劇場公開日 1997年7月19日

「3番めが1番つまらない」学校の怪談3 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.03番めが1番つまらない

2019年2月6日
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鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル、映画館

楽しい

監督を変えて、またまた出ました。
シリーズ第3弾。

今回の監督は、金子修介。
本作の前に平成ガメラを手掛け、大評判を取ったばかり。
SFXにも長け、手腕の見せ所!
…が、残念ながら、シリーズで一番つまらない。

一応本作も、学校にまつわる怪談をベースにジュブナイル・ファンタジー×子供たちの冒険とドラマ。
同じである筈なのに…、何か違う。
やっぱり、監督と脚本家が違うからかなぁ…。
平山秀幸の演出もさることながら、奥寺佐渡子の脚本が良かった。
怪談ファンタジーの中に子供たちの冒険・友情・ちょっぴりの切なさも滲ませ、心地よい余韻に浸らせてくれた。
しかし本作は、それらはあるものの、恋愛要素や親の再婚問題も織り交ぜ、必要あったのかなぁ、と。
純粋に子供たちの冒険と怪談ファンタジーに留め、恋愛要素も淡く滲ませる程度で良かったと思う。
何か見ていて、こっ恥ずかしい。

作風としては、幽霊キャラもいっぱい登場させて、1作目のようなワクワクハラハラ楽しい路線を目指したのだろう。
が、1作目の楽しさには遠く及ばず。
監督変わったのに、やってる事は同じなのは問題。

話のメインは曰く付きの鏡の中の世界。
左右逆の世界観はユニークだが、それをもっと活かして欲しかった。
鏡の持ち主の幽霊少年。彼の目的は…。
ここがドラマのポイントで、子供たちと幽霊少年の交流は描かれてはいるが、どうもドラマ的に弱い。グッと来るものが無かった。

それから違うのは…
これまではお化けや幽霊だったのに、本作は妖怪やゾンビなども登場して、何か根本的に違う気がした。
さらにのっぺらぼう妖怪が鎌などを持って襲い掛かり、こんな殺意持ったキャラは今まで居なかった。
それがまた本作をシリーズの中で異質なものにしている。
健全怪談ファンタジーは何処に??

CGも所々拙い。特にあの紙の化け物。
演出も演技も話もチープ。
明らかにこれまでの良質怪談ファンタジーとは違く、テイストや作風は質落ちで変わったのに、やってる事はマンネリという、このシリーズは好きでも弁護のしようがない。

シリーズで一番つまらないだけではなく、金子監督作としても凡作。
でもこれで終わらず、次作で平山監督と奥寺佐渡子が脚本にカムバックし、また好編になって救われた。

近大