喜劇 駅前桟橋
劇場公開日:1969年2月15日
解説
「セックス・チェック 第二の性」の池田一朗がシナリオを執筆し、「落語野郎 大爆笑」の杉江敏夫が監督した“駅前”シリーズ第二四作目。撮影は「君に幸福を センチメンタル・ボーイ」の岡崎宏三。
1969年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1969年2月15日
ストーリー
高松の第一観光丸の船長徳之助は、墓石屋の親父孫作、うどん屋の若旦那次郎、漆器店の主人三平らとともに狸会を結成している。ある日、彼らにとって頭の痛い問題が起った。徳之助の息子徳太郎が、法律の勉強をやめてジャズをやると言い出したのだ。まずいことに、徳之助は息子の決心を変えさせるために、色道修業をさせようとした。徳太郎は、これを人間性の侮辱だと大反対、孫作の娘左知子は妹五人とともに、また三平の息子太平は徳之助の異母兄弟十八名を総動員して徳太郎の味方となり、ストライキを始めたのだった。親の威厳を丸潰しにされた徳之助たちは、鳩首会談の結果、息子や娘たちの団結を前に珍妙な切崩し作戦を展開した。そんな時に、高松にグラマー娘まさみが現われた。女道楽に血道を上げている父信作に悩まされて、すっかり女嫌いになった次郎を除き、狸会の面々は好色ぞろい、たちまちまさみの尻を追い回し始めた。しかし、この娘はただ者ではなく、実は稀代の女泥棒だったのだ。すっかり鼻の下を長くした徳之助たちは、まんまと大金をせしめられたのだった。一方、徳太郎たちは親父連中の切崩し作戦にはまり、足並みも乱れがち。ある日徳之助たちが高松踊りで優勝を目指していることを知り、これを粉砕させるべく奇策を練っていた。そんな時、次郎の父信作がぽっくり亡くなった。親父は子供の作れない男、と思い込んでいた次郎は信作の穏し子がぞくぞく現われたのに愕然とした。しかも、それが全部、戸籍上、自分の子供になっていると知ってすっかり慌ててしまった。やがて、高松踊りの日が来た。いまではすっかり左知子と相思相愛の仲になった徳太郎は親父連中の踊りの邪魔をしようと、踊りの列の中にもぐり込んだ。ところが、徳之助たちにとってはこれが儲けもの。思わね余興になったと審査員に大受けで、狸会が優勝したのである。こうなると気を良くした徳之助は、息子の申し出を許し、その上、左知子との結婚も認めたのだった。