思えば遠くへ来たもんだのレビュー・感想・評価
全3件を表示
短気を筋肉で包んだ男‼️
私はこの時期の武田鉄矢が大好き‼️「幸福の黄色いハンカチ」「男はつらいよ 寅次郎わが道を行く」などなど‼️長い髪をなびかせ、短すぎる足で一生懸命走る姿がものすごく愛しい‼️そんな武田鉄矢の当時の代表作がこの作品‼️九州から秋田へやってきた新任教師・青田喜三郎に扮してます‼️生徒たちからは「北京原人」とバカにされるも、柔道の強さで一目置かれるようになり、近くの女子校の清水先生からはいろいろ相談されたりする。そんな時、不登校の生徒・高橋松生の姉、高橋百合子に一目惚れした青田は、頼まれもしないのに松生を登校させるために大奮闘、そんな青田に松生も心を開き、百合子も好意を寄せる。そんな時、百合子に良い縁談が持ち上がり、百合子は青田に「やめろ」と言って欲しいが、青田は「幸せになってください」としか言えない。ショックを受けた百合子は結婚し、落ち込む青田のため、生徒の一人が無断で青田名義で清水先生にラブレターを送ったりする。清水先生に「私たちは友達じゃダメなんでしょうか?」と言われた青田は、柔道部の顧問として生徒達と一生懸命練習に励む・・・‼️好きな人のためなら一直線なのに、いざ好意を向けられると、てんで弱気になってしまう‼️まるで車寅次郎のような男‼️青田と百合子がデートして、お互いの想いがすれ違ったときの表情が切ない‼️植木等さん、乙羽信子さん演じる下宿先の夫婦や、大滝秀治さんの校長先生、そして生徒たちとのやりとりはホントにコミカルで楽しい‼️結局、柔道の県大会でも負けてしまった生徒たちのために、共に練習に励む青田‼️道で挨拶を交わす清水先生の表情には友達以上とも思われる微笑みが・・・‼️いろいろあったけど、前向きになれて希望に満ちたエンディング‼️ぜひ続編観たかったなぁ‼️
秋田の城下町を舞台にした学園青春コメディに主演する武田鉄矢の個性
3年前の「幸せの黄色いハンカチ」で武田鉄矢というフォーク歌手が、山田洋次監督によって演技者の才能を見出された時は、山田監督の慧眼とそれに応えた武田鉄矢独特の個性の両方に感心せざるを得なかった。彼の持つ洗練されていない田舎人間のしぶとい人生観と直向きさ、そして教育論を語る啓蒙メッセンジャーとしての両面が、今後の日本映画にとって一つのこころの安らぎを感じさせてくれればいいのではないか。
今度の朝間義隆脚本・監督による「思えば遠くへ来たもんだ」は、テレビドラマ『金八先生』で好評だった武田の人気に肖る形の作品になっている。それでも武田鉄矢の個性を認めた上で観れば、充分楽しめる。ただ残念なのは、秋田の城下町を舞台にした基本シナリオから、そこで繰り広げられる生徒と先生の交友が在り来たりのプロセスでしかない点である。これ迄の日本の喜劇映画のパターン化したものを踏襲している。つまり地方文化に対する今日的な作者の思い入れや、教育問題への提案などがあっさりと無視されているのだ。
人間の行為を探る武田鉄矢の、どこか欲求不満な人間の意地。しがない男のユーモアを持ち、同時に真面目過ぎるくらいのシリアスな側面も持つ。それらが、平和で平凡な物語の中でささやかに輝きながら消えていく。もっともっと挑戦して練られて然るべき脚本の映画である。
1980年 8月12日 銀座文化1
けつかグリグリか
良い先生、良い時代。
基本は丁寧で穏やかな口調なんだけど、ちょっとでも舐めた奴に会うとブチギレる熱血教師。短気を筋肉でくるんだような男でしてと自分を語るが、曲がったことが大嫌いな正義漢の人情ドラマ。
ちょっとフーテンの寅さんぽい恋愛模様もある。不登校の生徒マツオを学校に来させるように柔道を通じて説得する。
マツオの美人姉(あべ静江)が感謝して青田と良い感じの関係になるが、見合い話からの青田の消極的な態度に恋は終わってしまう。
見合いを止めて自分と一緒になってくれと言って欲しかったはず。どうか幸せになってくださいと言われたあとの表情がせつない。
短い時間の中、たくさんいろんな事が起きて全然飽きない。
しかしアイツも人類として着々と進歩してきたなぁ。
男女交際は襖を開けてせんと誤解される。とかコミカル描写も多数あっておもしろくみれた。
俺には柔道がある。みたいなラストだったけど、まだまだ続いていく内容。序章といってもいいくらい。まだ清水先生がいるし。
主題歌が良くて心に残った。この曲と少年期は本当に素晴らしい。
全3件を表示