海峡のレビュー・感想・評価
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昭和は遠くになりにけり
昭和6年に中村草田男は「降る雪や 明治は遠くなりにけり」と詠んだが、この映画を観て昭和は遠くなったなと改めて感じた。
陸に上がれと言われても上がれない、家族の元にも帰れない。何ともやるせない終わり方。
青函トンネルを掘る映画、少し感動した
あらすじと感想
1.映画の内容は、昭和29年の洞爺丸事故から、先進導抗の貫通まで
2.吉永小百合は、助演者と思っていたが
本筋から外れた脇役で、出演時間も3~5番目位 → 少し残念
②ただ、小生は、吉永小百合の映画は、今までに約60本観てるが、
この映画で初めて、ネクタイ姿を観た → 少し嬉しい
③なお、出演時間が2番目に多いのは、森繁久弥
3.出水で苦労する映像は、2回あるが、どちらも迫力があって良かった
4.この映画(1982.10.16公開)で先進導抗が貫通するが、
実際の先進導坑の貫通は、1983.1.27、
事実に先駆けた映像となっているが、まあ、OK
5.ハッピーエンドで良かった
青函トンネルを掘る男の生き様!マンモスがキーワード?
難関工事をやり抜く男。25年かけて、本坑ではなくパイロット抗を掘り抜く姿を国鉄職員の高倉健と工事の中心である森繁久彌の物語なのだ。その分、彼らの周りの人間関係はとても薄い。特に、阿久津(高倉)の妻となった大谷直子との夫婦関係が全く描かれてないのが残念。結婚して岡山から竜飛へと戻ってきた彼ら。しかし妻と息子は寒さに耐えられず、岡山へと戻ってしまう。阿久津の実父・笠智衆の死に目にも会えなかったところも、描写不足のため何の感情移入もできない。何と言っても、多恵(吉永)とのロマンスが発展しそうな雰囲気なのに、まったく進展しないところがステキなのだが、完成までは酒も断ち女も断っている(想像)健さんには近づくこともできず見守るだけの哀しい女を演じきれてない・・・ああ小百合様。
それでもね・・・岡山から戻ってきたトンネルさんが居酒屋に現れたときの嬉しそうな表情は最高でした。
高倉健と森繁久彌の名演に浸る。
東宝創立50周年記念作品。
Blu-rayで鑑賞。
青函トンネル開通の難工事に挑んだ人々を壮大なスケールで描く超大作。
自然に戦いを挑んだ人々の様子が胸熱の極みでした。
寒々とした飯場の様子や冬の津軽海峡の風景が、木村大作の見事なカメラワークで捉えられていて圧巻の一言でした。こちらまで体がしばれて来る…。
浸水や岩盤崩落シーンが圧倒的なスペクタクルなので、めちゃくちゃ心を打ちのめされました。何て困難な工事なのかと、果てしなさに呆然としました…。
過酷な環境下で奮闘する姿に心を揺さ振られました。
主人公は、高倉健演じる工事の現場責任者。未だ誰も経験したことの無い大事業に不撓不屈の心を持って挑みました。我慢強く堪えて堪えて、降り掛かって来る数々の困難を仲間たちと共に乗り越えていく姿は、まさに高倉健の真骨頂だなと思いました。
脇を固める吉永小百合や三浦友和などの豪華キャストの中でも出色なのが、森繁久彌演じる発破職人集団の棟梁だなぁ、と…。昭和の名優の演技が光っていました…。主人公の熱い想いに応える形で難工事に挑む姿はとても男らしくて、その背中に一生着いて行きたくなりました。浸水事故に遭遇し亡くなってしまいましたが、その意志を受け継ぎ工事完遂へのエネルギーに変えて邁進する主人公の姿がまたまた感動を誘いました…。
度重なるアクシデントを経験しながらも、最後の発破によりトンネルが開通した瞬間には思わず涙が零れました。前人未踏の工事に情熱を燃やし、途上で命を落としてしまった人や彼らを支えた人々の想いが、クライマックスの感動に繋がっているのだなと思いました。
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