エノケンの天国と地獄

劇場公開日:

解説

故永見隆二の原案から山下与志一が脚本を書き、「芸者秀駒」の佐藤武が監督する。撮影は「乾杯!女学生」の岡戸嘉外、音楽は「新鞍馬天狗 第一話 天狗出現」の三木鶏郎の担当。出演者は「落語長屋お化け騒動」の榎本健一、丹下キヨ子、三木のり平、「君死に給うことなかれ」の若山セツ子、「東尋坊の鬼」の鮎川浩、鳥羽陽之助、「土曜日の天使」の清川虹子などである。

1954年製作/88分/日本
劇場公開日:1954年10月12日

ストーリー

圭太はキラメク星群の中をさまよっている間に、下にぐるぐる廻っている地球を見て、自分が死んだことを知った。やがて彼は、天国の裁判所ヘ、被告一三六〇一号として連れ出され、そこで彼の過去が映写されることになった。圭太は以前メリケンサーカス一座の人気者で、座長の露原メリーは絶えず彼にウィンクを送るので、圭太は内心弱っていた。ある日、圭太は幕のハネた後の小屋の片隅で、ハンドバッグを抱えた女がたゝずんでいるのを見た。一時は邪慳に追い払おうとしたが、その身の上話にほだされ、圭太はメリーに頼みこんで、その女ユキを小間使いとして雇ってもらうことにした。それから暫くして、花札をやってオケラになった圭太は、舞台衣裳を持ち出して金に替えたが、それから調子が出始め威勢よく一座のものに酒をふるまって酔いつぶれてしまった。翌日衣裳の紛失したことを知ったメリーはそれがユキの仕業と思いこんで、彼女を責めたてたが、ユキは圭太の身を思い口を割ろうとしなかった。圭太は、ユキが馘になったことを知ったとき、憤慨してメリーにつめ寄り、媚態を示してひきとめるのを振り切ってサーカスを去った。だが、斯うしてユキと世帯を持った圭太は、どうしてもまともな職につけず、酒を飲んでは喧嘩ばかりしていた。ユキはしかしグチ一つこぼさずよく面倒をみた。ある時、ユキに赤ん坊のできたことを知った圭太は、今後一心に働こうと誓ったが、仙吉の誘惑に乗り、工場の事務所を襲って殺人まで犯してしまった。警察の追跡に行きづまった彼は、自ら手にしたナイフで命を絶った。この長い映写を終った天国の裁判所では、彼に十年間の地獄行きを命じたが、無事に刑期を終った時は数時間の下界行きを認めるというのだった。それから十年後、圭太は昔ながらのユキと十才になった息子の圭一にそれとなく再会し、再び昇天して行くのだった。

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