ガキ帝国のレビュー・感想・評価
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やるせなさのパッチワーク
設定の昭和40年代前半を感じるのは劇中の音楽や映画位で、どう見ても1980年頃の若者による魅力的なケンカ映画である。
次作製作の際に、映画会社の偉いさんからいろいろと条件を提示されたようだが、その欠点に見える案件ひとつひとつが本作を面白くさせている事に気づいてないとは…。
本作の扱われ方にしろ、興行の収支しか頭に無い人たちには映画の持つ魅力の何たるかなんて、微塵も考えた事が無いのだろう。
思うようにならない人生に対して残り時間が少ない大人は妥協と諦観に走るけれども、時間を持て余したガキにとっては目に見えるもの全てが邪魔をする敵にしか感じられない。
本作がそれまでの不良映画よりも新鮮だったのは、あまりにも切ない事実の羅列が〈薄汚さ〉を凌駕していることだと思う。
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元祖!?パッチギ!
役者としては素人臭さが残る紳助など芸人たちの演技が初々しく、若い頃の升毅は今のイメージとは違い細身で渋い演技に驚いた。
フジTVのドラマ「若者のすべて」の印象が強い趙方豪の一匹狼的な役柄に好感が持て、41歳で亡くなられたのは何とも悲しきかな。
誰が強いとか弱いとか、安易に決着を付けない話展開は当時の不良をリアルに描けていると思うし、シリアスよりコミカルな方向性と紳助の話す口調からの笑いが相思相愛な本作。
比較するのは筋違いかもしれないが何となく三池崇史が頭に過り、原作漫画を無茶苦茶にした三池監督の軽薄な演出描写にリアルさは皆無で、格好付けた若手俳優が悪ぶって演じた不良少年映画より、格好悪くてダサかったりが格好良い井筒監督の不良少年映画の方が断然に面白い。
青春らしくていい
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