「早まるな 考え直せ もう一度」男はつらいよ 寅次郎紅の花 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
早まるな 考え直せ もう一度
岡山県津山に嫁ぐ泉。結婚式のジンクス「花嫁を乗せた車は1cmでもバックしちゃだめ」というのに、対向車が立ち往生。その車の運転手は満男だったのだ。おかげで結婚式は中止。警察でしぼられた満男はそのまま家に帰らず、自殺をしようと行き先もわからずブルートレインへと飛び乗り、いつの間にか奄美へと向かっていた。
いかにも自殺しそうな青年を見かけて気が気ではならないリリーは彼を車に乗せるが、満男は崖っぷちに立ち・・・小便をしてた。やがてリリーの家へ招待されたが、そこには寅さんが!満男に思い切り感情移入できるシーンでもあった。ビックリするシーンがとてもいい。
毎度おなじみのパターンで、泉は満男を追いかけ奄美へとやってくる。海岸で戯れる満男と泉を見ながらリリーの肩を抱こうとした寅さんはすんでのところで肩透かし。体力的に衰えている渥美清がありありと感じられるのに、やっぱり魅力を発揮してくれる。
みんな揃ったところでとらやへと帰る。リリーも一緒だ。リリーの寝床を心配する面々。正式の夫婦じゃないんだから別々に・・・一緒に寝てもいいのにとリリーが言うのに寅さんは拒否。やっぱりいつもの寅さんだ。そして奄美へ二人で帰るタクシーの中。寅さんの肩にもたれかかるリリーのなんと愛しい仕草かな・・・
最後は結婚・・・なんて期待もすれど、やっぱりリリーの元を去る寅さん。観客の心の中に残るのはいつも旅する寅さん。最終話だけあって、なぜか涙がこぼれてしまう。
見どころは最初と最後に登場するボランティア寅さん。
「男と女の間ってのは、どっかみっともないもんだ」byリリー
「男は引き際が肝心」by寅
カッコイイと滑稽は紙一重。女にとっては無様でも自分の気持ちを伝えてくれるのが嬉しいものだと、耳の痛い話。男たちは常に反省。プロポーズするのかと思っても絶対にしない寅さんの一方で、満男は「愛してる」と叫ぶ潔さ。
もう一つの名言は「散々待たせてワンメータかよ!」。鹿児島まで行ったら料金はいくらになるんだろう?とドキドキしてしまった。byタクシー運転手
kossyさんへ。
やっと辿り着きました! 喜びも一入です。
近所の映画館は今日の午前中で上映終了してしまいましたが、隣町の映画館ではまだ夕方もやっているところを見付けたので、仕事を早く終わらせて観に行こうと思います!