「寅さん最高」男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
寅さん最高
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寅さんの魅力が凄まじかった。暖かいオーラが尋常じゃなかった。両親がよくテレビを見ていて、その横で何度か見たことがあったのだが、きちんと意識して見たのは初めてだった。こんな面白い映画だったとは驚いた。日本人は年に2回寅さんに触れて、楽しい気分で過ごしていたのかと、大切なものをスルーしていた事に気づけてよかった。
寅さんは完全に童貞だし、定住もできないのはどこか病理を感じさせるところでもあった。あの楽しい人柄は、よそ行きだからだったのではないかと、いしだあゆみとの関係で伺えた。お互いよそ行きの顔をしている時は楽しく接することができるのだが、いざ一線を超えようとするとギクシャクしてしまう。
寅さんはきっと誰にも素の顔を見せたくなかったのではないだろうか。だから誰とも恋をしないし、定住もしない。素顔を見せないために旅をして失恋をし続けていると思うと切なくなった。
(追記)
2回目。いしだあゆみが暗い。彼女の負のパワーで寅がおかしくなってしまう。デートに付き合わされたミツオもおかしくなりそうで心配だ。単に相性が悪いだけかもしれないが、確かにそういう感じで、二人でいるととことん暗い顔をする女性はいる。一体なんでここにいるのだろうと、疑念が生じる。緊張でギクシャクしている以上の何かがある。
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