追いつめる

劇場公開日:

解説

広域暴力団殱減に命を賭ける退職警察対暴力団幹部の激闘を描く。原作は暴力団掃討作戦に材を得た生島治郎の同名小説。脚本は「現代やくざ 血桜三兄弟」の野上龍雄。監督は「さらば掟」の舛田利雄。撮影は「人間標的」の小杉正雄がそれぞれ担当。

1972年製作/93分/日本
原題または英題:Chase That Man
配給:松竹
劇場公開日:1972年2月23日

ストーリー

神奈川県警の部長刑事志田司郎が暴力団浜崎組殱減に命を賭けてから七年、浜崎組は膨大にふくれあがり、今や警察権力の介入も容易ではなくなった。今日も、岳父来水が浜崎組の事業面を牛耳る三隣企業の社長奥田正紀に二百五十万円ゆすり取られるのを目撃しながら、志田は指一本だせずに引き下った。数日後、浜崎組の武上次郎が出所してきた。七年前、彼は関西暴力団との抗争で、浜崎組のリーダー青谷功と起こした殺傷事件の罪をひとり背負って志田に逮捕されたのだが、今の浜崎組には彼のポストはなく、情婦多喜子さえ青谷に奪われていた。ある日、武上に斬られた関西暴力団の桑田が武上を襲った。武上は落魄した桑田を相手にしなかったが、やがて桑田の射殺死体が運河に浮かんだ。復讐を恐れた青谷の仕業と睨んだ志田は、乗松刑事と共に青谷逮捕に向った。逃げる青谷に向って志田が発射した瞬間、居合わせた武上が志田の足を払い、弾は誤って乗松刑事に命中した。誤射事件はマスコミの非難を浴び、志田は辞職した。退職金を乗松に届けたが、夫を廃人にされた夫人は受けつけようとしなかった。鬱鬱たる志田に草柳から呼びだしがあり、逃げた青谷が浜崎組経営の”京浜レンタカー”に潜んで、いることを漏らした。志田は警察に利用されていると知りながら組織暴力団殱減のため青谷を追った。やがて妻燎子が家を去り、青谷との逃避行を断わった多喜子が殺された。翌日、来水の経営する協和海軍の船で青谷が南米に行くという情報を掴んだ志田は、来水を締め上げ、青谷が明日出航の六番ブイ・泰永丸にいることをつきとめた。志田は、乗松の名でしたためた草柳課長宛の報告書を泰子夫人に託し、泰永丸に向った。途中、志田は武上との格闘の末、武上が青谷に書かせた浜崎組の内幕暴露のメモを手に入れた。接近したランチから警官がなだれ込み青谷・奥田は逮捕された。かくて、浜崎組は崩壊の坂道を急転落し始め、組長浜崎も肝臓病で急死した。幹部を失った浜崎組では、七年間の刑務所暮しを送っていた無疵の武上が一挙に組長にのし上ることになった。浜崎の葬式の年、堂堂たる貫碌の武上は、立寄った志田に向って、浜崎組壊今日の立った内幕暴露メモは、滅に役姿を予期した計画的なものだったと告げ、豪語した。「これからは俺の流儀でやる。いままでの組より更に強力で強大な組織を作る」

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