劇場公開日 1960年1月15日

「題名がいいですね」女が階段を上る時 naokiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0題名がいいですね

2025年7月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

驚く

成瀬巳喜男の作品の中で、これが一番好きです。
あとは「山の音」ですかね。
ちなみに代表作と呼ばれる「浮雲」は今だに未見です。

30年程前に、この作品(女が・・・)を観た記憶があります。ただ、どういったストーリーだったか、まるで忘れてしまいました。十円寿司のくだりだけは憶えている(観客が、そこで少しウケる)今回の上映でも、そのくだりでクスッと笑いが起きた。こういうライブ感が記憶に刻まれますね。

音楽が黛敏朗(題名のない音楽会 初代司会者)でジャズとは意外な!?「涅槃」などの和楽器を使った前衛音楽などが有名なんですけど、クラシック・ファンの私にでさえも???な感じです。しかし今回のは、まどろむような調べのジャズで結構いいです。
この調べが、この映画のテーマを物語ってます。

今回の上映で気づいた事は成瀬監督はリアリストだな。
華やかな銀座の裏の世界もドロドロと描いている。
高峰秀子演じる圭子は銀座のバーの雇われママ。
しかし最近、彼女のお店で人気だったホステスが他の子も引き連れて独立してお店をはじめました。
そのお店は大繁盛で出資者は圭子のお店の常連であった。(←まぁよくあるお話)

圭子に次から次へと言い寄ってくるお客(下心みえみえ)その中でも工場経営者(加藤大介)は真摯に接してくれる。彼女が倒れて佃島の実家に療養している時、彼はわざわざ果物を届けにお見舞いに来てくれた。
その後、彼からプレゼントを受け取った際に
「結婚してくれないか?」
旦那に先立たれ生活のために銀座のママをしていたが、ようやく圭子にも幸せが訪れようとしていた・・・

はい、その続きはUーNEXTでも観てください(本当は映画館で観てほしんですけどね)

役者陣が豪華ですね。
仲代達矢が脇役て凄い!
個人的に好きな十朱久雄さん(名バイプレイヤー)は今回も出ておられました。観ている間どこに出ておられるのか分からなかったですが。
今回フィルム上映で観れて良かったです。全然劣化していないのには驚きました。

naoki
PR U-NEXTで本編を観る