お早ようのレビュー・感想・評価
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挨拶と無駄から滲み出る潤滑油
長屋や団地で繰り広げられる、何気ない日常の小さなエピソードが続き、意外と引き込まれます。
お父さん達、子供達のやり取りは楽しいけれど、主婦達の井戸端会議にはうんざりするし、こんなの毎日聞いていたら、確かに引っ越ししたくなります…。
次男坊がめちゃくちゃ可愛いです。
そして達者なおばあちゃんも最高。
この時代は空が広いなぁ。
この作品でも、テーマを役者にそのまま台詞として語らせてしまうのですが、監督お馴染みの役者さん達で安定感がありました。
時代を見抜く鋭さに驚かされた。 テレビによる一億総白痴化、良し悪し...
時代を見抜く鋭さに驚かされた。
テレビによる一億総白痴化、良し悪しは別として今は失われつつある近所付き合い、そしてこの映画のテーマと言える挨拶の重要性。
昔がいいのか?それとも現代がいいのか?考えさせられた。
達者な子役♡
コミカルな小津作品
弟の子役ちゃんがめたくそかわいい♡♡
お兄ちゃん役の子は成瀬監督の「コタンの口笛」に出てた
産婆さんのおばあちゃんもアイヌのおばあちゃん役で出てた
小津映画の良いところは昭和の風景に浸れるところ
この映画が作られた年にあたし生まれてる・・・
思えば昭和の子供はたいくつだったんだよ
なんとかわいらしい…
いつも嫁に行く娘の話なのかと思ってたら、小さな兄弟をとりまくご近所話がとてもかわいらしくて観ていて幸せな気持ちに。
女性は傷つきやすいからグチグチゆうけど、その分小さなことで幸せな気持ちになるとゆう。そのきっかけが「お早よう」なのがとても秀逸な映画だった。
作品に出てきた子供が本気でかわいいと思ったのは初めてかもしれない。
こんな時代もあったのね
小津監督作品は、初めてでしたがとっても良かったです!観終わって何だかタイムスリップしたような、自分が漂っている感じでした。1950年代東京・新興住宅地が舞台(といっても、長屋のイメージ)、人々の日常生活が描かれていますが、ご近所付き合いの濃いのには驚かされました。火鉢やおひつ、振り子時計がどの家にもあって、時には押し売りもやってくる、人々の会話も「こんな言葉、あったな~」と思わずすくい上げたくなるような言い回しの面白さ。子供たちの体型まで違いますね(笑)
諸々笑わせてくれる中で「何気ない挨拶が社会の潤滑油」「無駄がなかったら、味も素っ気もなくなる。余計があるから世の中はおもしろい。」とさらっと示してくれているあたりはうまいな~と思いました。
テレビおねだり騒動やおならの話。子どもたちの屈託のないやんちゃぶりが、気持ち良かったし、可愛かったです。大人がきちんと叱っている場面も良かった。大人と子供がきちんと向き合って暮らしていると感じました。
「話す」という行為について
TVを買ってくれない親に反発して口を利かなくなる小学生の兄弟。この二人の演技が可愛いくて面白い。二人のタイミングがぴたりと合っているが、何度も撮り直しを下に違いない。カーキをベースにして、赤をアクセントにしたカラーコントロールが画面には徹底されているが、二人の子供のセーターの色遣いにもそれは象徴されている。
挨拶、とりわけ、他愛のない会話としての挨拶がいかに人の生活を豊かにするのかを、この映画では無言を貫く子供たちを通して描いている。この兄弟が無言を貫くことを、周囲の大人たちは困惑しながらも面白がって、温かい目で見つめている。
しかし、その大人たちはも、お互いにとって一番肝心なことはなかなか口に出さないという会話の構造を抱えている。佐田‐久我のお互いの恋心を直接には言葉や行動には出さない様子は、周囲をやきもきさせるし、町内会の公費が行方不明になるという事件に関しては、当事者たちは自分の思っていることを口には出しにくそうだ。
ここでは「話す」という行為が、何かを伝えるための行為であると同時に、お互いの心の中の核心に言及することを避けるための行為でもあるということが語られている。
お互いに好意を持っていることについて、触れないために天気の話をする男と女。定年後の心配について語ることを避けるために、子供のことについて話をする夫婦。目論見が外れて、大した金額を手に入れられなかったに話が及ぶのが癪に障るので、競馬の話をしている押し売り詐欺の二人組。
人は、本心を隠さねばならない時ほど、口数が多くなり、中身のない話を続けて、肝心なことから話題をそらすことに注力してしまうのではないだろうか。このようなときに黙ってしまうと、相手はすぐにこちら側の不都合な事情を察してしまうことになる。沈黙は自分を不利な立場に追い込むものだ。
そう、大人には「話をしない」という選択肢がないのだ。
子供は都合がわるときは「黙る」という戦略を選ぶことが許されるのだが、大人がこれをやると、非を認めたことと同じである。これが、大人の難しさであり、大人の会話の豊かさである。
小津監督は自分の趣味ではないことがわかってきた
総合:55点
ストーリー: 50
キャスト: 60
演出: 55
ビジュアル: 65
音楽: 60
世間によくある近所付合いの良さと煩わしさが、そして子供たちが大人たちに感じる彼らなりの不条理と反抗なんかが描かれている。日常の中のありふれた何気ない風景を映像に閉じ込めたということだろうか。この時代に天然色で撮影されて、当時の生活がわかって興味深い。
でもそれほど好きな作品ではない。小津安二郎監督の「秋刀魚の味」も見たが、棒読みに近い科白を重ならないように交互に喋る舞台演劇のような演出に違和感を感じたし、この作品でもそれは同様だった。たぶんこれがこの監督のやり方なのだろうが、それは私の趣味ではない。それに描かれていることが普通すぎるし、くだらないことで近所に嫉妬したりもめたりする日常を見たところで、どこの誰とも知らない人がしている井戸端会議を聞かされているようで、それがどうした、何も面白くない。取り上げられている主題に魅力を感じなかった。
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