「田畑智子氏がデビュー作とは思えない『じゃりン子チエ』竹本チエのような元気ハツラツとしたレンコを演じており白眉」お引越し 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
田畑智子氏がデビュー作とは思えない『じゃりン子チエ』竹本チエのような元気ハツラツとしたレンコを演じており白眉
Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下さんにて「第80回ベネチア国際映画祭」クラシック部門で最優秀復元映画賞受賞した相米慎二監督作品『お引越し』と『夏の庭 The Friends』の4Kリマスター版が《凱旋》公開。上映後には『セーラー服と機関銃』で助監督デビューした黒沢清監督、行定勲監督、瀬田なつき監督、森井勇佑監督、山中瑶子監督、映画ライター金原由佳氏のトークショーも開催。
『お引越し』(1993)
両親が離婚を前提とした別居生活に入り、父親(演:中井貴一氏)が家を出たため、母親(演:桜田淳子氏)とふたり暮らしになった小学6年生レンコ(演:田畑智子氏)の新生活に馴染もうとする少女の揺れる心の葛藤と成長を描いた京都を舞台にしたドラマ。
本作がデビュー作の田畑智子氏がデビュー作とは思えない『じゃりン子チエ』竹本チエのような元気ハツラツとしたレンコを演じており白眉。相米監督『ションベンライダー』『台風クラブ』同様に、ごく短い期間(夏休み)の主人公の成長を見事に体現していましたね。
桜田淳子氏も本作が現時点では最後の出演作。女優としても脂が乗ってきた時期だっただけに惜しかったですね。
本作は海外(フランス)でも人気とのことですがソフィ・マルソー『ラ・ブーム』(1980)みたいに離婚率の高いフランスのお国柄もあるのかもしれませんね。
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