恐山の女

劇場公開日:

解説

小川元の原作“霊場の女”を、「かあちゃん結婚しろよ」の堀江英雄が脚色、「100万人の娘たち」の五所平之助が監督した風俗もの。撮影もコンビの篠村荘三郎。

1965年製作/98分/日本
原題:An Innocent Witch
配給:松竹
劇場公開日:1965年10月30日

ストーリー

津軽海峡に臨んだ貧しい漁村に生まれたアヤ子は、タラ釣り船に乗っていた兄を海で亡くし、漁師の父松吉が病気で稼げなくなると当然のことのように、大浦の町の遊廓「七福」に売られていった。それから数日、アヤ子は町一番の材木間屋の主人山村勘助に水揚げされた。そしてまた幾日かたったある夜、アヤ子は戸田勘二郎という童貞の客をあげた。荒い気性ではあったが、ひたむきで純情な勘二郎にアヤ子は惹かれていった。だがこの勘二郎は、他家に養子にいったため姓はかえていたが、水揚げされた山村勘助の息子であった。これを知った勘二郎はさすがにいたたまれず、アヤ子から遠ざかっていった。そして春も終るある日「二年まってくれ」と言い残して勘二郎は入隊し、戦火の大陸へ旅立っていった。勘二郎が出征した後も、勘助はアヤ子のもとに連日のように通ってきた。アヤ子はそんな勘助に憎悪を感じながらも身体は強烈な官能の歓びを忘れられなくなっていた。が、ある夜、勘助はアヤ子の床の中で死んだ。この事件は忽ち町中にひろがり、アヤ子は男殺しの女として町中の嘲笑を買った。またそんなアヤ子の悲しみに追いうちをかけるように、憲兵が勘二郎の戦死を告げた。数日後、山村勘助、勘二郎を墓参したアヤ子は、そこで勘助の長男勘一に逢った。それからというものは勘一は世間の噂に反発して、アヤ子の常連となった。--夏。アヤ子は勘一と海岸に遊び楽しい一時を過した。しかしそんな小さな幸福もつかの間、勘一は、ある夜軍用トラックにはねとばされて死去した。親子三人が同じ女に絡みあって死んだ因果は町中の噂になり、アヤ子は不吉な女として敬遠されるようになった。行者は「恐ろしい魔性がアヤ子についている……」と口々にささやき、悪霊退散のためと、アヤ子を恐山の奥の院、人里離れた仏ケ浦に連れて行き、呪文をとなえながらアヤ子を杖で打った。やがてアヤ子は失神し、そのまま安らぎの色を顔にうかべて死んでいった。--アヤ子の母キクノは今日も、因果な死をとげた娘アヤ子の死霊を、巫女の口寄せで呼びだし、涙にむせぶのであった。

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