劇場公開日 1969年11月15日

「【”子供が可愛くない親が何処にいる。!”喜劇の中に、親子の絆の大切さを絡めた逸品。シリーズモノの第2作はレベルが落ちる事が多いが、今作はそれを見事に跳ね除けたシリーズの中で重要な作品でもある。】」続男はつらいよ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”子供が可愛くない親が何処にいる。!”喜劇の中に、親子の絆の大切さを絡めた逸品。シリーズモノの第2作はレベルが落ちる事が多いが、今作はそれを見事に跳ね除けたシリーズの中で重要な作品でもある。】

2024年5月9日
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■旅に出ようとした寅次郎は、偶然にも柴又の地で恩師・坪内先生(東野英治郎)とその娘・夏子(佐藤オリエ:申し訳ない。初めて知った方である。)に再会し、酒を酌み交わす。
 その後、京都で父娘と再会した寅次郎は、離れて暮らす実母・お菊(ミヤコ蝶々)に会うべきか迷っていた。
 坪内先生に相談して意を決した寅次郎は、お菊に会いに行くが、冷たくあしらわれてしまう。

◆感想

・今作を見て思ったのは、レビュータイトルにも記載したが、シリーズ第二作にして第一作の良さを残しつつ、親子の絆の大切さを盛り込んだ作品になっており、面白さに加え心に沁みる場面が多くなっている所である。

■今作で親子の絆は、寅さんとお菊、そして夏子と坪内先生の二つの絆が盛り込まれているのである。

・更に、資料を見ると今作で終わりだと渥美さんは思っていたそうであるが、驚くのは前作から僅か半年で今作が公開されている事である。
 昔、読んだ本で、寅さんシリーズ(だけではない。)は盆・正月に公開され、ファンは年に二度観れる寅さんシリーズを楽しみにしていた、と言う記事を思い出す。
 観客は楽しみだろうが、製作サイドは大変だっただろうなと思いつつ、このハイレベルの人情喜劇を世に送り出して来た山田洋次監督の凄さを、今更ながらに思うのである。

<資料によると、”この第二作の成功が、その後も続くシリーズ全体の成功を決定付けたといえる。”とあるが、正にそうなのだろう。
 そういう意味で、今作は寅さんシリーズで重要な作品なのであろう。>

■寅さんシリーズは、私の様な若輩者が観ると、その後名優になられた方のお若い姿を見れるのも嬉しいのである。今作であれば、勿論夏子と結婚した医者の藤村先生を演じた山崎努さんである。

NOBU
Mr.C.B.2さんのコメント
2024年5月13日

佐藤オリエさんは「若者たち」で田中邦衛の妹役でした。
寅次郎は父親がお菊に産ませた子で棄てられたため生き別れで、離れて暮らしていた訳ではありません。さくらとは異母兄妹。

Mr.C.B.2