女ざむらい只今参上

劇場公開日:

解説

渡辺黙禅の原作を、渡辺邦男と関沢新一が共同で脚色、「天保水滸伝」の渡辺邦男が監督したひばりの娯楽時代劇。撮影も「天保水滸伝」の渡辺孝。「花笠若衆」の美空ひばりを筆頭に、名和宏・田代百合子・浅茅しのぶ・近衛十四郎などが出演する。色彩はアグファカラー。

1958年製作/93分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1958年6月29日

ストーリー

時は物情騒然たる幕末。江戸の勤皇商人小田屋の一人娘お春は、小町娘と噂されるほどの美人だが、大のやっとう好き。茶のの稽古といってはせっせと町道場に通っている。ある夜、勤皇に名をかたった偽天誅組が押し入った時など、たった一人であらくれ男どもを追っぱらってしまった。これにはさすがの小田屋佐平次もびっくり、もしものことがあってはと、知り合いの桂小五郎に頼んで京の禁裏へ奉公させることにした。そんな親の心配もよそに、お春は桂から京の公卿、中山卿にあてた密書をふところに、男装の若武者姿になりすまし、その名も春之輔と変えてさっそうと京へ向った。一方お春を追ったのは将軍直直の命を受けた隠密天堂左源太、疾風のお藤など。更にお春の道中をおびやかすものは酒手目当ての雲助どもやかねがねお春に云い寄っていた江戸相模屋の長男庄吉の命を受けた無頼漢たち。--数々の危難を、ある時は勤皇の武士、同じく桂の密書を持った杉に、またある時は旅芸人尾上駒之丞一座に助けられてお春は一路京都へと急いだ。やがて京都もという草津で、苦しんでいるお藤に出会ったお春は、親切に介抱してやった。その親切にほだされたお藤は、危機におちいったお春をすくってくれた……。かくて、お春は無事、中山邸に着いたが、その時、早くも新選組が邸を取り囲んでいた。一計を案じた志士たちは、お春を中山大納言の娘綾姫に仕立て、密書を無事御所へ届けることが出来た。鳥羽・伏見、錦の御旗は江戸へ、江戸へと進んでいった。桂、伊藤を先頭にして。そしてこれを見つめる娘にかえったお春と父佐平次の顔には喜びがただよっていた。

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