「もしかしたら、私たちの考えていることって、同じなんじゃないかしら・・・‼️」神様のくれた赤ん坊 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
もしかしたら、私たちの考えていることって、同じなんじゃないかしら・・・‼️
同棲中の渡瀬恒彦と桃井かおりが、見知らぬ女から6歳の少年を押し付けられる。隣人だった渡瀬の昔の愛人が、渡瀬をはじめとする五人の父親候補の名前と住所を置き手紙して駆け落ちしたのだという。二人は仕方なく父親探しの旅に出る・・・‼️今作は70年代の日本映画、特に松竹が得意とした人情喜劇の名作ですね‼️しかもロード・ムービー‼️尾道、別府、天草、長崎、そして佐賀の唐津‼️各地の美しい風景も見どころの一つなんですが、四人の候補を訪ね歩いての当たりハズレみたいなコン・ゲーム的な面白さもあって、しかもこの四人の父親候補のエピソードが、これまた抜群に面白い‼️政治家の名を語ったその秘書で、バレないようにアタフタしたり‼️結婚式当日の花婿で、養育費として祝儀をすべて支払ったり‼️ライオンズのファンが集まるバーのバーテンで、渡瀬が巨人ファンだったためフルボッコにされたり‼️暴力団の親分だったが既に死亡しており、未亡人が組を仕切っていたり‼️それぞれを演じる豪華キャストの皆さんの演技も見事で楽しませてくれます‼️そしてこの父親探しの旅と並行して描かれるのが、桃井さんの実母のルーツをたどる旅‼️女手一つで一生懸命育ててくれた母‼️そんな母と幼き日に過ごした場所はどこなのか⁉️そして昔の知り合いにより、母が生活のため街頭に立っていたことを知り、衝撃のあまり自らも同じことをしようとするも、どうしても出来ず、渡瀬の胸で泣き崩れる桃井さん‼️そしてついに見つけた唐津城の美しい光景‼️奥が深いし、それを体現する桃井さんの演技力もサスガです‼️そんなこんなで少年は親分の未亡人が引き取ってくれることになる‼️しかし二人は少年を引き取り、自分たちで育てる決心をする‼️映画の冒頭、桃井は妊娠したと勘違いし、産むのはダメだと言ってた渡瀬‼️そんな二人が父親探しの中で幸せを求める少年の悲しい姿を見て、また母の自分に対する愛情の深さを知ったことで、親になる覚悟を決めた姿にしみじみとさせられる‼️ホントに好きだなぁ、こういう味‼️それにしても「幸福の黄色いハンカチ」もそうですけど、この時期の桃井さんは向かうところ敵ナシですね‼️絶好調だったんだろうなぁ‼️