「【”舟歌”不器用だが善性在る北海道の刑事の12年間の厳冬と盛夏を背景にした生き様を描いた昭和の香りが濃厚に漂う激シブ映画。高倉健さんと倍賞千恵子さんが絡む酒場のシーンは特に良い作品である。】」駅/STATION NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”舟歌”不器用だが善性在る北海道の刑事の12年間の厳冬と盛夏を背景にした生き様を描いた昭和の香りが濃厚に漂う激シブ映画。高倉健さんと倍賞千恵子さんが絡む酒場のシーンは特に良い作品である。】
■雪の降る北海道の銭函駅で、三上英次(高倉健)は妻(いしだあゆみ)と別れた。警察官であり、オリンピック射撃選手でもある英次には、妻のたった一度の過ちも許せなかった。
ある日、英次の上司(大滝秀治)が検問中に凶悪犯(室田日出男)に射殺された。だが、オリンピックが目前の英次は捜査から外されてしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・久方ぶりに鑑賞したが、矢張り高倉健さん演じる三上刑事と倍賞千恵子さん演じる桐子が営む酒場”桐子”で、舟歌がTVから流れる中、会話するシーンは良い。
そして2人は恋仲になり一夜を宿で過ごすのだが、桐子が”あたし、大声出さなかった?”と聞いた時に英次が”いや。”と言いながらボソリと”樺太まで聞こえるかと思ったぜ。”と言うシーンは記憶になかったなあ。TVで観たのか良く覚えていないがカットされたのかな。
・それにしても、3部構成で三上英次刑事が、様々な事件に遭遇しながら多くの男女を絡ませて生きる姿を良く、倉本聡さんは(高倉さんをイメージして書下ろしたらしいが。)脚本に纏めたと改めて思う。
<今作は、高倉さんが演じた刑事三上を軸に、北海道に住む多くの男女の12年間を連動性を持たせて描いた作品である。
銀行立てこもり事件とか、銃乱射シーンなどを含め昭和の香り色濃く漂う作品である。
今は亡き俳優さんも多数出演しているが、個人的には罪を犯し逃亡していた末松五郎を演じた根津甚八さんが、夜の線路のレールの上を歩いて妹すず子(烏丸せつこ)に会いに来るシーンや、死刑を宣告された彼が執行前に三上刑事あてに”長い間、多くの差し入れをして頂き、ありがとうございました。”と言う手紙をナレーションで述べるシーンは良く覚えている作品である。>