゃくちゃ間抜けな宇宙人に映ってしまい、なんとも残念なことになってしまっているなと思いました。
ただでさえ金の掛かる特撮シーン。頑張ってはいましたが、やはり過去作に比べるとめちゃくちゃ物足りない。殆どがライブフィルムのために、新撮シーンは冒頭の宇宙空間でのバイラス円盤とガメラの戦い、ガメラと潜航艇が泳ぐシーン、クライマックスのガメラとバイラスの戦闘くらい。予算を一極集中させたすごい場面があれば良かったのではないかなと思いましたが、それを求めるのは酷と云うものかもしれません。
低予算と云う過酷な状況の中で凝らされた数々の涙ぐましい工夫によって、かろうじてなりたっている本作―。昭和シリーズの中である意味とても印象に残りました。
[余談]
幼心に衝撃的だったのは、バイラスとの戦いでガメラがお腹から甲羅に掛けて串刺しにされたシーン。毎度毎度過酷な目に合わされる怪獣だなぁ、と同情の気持ちが湧いて来ました。そこからの逆転で見事に溜飲が下がったのを覚えています。
[以降の鑑賞記録]
2021/03/20:アマプラ(シネマコレクション by KADOKAWA)
※リライト(2021/03/20)
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