男はつらいよ ぼくの伯父さんのレビュー・感想・評価
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『マリリンに逢いたい』からリスペクトを受けている
ご都合主義にも程がある。脚本がぶっ壊れている。なんとかなるだろね。出会いの設定もっとまともにならんかね。
浪人中は予備校に通わずに、映画ばかり見ていた。そのために池袋の予備校に通った。四本立ての成人向け映画見たり、同じ映画を二回見る様な事をした。親のすねをかじって、女の子にうつつを抜かす様な事はしなかった。まぁ、そんな奴いるかなぁ。自慰行為でなんとかなるでしょう。男は。
『マリリンに逢いたい』と『ニュー・シネマ・パラダイス』からリスペクトを受けている。つまり、獣なみの知性って事?
LGBTに対する偏見があると思うけどね。良いのかね。
一般論で、満男さんは悪い事していると思いますけどね。
ところで、湯婆婆がマドンナじゃないんだ。
追記 自慢話だが僕は『地学』で偏差値89♥を取った事がある。でも、文化系なので、ちっとも役立たなかった。
【”浪人生の満男もつらいよ”シリーズの主軸が寅さんから満男にシフトしていく最初の作品。そして、今作でも寅さんの名言は心に響くのである。】
■浪人中のおいっ子・満男(吉岡秀隆)は高校の年下の女の子、泉(後藤久美子)への想いで悩んでいた。
そんな彼の悩みを聞こうと飲み屋に連れて行き、べろんべろんになるまで酒を呑ませたことでとらやの皆から文句を言われた寅さんは、怒って旅に出る。
しかしたどり着いた佐賀の宿で満男と相部屋となる。
親の離婚で東京から名古屋へ。更に佐賀に一人で過ごす後輩・泉に会いに来たというのだった。
◆感想
・今作から寅さんシリーズは、満男の物語が中心になる。何だか寂しいが、渥美清さんの体調を考慮してのことだと、資料にある。
・だが、満男を演じた吉岡秀隆と当時大人気だった後藤久美子の恋仲を描くことで、寅さんシリーズは最終章に入って行くのである。
■今作でも、寅さんの名セリフは健在である。満男が恋するあまり泉の事ばかり考えていると言い、”僕は醜いんだ。”と言った時に、”自分を醜いと知った人間は、醜くない。”と励ましたり、九州の高校教師の寿子の夫から苦言を呈された時も、寅さんは満男の想いを口にするのである。”私は、恋した女性を心配する甥の事を、褒めてやりたいと思います。”
人生と恋を良く知る良い、伯父さんである。満男が尊敬するのも良く分かるのである。
・今作品に、趣を与えているのは、、矢張り九州で暮らす泉の叔母寿子を演じた檀ふみさんの清楚な存在感であろう。
檀ふみさんの父である、私の好きな檀一雄が愛した九州が何だか似合うし、高校教師の夫(尾藤イサオ)のツレナイ態度を補完する満男と寅さんに対する優しさが良い。
<メインストーリーとは、全く関係が無いが劇中どぜう屋の店員を演じた戸川純さんが、登場した時はビックリした。
戸川純さんが、ボーカルだった「ゲルニカ」や「ヤプーズ」は好きだったなあ。
そういえば、私が寅さんシリーズを唯一映画館で観た最終作で、後藤久美子さんが登場したシーンも、何だか懐かしいなあ。>
長距離恋愛というものは、花火のように燃え上がってしまうものです
1989年12月公開
本作からシリーズは年末だけの公開になります
1995年の第48作「男はつらいよ 寅次郎紅の花」までは毎年年1本年末の公開が5年続きます
渥美清さんがお亡くなりなった後の第49作、第50作は間隔が空きましたが、それでも年末の公開です
サブタイトルは「ぼくの伯父さん」
つまり主人公が満男に交代したという意味です
以降の全作品は満男と泉の物語で、寅さんのお話の方がサブストーリーと考えた方が良いと思います
冒頭から満男の一人称のナレーションから、寅さんとは如何なる人物であるのかを紹介しているのですから
時は1989年の秋
列車の車体にJR のロゴが盛んに映ります
国鉄が民営化されてJR になったのは1987年4月
民営化されても、何も変わらないとかいわれていたのですが、この頃になるとJR のロゴマークが全国津々浦々のローカル線にまでついて嫌でもロゴマークが目に着くようにになりました
視覚的にも時代がかわったことを伝えているのです
この年の1月に昭和天皇が崩御され、平成が始まっています
消費税もこの年の4月に初めて3%で導入されたのです
男はつらいよシリーズも時代が本作から新時代であるということなのです
満男と泉の恋愛物語が始まるのですが、それがずっとこのあとの作品につづいて、なんと第50作の「お帰り寅さん」までようやく完結するなんて、当時誰も想像もしていませんでした
山田監督はもう本作から構想していたことだったのでしょうか?
名古屋が泉が母と住む街として登場します
この年は名古屋デザイン博という地方博覧会がありました
目玉になるようなものがなく、そう盛り上がりもなかったのですが、それなりに観光客は来たようです
そしてバブルは最高潮の時期です
名古屋はトヨタのお膝元で特に経済の活況がありました
泉が母娘で住んでる古そうな賃貸マンションは新幹線の線路越しにナゴヤ球場が見えます
位置関係から、名鉄名古屋駅から一駅の尾頭橋駅西側すぐ近くのようです
名鉄の独特の赤の電車がチラリと映ります
泉の母礼子のラウンジみたいなスナックは錦三丁目、通称キンサン
名古屋の銀座みたいなところです
バブル真っ盛りの頃の盛り場がチラリと映ります
つまり名古屋はバブルの記号です
佐賀県の吉野ヶ里遺跡は1986年頃から発掘されて大発見として大きな話題になっていました
翌年の1990年に国の史跡になっています
本作の頃には映像にあるように再現された建物が多数建ち公園として整備されているのがわかります
泉が預けられた佐賀県小城市の旧家は堤防のすぐ近く
堤防の上の道に斜めの坂で登り下りする光景は、満男の家の前とそっくりです
もちろん、ロケハンで探し回って見つけたに違いないのです
檀ふみ36歳、第18作「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」22歳の時から14年ぶりです
寅さんと寿子の心が触れあった瞬間があったようにも見えます
でも本作では人妻ですから全く手も足も出ません
泉の手紙は最初が6月の終わり頃、満男が返信して、またその返信が9月のお彼岸前です
往復半に3ヵ月弱掛かっています
今のラインでのやりとりとは大違いです
良く吟味して書かれた長文の手紙は、ラインでは伝わるとは限らない感情が添付されているのがわかります
コミュニケーション手段が発達したからといって真心までキチンと伝わっているかというとそれは別問題だということです
手書きで、書き間違いないように、誤字脱字のないように書く、封筒や便せんをどれにする
はてはインクの色まで気になる
そんな事まで考えて、一度書いてみてもやっぱり思い直して書き直したりしてたりしていると時間が掛かってしまうのです
この二人は互いに、嫌われたくない、良く思われたい、かといって重くならないように、でもフレンドリーな手紙にしようと、心を砕いていたのが良くわかります
昔はこうだったんです
そんなに純情だったんだと思い出しました
スレ果てた今の自分との果てしない距離を思うと涙がでそうなほどです
寅さんの目線で満男の恋愛を見ている自分がいます
長距離恋愛というものは、花火のように燃え上がってしまうものです
♪会えない気持ちが
愛育てるのさ
目を瞑れば君がいる
古いなー!と笑われそうです
郷ひろみのヒット曲の歌詞そのままです
会わない限り心は満たされません
手紙や電話では想いが募る一方なのです
なんだかんだありますが、結局二人は会うことで心の安定を取り戻します
満男は、泉ちゃんにふさわしい男になるんだと前向きに落ち着いたようです
泉ちゃんも、満男が何があっても自分を受け止めてくれる男性だと信じ切ってくれたようです
でも遠距離恋愛の苦しさはこれからなのです
それは次回以降に語られます
寅さんは、もはや二人をやサポートする役回りになっています
御前様がさくらに諭すのと、同じ構図が寅さんと満男で繰り返されているのです
だってテキ屋の仲間が死んだと聞けば、自分も、そんな年なのかと嫌でも意識させられるものです
ラストシーン
寅さんは初詣で賑わう佐賀県小城市の須賀神社で
商売していました
泉ちゃんの住んでいた町の有名な神社です
泉ちゃんは入れ違いに別居中の父に呼ばれて上京して満男とあっています
この時点ではまだ秋葉原のヤマギワ電気とおぼしき電気店に勤めていたのです
彼女は年寅さんからの配達済みの年賀状を持っていましたから正月二日のことのようです
寅次郎の年賀状を読んで笑う泉ちゃんを写すカメラの視線は、斜め後ろに座る満男のものです
彼女の美しさに感嘆している満男の視線なのです
でもなんで寅さん、また小城市に?
中盤の佐賀市中心部の佐嘉神社の10月中旬の秋祭りとセットで、正月の商売に須賀神社を予定に ずっと前に入れていただけかも知れません
でも、もしかしたら正月をどこで商売するかを考えたとき、やはり小城市に舞い戻りたくなったのかも知れません
満男の家出騒動が終わって小城市を去るのは10月の下旬のようです
泉ちゃんが気に掛かりで高校まできて、また顔を見にくるよとかいってましたけど、それなら寅さんは家にいってます
ばったり寿子さんと会えないものかなんてほのかに夢をみたんでしょう
二言三言立ち話してあの笑顔をもう一度見たかったに違いありません
いじらしいたらたありゃしません
でも、どうせ空振りなんです
映画のような劇的な再会なんて、お互いの運命が始めから交錯するようになっているから、そうなるのです
寅さんは後藤久美子の叔母である檀ふみに惚れてしまう。 話の柱は吉岡秀隆と後藤久美子の恋である。 吉岡秀隆が無事に柴又にもどれたシーンはちょっと泣ける。
恋の手ほどき
こんなとき、伯父さんがいてくれたら…。
「男はつらいよ」シリーズ第42作。
Huluで「HDリマスター版」を鑑賞。
ついに“満男編”がスタート!
満を持して満男の想い人・泉ちゃんが登場しました。ということは、もう寅さん―渥美清の体調が思わしくないのか…。それを示すかのように寅さんの出番は殆ど無く、専ら満男のサポートに回っていて自分の恋も後回し…。
泉ちゃん、かわいいなぁ…。
こりゃあ好きになって当たり前や…。
その泉ちゃんもいろいろと訳有りで…。まだ高校1年生なのに、人生の厳しい局面に立たされている。両親の離婚、引き取られた親戚には世話になっている手前気を使いっ放し…。
寂しい想いをしているという手紙をもらったからには、もう居ても立ってもいられない! 会いに行かなくちゃと満男はバイクに乗って旅へ…! 親不孝の孝が考になってたけどね(笑)
青春やなぁ…。
若いっていいよねぇ…。
その行動力、その熱意、その恋情…!
「自分を醜いと思う人はもう醜く」無いよ!
みっともなくたっていい!
不器用でもいいんだ!
想いは必ず伝わるから…。
寅伯父さんが優しく手を差し伸べてくれたお陰で、満男の恋が動き出し、泉ちゃんの人生にも小さな灯りが灯ったようで…。その先に待つものとは…?
【余談】
満男のツーリング・シーンで徳永英明の歌が流れたときにはたまげました(笑) 「今観てるの『男はつらいよ』やんなぁ…?」って2回くらい確かめてしまいました(笑)
長期シリーズのターニングポイントとなる青春映画♪
12月27日の「男はつらいよ お帰り 寅さん」の公開が控えて、各地でのリバイバル上映も大詰め。
今回はMOVIX亀有で第42作目となる「ぼくの伯父さん」を鑑賞しました。
で、感想はと言うと、まあまあw
この作品が最新作の「お帰り 寅さん」の布石的かつ重要な作品で、また公開された1989年はドンピシャの青春時代を過ごしていたので、懐かしい演出描写で楽しめたのと、ほぼ同年代の満男の気持ちは凄く分かります。
浪人生で思春期の反抗もあり、後輩の泉に恋い焦がれる満男の苦悩を描いている青春映画の様な描写が多く、寅さんが脇にまわっていますが、これはこれで悪い訳ではない。
どじょう屋で満男の恋の悩みを聞く寅さんは頼もしくも愉快で大好きな伯父さん。好きな場面です♪
満男がバイクで泉に会いに行くのも、若い頃の後藤久美子さんもキラキラしていて、とても良い。
檀ふみさんはやっぱり綺麗です♪
寅さんをスクリーンで観れる幸せ感はありますが、今までの男はつらいよの王道パターンからの脱却には正直戸惑いは感じます。
公開されている49作品の中に幾つかのターニングポイントとなる作品がありますが、今作から寅さん役の渥美清さんの体調不良から物語の主軸は甥の満男に移っていく。
今作ではオープニングの寅さんの夢オチも無いし、主軸が満男になってる事から、青春映画の様になってる感じもします。
マドンナは後藤久美子さんではありますが、寅さんの恋愛の件は無しで、寅さんが一目惚れする感じのマドンナ的なゲストは檀ふみさん。
でも、旦那もいる人妻なので、寅さんとの恋愛話には勿論ならない。
檀ふみさんは18作目の「寅次郎純情詩集」でも出演されてますが、その時のマドンナは京マチ子さんでしたが、2回の出演でどちらもサブマドンナ的な扱いはなかなか勿体ない。
過去にマドンナ役で出演された方は沢山おられますが、出演の回毎に違うマドンナ役を2回以上演じられてるのは栗原小巻さん、大原麗子さん、松坂慶子さん、竹下景子さん。
檀ふみさんは18作目で演じられた雅子が小学校の先生だったので、結婚して佐賀に引っ越して、再び寅さんに出会うでも良かったのではないかなと思いますが如何でしょうか?
男はつらいよでは、なかなか繁華街のシーンや文化的な物が写る事は少ないですが、今作ではいろんな今風な物の描写があります。
また満男が旅先でバイクの転倒の際に助けてもらったホモセクシュアリティのライダーを男はつらいよの常連の笹野高史さんが演じられて、結構キワいコメディ演出も割りと珍しい。
公開が30年前で今ならLGBT問題に引っ掛かりそうな演出ですが、個人的には満男の未成年のアルコール摂取よりもこっちの方が気になりましたw
泉が世話になる叔母の家の叔父さんを尾藤イサオさんが演じられてますが、なかなか嫌みな役で寅さんとの正反対の人物に描かれてるし、寅さんと仲直りもしない。
以前の寅さんなら、大喧嘩になる所も満男の可愛さからジッと嫌みを聞いていて、最後にはピシャリと満男の事を誉めるけど、考え方の違いで流される。
喧嘩になる事を良いとはしないけど、ちょっとモヤッとするんですよね。
製作の事情から様々な試みがされているけど、寅さんの定番と言える、変わりない風景と変わらない流れを期待してると肩透かしを喰った様な感じがしなくもないかなと。
またラストで寅さんが遠い佐賀からくるまやの皆に電話を掛けて、祝福の様な言葉を掛けられるのもらしくないと言えばらしくない感じ。
寅さんの切なくもダンディズムが滲み出る終わり方が好きなのでなんとなく違和感があります。
渥美清さんの体調不良から徐々に満男にスライドしていくのはしょうがない事かと思いますが、長期シリーズの終演がそんなに遠くない事を暗示させる切なさもあります。
寅さんを観るといつまでも変わらない実家の様な居心地良さと懐かしさを感じます。
それが大好きで鑑賞するので、ちょっと残念と言えば残念。
ド定番と言える心地好いベタな演出を期待してた分の肩透かしですが、それでも寅さんを観る幸せはあります♪
この作品の自作が続編的になってるので、ワンセットで観ると印象も変わるかと思いますが、あくまでも単体で見た個人的な感想の1つと捉えて頂ければ幸いです。
どちらにしても最新作の「お帰り 寅さん」が楽しみで仕方ありません♪
ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』(1958)も見直したくなった
満男視点が徐々に濃くなり、男はつらいよシリーズもいよいよ満男の恋物語になった。親には相談できない恋の悩みも寅さんにだったら打ち明けられる。そこで出てきた話が「自分のことを醜く知ったら、もう決して醜くなんてない」という博から教わった言葉。一方で、一緒に酒を飲んだ満男を心配する博とさくらはその後に旅に出た彼にもやきもきさせられるのだ。
佐賀の宿屋で相部屋という偶然過ぎる展開もなかなかいいものですが、両親の気持ちはほったらかし。浪人という人生の境目でもある時期なだけに、一人旅によって成長する満男の姿には共感できる。旅の途中に笹野高史演じるゲイに迫られるシーンもこのシリーズでは新しいことかもしれません。
佐賀についてからは、泉(後藤)の叔母である壇ふみに一目ぼれしそうになったけど、高校教師の尾藤いさおという夫がいた。突然バイクでやってくる青年なんて不良なんだと決めつける夫と、それを嗜める妻。帰り際に改まって反論する寅さんの「誇りに思ってる」という言葉がとても良かった。ケンカにならなくて本当に良かった。
満男と泉の別れのシーンでは「軽いノリでアイ・ラブ・ユー」と言ってキスしようとするが、フルフェイスのヘルメットがいずみの額に当たる・・・これは寅さん2世を感じざるを得ない。
青春恋物語としては面白いのだが、笑える場面が少ないのが残念。一番面白かったのは、満男が無事に帰ってくるときに、何かバイクのコンテストに優勝でもしたかのような凱旋帰宅だったところだろうか。寅さんの破天荒な旅もいいが、単独ツーリングもなかなか。車で旅に出たくなった。
可愛い甥には旅をさせろ
シリーズ42作目。
シリーズも終盤になって、新展開に。
寅さんが脇に回り、甥の満男が話のメインに。
満男の不器用な恋に伯父さんがアドバイスするという、いよいよ来るべき構図が出来上がった。
勿論これには事情が。渥美清の年齢と体調。
さすがにいい歳して、いつまでも惚れてフラレてじゃあ…。(まあ、それが寅さんだけど)
そして、徐々に渥美清の身体を蝕んでいく病…。
結果的にこの方向転換がシリーズ継続の主流となり、シリーズに新たな魅力をもたらす事に成功。
さて、そんな“甥っこもつらいよ”の第1弾は…
未だ浪人中の満男。ここ最近ずっと何か悩み、苛々苛々両親に当り、口喧嘩が絶えない。
さくらも博も出るのは溜め息ばかり…。
今回このさくら・博・満男の家族ドラマも見所。
思春期の苛々、それを抱える両親。
序盤のぎくしゃく感、何かを得て旅から帰って来ての仲直り…。
分かる人も多いのでは?
そんな時帰ってくる寅さん。
さくらに頼まれ、ご馳走がてら話を聞いてくれる事に。
まずは、お酒の飲み方から。ここが笑える。
少しお酒が入って気が和らぎ、いよいよ本題。
進路や将来の事ではないようだ。
となれば、察しが付く伯父さん。
恋。
そうか。お前も恋に悩む年頃になったか…。
両親には話せないのに、何故か伯父さんには。不思議なもんである。
相手は、高校時代の後輩。複雑な家庭環境の娘で、手紙でやり取りしてるのだが、その手紙が何処か寂しさ綴られ、以来満男は気になって気になって仕方ない。
そんな胸に秘めた想い、邪な想いまでぶちまけ、伯父さんは励まし、やっと満男の気も晴れる。
…と、ここまでは良かった。
その後二人でべろんべろんになるまでお酒を飲むという大失態。しかも、満男はまだ未成年。
怒り、呆れるさくらたち。
程なく、寅さんは旅へ。
それからすぐ、事件は起きた。
満男は両親に書き置きを残し、オートバイを走らせ旅に出る。
さくらたち、大心配。
満男の旅の目的は言うまでもなく、あの娘に会いに…。
再会するまでの旅が一波乱二波乱あり。
手紙を頼りにまず母親と暮らしているという名古屋に向かうが、すでにおらず、母親の妹の居る佐賀で暮らしているという。(母親役は夏木マリで、今回は顔見せ程度だが、後にマドンナとして再登場)
佐賀へ。オートバイでスピン。親切な中年ライダーに助けられる。ところがこの人、そっち系の人だった…!
「満男さ~ん」と、笹野サンが爆笑珍演。ちなみに、寅さん出演の中で一番の役柄である(笑)
やっと辿り着いたあの娘の元へ。
名は、泉。
遂に登場の後藤久美子!
遥々オートバイを走らせてきた甲斐があるTHE美少女!
そりゃあ満男でなくとも想い焦がれるよ。
歴代最年少マドンナながら、本作を皮切りに45作目まで連続出演。最終48作目と、年末の最新作にも登場!
シリーズの終盤に華を添えた名マドンナである。
近くの旅館に泊まる満男。その相部屋の相手は何と、お、伯父さん…!?
このご都合主義はご勘弁を(^^;
伯父さんの指南を受け、ぎこちないデート。
明るく振る舞う泉だが、ある時家庭事情の事で涙を流す。
気の利いた事を言えない満男。悔やむ。
でもね、そんな不器用な所が満男なんだよなぁ…。
見てて苛々するくらいのウジウジくんだけど、この不器用さ、誰だって共感出来ると思う。
一方の寅さんは…、
泉の美しい叔母さんにポ~ッ…。演じるは、2度目の出演となる檀ふみ。
でも、あくまで今回はそれだけ。相手は亭主持ち。
で、その亭主というのが高校教師で、寅さんの天敵インテリで、さらにイヤミ。(演・尾藤イサオ)
満男が東京に帰る際、説教じみたイヤミを。
お別れの挨拶に来た寅さんにもチクリとイヤミを。
そしてこの時、寅さんが言った台詞が目頭熱くさせるのである。
「私のような出来損ないが、こんな事を言ったら笑われるかもしれませんが、私は甥の満男は間違った事をしてないと思います。慣れない土地へ来て、寂しい思いをしているお嬢さんを慰めようと、両親にも内緒で遥々オートバイでやって来た満男を、私はむしろ褒めてやりたいです」
ひと昔前だったらあんなイヤミを言われたら、「何この…!」と手を出していただろう。
しかし伯父として、一人の大人としての対応。
寅さんの満男への愛情を深く感じる。
何でも、寅さんを知らない世代に寅さんを見せたら、多くの若者が寅さんのこの台詞に感動したという。
今回もOPの夢はナシで、満男の伯父さんへの語りで始まる。
どうしようもない伯父さんだけど、それでも最近この伯父さんに魅力を感じるという。
きっとその魅力は今回の旅を通じて、いい影響と尊敬の念になった事だろう。
またそれは、演じた渥美清と吉岡秀隆の関係性にも言える。
寅さんの血を引いてるだけあって、満男の恋の行方はなかなか成就せず。
別れ際、大失態&大無様を披露!
若い二人の恋路は続く…。
とてもよかった
佐賀のゴクミのおばさんが檀ふみでかわいかった。ゴクミが満男を先輩と呼んでいるのだが、ゴクミの方がしっかりしていて先輩のようだ。満男は1浪中なのにバイクを乗り回しており、『北の国から』では友達から買ったバイクが盗難車で大変な目に会っていたことが思い出された。満男がバイクで転んだ時に親切にしてくれた笹野高史がゲイで、LGPDの人が見たら激怒しそうな表現だった。
42作。平成に入り老いた面々が痛々しいのではと不安の中で鑑賞。 今...
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