駅/STATIONのレビュー・感想・評価
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懐かしき国鉄北海道
人は悩んだり過去を悔い、出会いや別れを繰り返し 生きている。
人と人はめぐり会う、駅に停車する列車のように・・・‼️
倉本聰が高倉健さんのために脚本を書き、降旗康男が監督した作品‼️この作品の健さんは刑事‼️しかも任務のためにオリンピックに出場できなかった射撃の名手の刑事‼️彼の11年に及ぶ人生模様‼️彼は妻のいしだあゆみさんと別れ、犯人の妹の烏丸せつこさんと出会い、居酒屋で倍賞千恵子さんと語り合う・・・‼️北海道の様々な駅、雪、居酒屋、そして流れる曲は八代亜紀さんの「舟唄」と、日本人にはたまらない映画ですね‼️その素晴らしい情緒とわびさびの美学‼️この作品以降、健さんと降旗監督のコンビ作が連作されるわけですが、良い意味でも悪い意味でも健さんの "不器用で誠実なだけのキャラ" が確立された作品だと思います‼️
“熱いの一本!”に、友との語り合いが最大の酒の肴だった昔のことをしみじみと…
この11月は高倉健の没10年
ということもあり、
彼の映画やドキュメンタリー番組を
たくさん目にしていたので、
TV放映分のこの作品を再鑑賞した。
久々に観てみると、
個人の犯罪と国家の裁き、
裁いた相手への心の在り方、
そして、孤独と家庭への希求、
等々、色々な要素が散りばめられた作品
のように感じた。
そんな中、
特に主人公と居酒屋の女将のシーンでの
“熱いの一本!”
にしみじみと昔のことが思い出された。
私が学生時代に通っていた居酒屋では、
置いてあるお酒は、銘柄の明示の無い
日本酒と焼酎とビールくらい。
だから日本酒の注文の場合は
熱燗か冷やを言うだけだったし、
手頃な僅かなつまみだけで、
ただただ出される徳利を倒しながら
飲むばかりだった。
多分に、友との語り合いが
最大の酒の肴だったのかも知れない。
この映画の中での
語りの無いような語りの二人のシーンが
色々と考えさせる。
居酒屋のメニューに留まらず、
バリエーション豊かな世界が
果たして人間にとって
本当に幸せをもたらすものなのか、
そんなこともしみじみ考えながら
八代亜紀の“舟唄”に耳をそばだてた。
健さんと、北海道の雪
健さんもう没後10年
寡黙な健さん
山田洋次との力量の差が出た❗(2025年3月22日再見:★4評価変更)
作品構成が雑で高倉健と倍賞千恵子が可哀想。山田洋次の描く高倉健と倍賞千恵子を使って違うキャラを描き出そうとしてるのだが、ドラマの軸が何本もある上に、オムニバス形式で最後は伏線回収になるのだが自ら設定したスタイルに縛られ物語のダイナミズムが損なわれた。
追悼、いしだあゆみ第2弾。いしだあゆみは名女優だった。そして以前の鑑賞で雑と思えたストーリー構成は盛り込み過ぎによるものであった。ドラマならいざ知らず2時間チョイの尺では窮屈な内容である。これだけの大御所をそろえて、この編集では無理がある。いしだあゆみが死んでしまうのもむべなるかなである。古手川にしてもしかり。3~4本分のエピソードが詰め込まれている。ただそれにしてもこれは描かれているのが俳優たちではないのだと見切ると見えて来る世界が違ってくる。北海道の僻地が世の中から忘れ去られていく様を描いているのだと思うと評価は激変する。増毛駅も、新おふゆ丸ももう今は無い。高倉健と言う駅を通り過ぎていく風景としての女たちが描かれているとしたらこの寫眞は傑作だ。この作品はこのような視点から評価すべきだったのかもしれない。
レクターとクラリス。日本ではカウンター越しの健さんと倍賞。
高倉健×倍賞千恵子×北海道×刑事
大ヒット曲舟歌の映画化と言って良いと思います
1981年公開で物語は1968年と1976年と1979年の三つの時間軸で展開されます
舟歌は1979年の大ヒットで実際に劇中にあるように紅白歌合戦の紅組のオオトリで歌われています
本作はこの歌を映画化したものと言って良いと思います
孤独な中年の男女が辺鄙な町の小さな居酒屋で出会う
確かにそうなのですが、そんな薄ぺらい物語ではなく、そこに至るまでに大変に重厚にその男の過去と背景を丁寧に描いていきます
ですから、私達は彼の人生の重さと深さを自分のように感じることができるのです
だからこそ、そのシーンのつかの間の心が休まる一時を共感できるのです
そしてそのシーンの溶けるような甘さと美しさを心から感じる事ができるのです
舟歌は二度かかります
歌そのままの世界と、その先の世界を映像化して見せてくれます
一番目は照れ臭く、二度目は胸がつぶれそうになって聴くことになります
高倉健50歳、いしだあゆみ33歳、倍賞千恵子40歳
高倉健は北海道の荒涼とした雪景色が本当に良く似合います
いしだあゆみの美しさ、はかなげさは男の記憶にいつまでも焼き付くものでものすごい説得力があります
この配役が駄目なら全てぶち壊しになるところ大成功の配役でした
倍賞千恵子もまた高倉健との相性が素晴らしく
文句のつけようがありません
そのやつれ具合が絶妙です
また宇崎竜童が素晴らしい脇役ぶりをしています
日本アカデミー賞助演男優賞をとるのは当然だと思います
男も女ももはや若くない
先もみえている
お互いに重い過去をいろいろしょいこんでいる
その風情が見事にでています
主要な出来事は駅で展開されます
駅は別れと出会いの場です
それぞれの運命という列車にのり、下りてくるところです
でもその切符を買うのは本人の意志なのです
主人公三上は札幌行きの切符を買ったのです
そうして今度は東京行きの切符を買うのかも知れません
そのような予感を持つ終わり方でした
雄冬は離島ではありませんでした
増毛から南に海岸線沿いに20キロ程、劇中でも台詞にあるように当時は道が悪く陸の孤島で連絡船で行くところだったのですね
いまは増毛駅も北砂川駅も線路自体が廃線され駅もなくなっているようです
久しぶりに冬の北海道を訪れてみたくなりました
女たち、事件と絡みながら一人の警官の生き様を描く。倉本聰脚本で何か...
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