「イラストレーターとしてのあの風刺力は一体どこへ…」快盗ルビイ KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
イラストレーターとしてのあの風刺力は一体どこへ…
若い頃の小泉今日子と真田広之主演という、
言わばアイドル映画の一作品とも思ったが、
第1位に推した選考委員が二人もいる中での
キネマ旬報第10位という高評価作品で、
監督がキネ旬で第4位に選出された実績を持つ
「麻雀放浪記」のイラストレーター和田誠
と言うこともあり初鑑賞した。
そして最初のバッグのすり替え強盗からして
ドジな怪盗?事件がどう展開するのかと
期待しながら観続けた。
しかし、この作品、
一応コメディ映画ではあるのだろうが、
コメディだからこそ求められる
風刺性も何も感じられず、
イラストレーターとしての
あの見事な社会風刺力は一体どこへ
消えてしまったのだろうとの
残念な想いが残った。
和田誠はこの作品の後も
幾つか監督をされた作品があるようだが、
残念ながら「麻雀放浪記」がフロックだった
かのようにしか感じられなかった。
いずれにしても、アイドル映画の域を出ない
作品だったのだろうか。
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