劇場公開日 1959年6月23日

「京マチ子と鴈治郎(今の鴈治郎の祖父)」鍵(1959) talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5京マチ子と鴈治郎(今の鴈治郎の祖父)

2016年1月22日
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鑑賞方法:映画館

笑える

萌える

この二人の組み合わせで好きなのは「浮草」です。同じ年に「鍵」もなのかー!映画を作る力がすごい時代だったんだろうなあ。

京マチ子がとにかく好きなので、眉毛や化粧(「頭が痛くなるくらい髪を引っ張った」という目をつり上げたメイク)に驚きつつ惹かれました。着物もなんとも言えず素敵。最期、ちょっと笑って「死んだ」。この箇所にはぞくっときました。

汽車の車両合体とかは、市川崑ぼいのかな?恥ずかしくてふざけてるのかな?思わず笑ってしまいます。若いときの仲代達矢は「炎上」(原作:金閣寺)の時もそうだったけれど、表面的な理屈をペラペラと言わせたらうまいなあ。叶順子は美人なのに、京マチ子の横で全く負けているように見せた、衣装、化粧、演出は素晴らしいと思いました。

原作では「書く・読む」日記の話だから、そのままの映像化はとても難しいかつまらなくなってしまうと思います。また、初老の男を教授でなく骨董鑑定家にしたのもとてもいい!こういう脚本(脚色)にして「見る」映画にしたのはすごいなと思います。

市川崑が原作権を買った際、谷崎潤一郎から「主演は京マチ子で」と条件が出されたことに納得!谷崎の審美眼は素晴らしい。

talisman