黄金の犬のレビュー・感想・評価

　ブラックジャーナリストの大橋（三谷昇）は不正武器輸出の件を嗅ぎ付け、永山（夏八木）をゆすっていたのだが、ともに殺し屋に狙われていることを知り、北海道へと逃げていたのだ。あっさり大橋はチェコ製のチェスカという銃で殺され、一人逃げ延びた永山は逃亡途中でゴロと出会う。肺炎に罹っていたゴロを助ける。

　やがて、永山の妻（池玲子）も殺し屋・田沼（地井武男）に犯され、一人娘とともに死亡する。永山を切り捨てた局長に対する憎悪の念は増すばかり。永山は不正の証拠となるマイクロフィルムをゴロの首輪にとりつけた。暴漢に襲われた女子大生を助けたおかげで新聞記事となり、ゴロの亡くなった飼い主の未亡人・北守礼子（島田）が犬の写真を見て北海道の釧路警察にやってくることに・・・。

　釧路警察の安高（鶴田）と倉田（森田健作）は永山保護のため青森へと向かうが、礼子もゴロを捜すためレンタカーで八甲田近くの山奥へ。そこには田沼や手下たちが、礼子の匂いを利用してゴロをおびきよせようとしていて、彼女を襲う。銃撃戦・・・やがて青森の警官、倉田が殺される。矛盾だらけのわけがわからん展開だ。観ていて唯一の救いは、助けてくれたダンプの運転手の菅原文太！

　花巻へと逃亡していた永山はゴロの人命救助のおかげでまたもや殺人鬼・田沼に付け狙われ、助けた少女の母親ともども殺される。安高は過去の確執もあり、青森県選出参議院議員・遠沢（小沢栄太郎）の影にいる暴力団を当たったおかげで、上から圧力をかけられる。辞職覚悟で事件を解決しようとする安高・・・しかし彼は警視正！驚きだ。事件が起こる前には、昼間から職場で酒を飲んでいたというのに・・・

　大型漁船と海上保安庁とのクライマックスで、田沼は海に飛び込み、ゴロは死んだかのように思われていた。やがて悪の根源・遠沢はもちろんトップ当選し、防衛庁長官に就任していた。安高と礼子はお互いの傷をなめ合うように一緒に暮らし始めるが、ある日、テレビの天気予報を見ていたらゴロを発見！（おいおい、そんなとこで・・・）

　悪党側でもそれに気付いたらしく、またしても田沼が登場し、シェパード10数匹でゴロ狩りを始めるが、ゴロがシェパードを皆殺しにしてしまった。強いんだな・・・そういや北海道では漂着したアザラシ？をも食い殺していたし、熊にも果敢に攻めていってた。悪党軍団もゴロにやられ、ダイナマイトの攻撃にも耐えた。そして、安高と田沼との一騎討ち！やっぱり助けてくれたのはゴロだ。どうにでもしてくれ・・・

　音楽は大野雄二。一瞬、『人間の証明』『野生の証明』と同じ雰囲気。もちろん『ルパン三世』とも・・・

鶴田浩二の演技力とかっこよさに感服。 高倉健の大根芝居とは格が違う。