男はつらいよ 葛飾立志篇のレビュー・感想・評価
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学問に憧れる愉快で素敵な寅さん
BSの録画を視聴。
寅さん(渥美清)の娘(桜田淳子)と思うなかれ。寅さんは一生童貞の崇高な男ですから(多分)。
考古学者の礼子先生に惚れて眼鏡を買っちゃうような純粋な男、寅さんの愉快で冴えわたる台詞が見どころです。
タコ社長と博の野球シーンも珍しいです。
今となってはノスタルジックなはずですが、若い人のファッションは今でも通用する雰囲気。特に髪型や化粧が可愛いというか古くない。流行が一周回ったかもしれませんね。
学問コンプレックスの寅さんを見ていると、学問なんていらないじゃないか、そう思わせてくれる名作でした。
【”己を知る“為に、慣れない勉強をヒロインから教えて貰う寅さんの淡い恋心を抱く姿を、可笑しくも切なく描いた作品。】
■昔世話になった女性お雪の高校生になった娘順子(桜田淳子)がとらやに現れ、寅次郎は一同から父親ではないかと疑われる。クスクス。
寅さんの容疑は晴れたが、お雪が無学ゆえに苦労して死んだと知った寅は、お雪の墓参りをした歳に出会った住職(大滝秀治)から”己を知る”ことを教えられ、向学心に燃え始める。ちょうどその頃、とらやに考古学専門の大学助手の御前様の親戚の筧礼子(樫山文枝)が下宿することになる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作のヒロインである樫山文枝さんは、お名前は知ってはいたがお顔を拝見するのは初めてで、嬉しい。
・ストーリー展開も、いつものように寅さんが夢で見るシーン(今作は、西部劇。)から始まり、当時トップアイドルだった桜田淳子さんが登場する。これも又、嬉しい。
・礼子に恋する煙草をモクモクと吸う大学教授の田所(小林桂樹)と、寅さんの掛け合いも面白い。
<前作が名作であるために、過小評価されがちな今作であるが、寅さんシリーズに欠かせない要素はキチンと盛り込まれており、山田洋次監督のハイレベルな人情映画は、更に続くのである。>
寅さん 学問を志す!
ヤバい、飽きが出てきた
これが寅さんなんだけど、こんな勝手なヤツが罷り通ってたのもこの時代背景のおかげなんだろうな。今なら完全に社会のはみ出しものだ。
考古学をひたすら学んできた助手の礼子さん。
先生から突然渡されたラブレター。
結婚に結びつき、それを考えるとこれまでの学びが根底から覆ると。
この時代だよなぁ。
別に今取り組んでいる事を止める必要は全くないと思うけど、女が結婚となれば何もかもを捨てて結婚だけに特化しなきゃいけないって反応にめちゃくちゃ違和感。時代だなぁ。
デビュー間もない桜田淳子さん。
セリフも辿々しく、大人の事情出演か。
通りを歩くお巡りさんが彼女の歌を鼻歌で歌ってたのはウケた🤣しらじらしい。
全作見るつもりで気合を入れて見出したが、だんだんふざけんなよ!マジメに生きろよ!って怒りが込み上げて来た😤
でもそうなるとこのシリーズは成立しない😅
夢のおやじ復活。 桜田淳子が初々しい。実の子騒動、おかしくもあり、...
大学の助手で考古学を研究している樫山文枝に惚れてしまった寅さんだが、また例によって失恋してしまう。ただそれだけのストーリーである。個人的には手抜きに近い出来だと思う。
あいかわらずばかか
修学旅行中のじゅんこ(桜田淳子)がとらやをおとずれる。
そのときのドタバタが数ある男はつらいよのなかでも出色の楽しさだった。
とうぜんながら、じゅんこの母=おゆきさんは寅さんのどれあいではなく、したがってじゅんこは寅さんの娘ではない。が、おいちゃんとおばちゃんは周章狼狽。ちょうど帰ってきた寅を問い詰める。
じゅんこは母を昨年亡くしている。母と親交のあった寅さんを父親だと思っていて、上京に寄せてとらやをたずねたのだった。
彼女は母が亡くなったことを「あの、おじさん、母は去年死にました」と言うのだが「亡くなりました」ではないところに情緒が据わった。少女が肉親の死を死ぬという直截な言葉遣いで言うとむしょうに迫るものがある。
──短いシークエンスに喜怒哀楽が詰まっていた。
もうひとつ印象的なのは、おゆきさんの墓参りをした寺での、寅と和尚役の大滝秀治の会話。
寅「おっしょさん、わたしにはおゆきさんのきもちがよ~くわかります。わたしも学問ないから、いままで悲しいことや辛いことをどれだけしてきたかわかりません。ほんとうにわたしのような馬鹿な男は、どうしようもないですよ」
和尚「いや、それはちがう。おのれの愚かしさに気がついた人間は愚かとは言いません。あなたはもう利口なひとだ。おのれを知る、これが何よりもだいじなことです。おのれを知ってこそ他人を知り、世界も知ることができるというわけです、あんたも学問なさるといい。四十の手習いと言ってな、学問をはじめるのに早い遅いはない。子曰わく、朝(あした)に道を聞けば夕べに死すとも可なり」
16作目でマドンナは樫山文枝。ゲストが小林桂樹。教養ある人に虚勢はる寅が楽しくて、全編笑える、男はつらいよの最高作(の一つ)であると思う。
寅さんが何らかの「にわか」状態になると人々をあざけるシーンがある。よくうらての印刷工場へ入って「労働者諸君」と言って真面目な人をばかにする。現実ではもちろん、架空でもこれができるのは寅さんだけである。このあざけりがいちばんたのしいのは源や近所のひとに「あいかわらずばかか」というやつだ。なんど言いたくなったかわからない。が、もちろん現実で使ってはいけない。
ベストストーリーオブ寅さん
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