うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーのレビュー・感想・評価
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胡蝶の夢だっちゃ
"うる星やつら(映画)" シリーズ第2作。
Amazon Prime Videoで鑑賞。
原作マンガは未読。
名作アニメを初鑑賞。一言、傑作だった。学園祭前日がループし、不穏さが増す冒頭からぐいぐいと引き込まれる。
藤岡琢也氏の夢邪鬼が絶品である。関西弁だと、なんでこうも見事に胡散臭いキャラクターになるほだろうと思った。
胡蝶の夢を題材にした哲学的な部分は押井守監督っぽさが如実に滲み出ていて、観ていると頭良くなりそうだった。
夢から覚めたのか、将又まだ繰り返しの最中にいるのか、どちらとも取れる意味深なラストシーンの余韻がすごい。
かなりいい
コメディゆえの自由さがかなりいい。
ドラえもんやコナンよりクレヨンしんちゃんの映画の方がクリエイティブな自由さがあって面白いのと似ている。
前半はややシリアスに進み真の原作ファンなら思ってたのと違う、みたいな感想になってしまう気もするが、あいにくただの映画好きとしてはそれはそれでいい
散々浦島太郎の話を出してからの、
なんとか逃げ出そうと飛行機で飛び出して、実は亀の背中の上だったというのが、絵面としても分かりやすく面白い。
サバイバル生活を挟んでからの、大枠の話の説明があり、
夢の連続へ。
あらゆる夢の中を連続で繰り返すのはインセプションで感じたのと同じワクワクがある。
最後にこれも夢?って感じで終わるのも同じ。
永遠の1時間36分
中学生の頃に劇場公開→その後のテレビ放送で見ました。当時は「難しいけど、感動した」と、テーマソングの「愛はブーメラン」の印象が強烈に残っていました。
そこから約40年近くたってアマプラで視聴可能に。
あぁ・・・・押井守監督は凄ぇぇ・・・・・
中学生当時以来なのでストーリーはほぼ憶えていなかったのですが「タイムリープで、ラムが鍵」だけは憶えていたので、そういう前提でラムの言動に注目をして見て楽しみました。
単純に言えば「夢落ち」です。
ラジオなどでは「夢の話」というのはタブーと言われています。荒唐無稽で証明しようがないのと、下手をするとオチが無い場合もあるから。
でも、この作品はその夢を絶妙に料理して、設定をとても緻密に練って「我々観客の現実」と「作品内での現実」と「作品内での夢の世界」の境界線が判らなくなってしまうような、不安定な感覚に陥らせます。
大人になり様々な『タイムリープ』作品を見てきたので、辛うじて話が理解が出来たのだが、当時「うる星やつら」というモチーフで、この構成を考えつき、完成させた押井守監督の力量と胆力が凄い。
夜、メンバーが謎を解くべく学校内に潜入し、混乱しラムがあたるを探すために校内を飛行するシーンはカットやカメラワークが凄かった。(スタッフに板野一郎のお名前があったのだけど、もしかしてこのシーンに関わっているのか?)
戦闘機に登場人物がしがみついて飛び出すシーンなどを筆頭に、良い意味でアニメ(漫画)の自由さとエンターテイメントがぎゅっと勢いよく詰まっている感じも良し○。パワフルさで細かな設定などを押し切るバランスの良さを感じました。
そして、この物語には判りやすい「悪役」は存在しないのだが、序盤の気味の悪い演出、「何かがおかしい?」と気がつきだした時の不安感、世界観が判った時の衝撃とそれを解決する「どうなっちゃうの??」というドキドキ感からのバクが一気に夢の世界を壊す開放感からのクライマックス。
そして、クライマックスを越えてラストシーンにタイトルがバーンと来てのEDイントロスタートの爽快感は実にジェットコースター的で凄いと思いました。悪役など必要無し。
「夢」ならば、一瞬だけど作品内では永遠的に繰り返し、でも現実は1時間36分・・・・不思議な感覚です。
「愛はブーメラン」はおぼろげではありましたが、ちょっと歌えて、思い出せて楽しかったですし、名曲ですね♪うん、本当に良い曲♪
やっぱり巨匠と言われる人の作品は、時代や国境や世代を超越する名作揃いなのだと思いました。
ワタルは男そのものよ!
『ワタルはね!いい加減で卑しくて、女好きで浮気性でエゴイスト。男そのものよ。そりゃ、善人ではあるけどね。どうして、ワタルガ好きなの?』『周太郎だって変わらないチャ』『あら、少なくとも顔が良いわ』
しのぶの『少なくとも』って台詞いいね♥
『通りの神秘と憂愁』キリコ
『鏡地獄』江戸川乱歩
『変身』カフカ
実存哲学になっている。
公開後何年かしてレンタルビデオで見た。同じ時期に僕は、会社の企画部の様な所にいて、慰安会をあの浦安の『オリエン◯◯ランド』にした。本当は横浜の『ドリ◯ムランド』に行きたかったが、遠かったので諦めた。30世帯の家族が参加してくれて、好評だったが、会社からは怒られた。『何考えてんだ。予算オーバーじゃ』その企画はこのアニメーションの鑑賞が事の発端だ。懐かしい。
ストーリーはループする時間を現しているのに、一般的なループシーンはほとんど使われず、怠惰に時間が過ぎて行く。こんな『イッツ・ア・スモール・ワールド』にいつまでも居たい。そんな思いが浦安の『◯リエンタル◯ンド』の発想に行き着くのである。
改めて鑑賞して『少女終末旅行』は完全リスペクトだね。ユーリーとチトが迷い込む美術館の絵が出て来た。
そうそう、あのカビだらけの部屋は松本零士先生の『男おいど◯』
追伸
もう一つのテーマはナチス・◯◯◯の復活。つまり、『ファシズ◯の復活が、いずれある』と都市伝説が当時の世紀末思想と重なり、そんな考えがあったことを記憶する。だから、僕は『イッ◯・ア・スモ◯ル・ワ◯ルド』を否定的に捉えていた。『世界は小さいぜ』って誰かが言ってるって事かなぁ?
タイトルなし(ネタバレ)
公開当時、原作者・高橋留美子を怒らせたらしいが、私はこの作品こそ、ある意味では「うる星やつらの本質」を原作以上に体現している作品だと思っている。
「うる星」の世界とはまさに「終わらない前夜祭」そのものであり、この作品がファンの叶わぬ作品世界への「現実逃避願望」を象徴しているという事を、他ならぬ原作者が理解でき ていなかったというのは皮肉としか言い様がない。その世界を作り出した張本人であるがゆえに、ファンの「求めているもの」との認識に乖離があったのだろう。アイドルが自分のファンにならない(なれない)のと同じようなものだ。
作中における「繰り返しの学園祭前夜」とは「永遠に続く非日常」の象徴であり、そしてその非日常性こそが「うる星」の世界を根底で支えている原動力=魅力であり、「いつまでも皆と一緒に楽しい時の中にいたい」というラムの願いは、そのままファンの願いの代弁でもあるのだ。
それに対し、ラストのあたるの「それは夢だ」というセリフは、「終わらない非日常」から「平凡な日常への回帰」を促すものであり、それは「どんな楽しい事にも終わりがあるからこそ意味がある」という示唆なのだろう。
恐らくアニメや漫画において、現実と虚構の境界を描く事でメタ視点において「ファンと作品との関係性」を問うた、初めての作品だろう。この作品が後に「エヴァ」や「ハルヒ」、「らきすた」等にも影響を与えているのは周知の通り。
他にもこの作品の魅力を語り出すとキリが無い。面堂の車で迷路のような暗闇の町を走る不安感、外へ出られないと分かった恐怖感、廃墟になった街を背景にバカンスを楽しむ背徳的な高揚感、謎を解きに夜の友引町にハリアーで飛び立つときの爽快感、そしてハリアーの先端にちょこんと座り、煌く星空と町の夜景の中、 緑の髪を靡かせながらこちらを振り返るラムの幻想的なシーンの美しさetc.etc。何度見てもワクワクさせてくれる我が青春の神作品。
子供の時何回見たかわからないくらい見た映画
子供の時大好きで何回見たかわからないくらい見た映画だった。
幻想的な演出とドタバタギャクの世界が不思議な雰囲気を醸し出してて
何度見ても飽きさせられることはなかった。
学園祭のドタバタな雰囲気や世界が滅んで仲のいい友人だけで
サバイバル生活をしていくという妄想は私にも学生の頃からい懐き
正にこの世界観にマッチしたのがこの映画に惹かれる理由だったと思う。
この映画を見た時はまだ若く理解できない部分も多かったけど
以前見てわからなかった所がわかったりして良かったと思う。
あたるが現実の世界に戻る直前、幼いラムに責任とってね、
と言うセリフなどは学生の自分にはちょっと理解できてなかったのを
思い出したりした😅
この映画を今日数十年ぶりに見たくなってレンタルしてみたが、
当時であれば★5つは間違いないのだけれど、大人になった今
見直して見たら、やはり新鮮さや絵のクオリティ、果たしてうる星やつらで
描く世界だったのか?など色んな疑問も湧いてきて大人の私としては
★3.5かなと思った。
ちょっとメガネの出番が多くあたる、ラムの出番が少なすぎるため
押井守のオリジナルの世界観を押し出し過ぎている嫌いがあった。
もちろん好きな映画であったのでこの物語は評価するが、
複雑な思いがあるなと思った。
『巻き戻され無限ループに陥った現実と云う虚構』
原作はおろかTVアニメ版も殆ど観た事が無く、実はアニメ自体が無知蒙昧なジャンルではあるものの自宅にて鑑賞。難解なモチーフをクール且つ可愛らしい絵柄で見せる。主観性と客観性、或いは時間や空間、意識の共有、心象面・物理面を含めた他者との距離感、自我に寄ったそれらの産物と云ったテーマが描かれ、“タクシー運転手”が“サクラ”に語り掛ける科白にそれらが凝縮されている。度々登場する「浦島太郎」における仮定のエピソード、云う迄もなくそこに本作の肝がある。好みの噺でもあるが、なるほどよく出来ている、存分に愉しめた。75/100点。
・夜半にのっぺらぼうのチンドン屋一行は正に悪夢で、ここのみでも立派なホラーシーケンス。このチンドン屋にも同行し、他にも現実が巻き取られる様な様々なシーンに登場するつば広帽子にワンピースと白で統一された衣裳を纏う少女が奇妙な存在である。ラスト近くで明かされる彼女の素顔(正体)は意外に思えたが、シリーズの他作を知らないので、詳細はお詳しい方にお任せする(ちなみにこの少女とフランケンシュタインと云う構図は『ミツバチのささやき('73)』そのものである)。本作の元となるシリーズの世界観やキャラクターの詳細、原作等を殆ど知らないが、この少女は有名なキャラクターなのだろうか。公衆電話を含め一斉に鳴り出す電話も気味が悪い。それらとは対照的に路地裏で大量の風鈴が横切るシーンや手掛かりを求め迷路じみた夜の校舎を探索するシーン等は幻想的である。
・同じ一日がリピートされる中、街中の人が消失すると同時に街が退廃して行く設定が興味深い。無限に繰り返される現実は本作以降、多数のフォロワーを産んだと思われるが、本篇内でも触れられる通り、古くは荘子の記した私は蝶になった夢を見ているのか、それとも人を夢見た蝶なのかと云う「胡蝶の夢」であり、このテーマや疑似体験・仮想現実、模造記憶等を手を変え品変え書き続けた感のあるP.K.ディックの「虚空の眼('57・他人の夢の共有と云う設定は本作と全く同じ)」や「時は乱れて('59)」他、彼の諸作を想起した。
・ネタバレとして、第三者による環境下でのコントロールされた日常生活と云う世界観や設定は、『新・世にも不思議なアメージング・ストーリー2('88)』に収録されている『シークレット・シネマ "Secret Cinema('86年4月6日米国TVにて初放送)"』、『トゥルーマン・ショー('98)』、『エドtv('99)』、『ダークシティ('98)』、『シグナル('14)』等に酷似している。
・本作はTVシリーズの一エピソード、'83年7月27日放送された第101話『みじめ! 愛とさすらいの母!?』が元ネタであると脚本を兼ねた監督が認めている。尚、TV放映当時、制作側から虚構と現実を往き来するこの様なのは二度とやるなと釘を刺され、大目玉を喰らったと監督は回想している。
・監督が絵コンテをきっている際の仮題は"Forever Dream"であり、製作時には"Remember Dream"と呼ばれていた。“サクラ”が“面堂終太郎”と“諸星あたる”を呼び出す際に宛てた手紙にある「ありおり侍りいまそかり(そもそもは古文におけるラ行変格活用の暗記法)」と云う文面は、小松左京が書いた「明日泥棒」に登場する“ゴエモン”の口癖から引用したらしい。
・本作のタイトルはスタッフロールが始まる直前迄表示されず、更にそこで写される校舎に在る時計台はロールが終了し、BGMがフェードアウトする中、画面が暗転する迄、チャイム(鐘)を鳴らし続けている。
・本篇前に表示されるロゴでも判るが、本作の権利は東宝が所有しており、その関係で劇場でかかっているコンテンツ(メタ的な劇中劇)の一齣や準備される学園祭のコスプレ、張りぼてとしてかの“キング・オブ・モンスターズ”やウルトラマン、バルタン星人、ピグモン、カネゴンと云った円谷のキャラクターも顔を出している。亦、シリーズ中、当時米国で唯一リリースされなかった一本(東宝が米国の上映権も所有してた為)であると云う。
日常系SFアニメの構造を逆手に取った名作。
今なお高い人気を誇るアニメ『うる星やつら』の劇場版第2作。
文化祭前日のため準備で大忙しな友引高校に起こるある異変に、あたるたちが巻き込まれてしまう。
監督/脚本は前作から引き続き押井守が担当している。
名作と名高い本作。
季節が巡っても進級も卒業もしない日常系アニメであることのアンチテーゼとして、文化祭の前日という1日がループしているという構造が面白い。
冒頭の文化祭準備シーンはキャラクターが活き活きして非常に楽しそうだが、同じ1日が繰り返されている事に視聴者も登場人物も気付いていく。それにつれ徐々に恐怖が募るような演出は流石。
♨️がさくら先生に自分の考察を話すシーンは本当に総毛立つ。
ループ空間から抜け出そうとするまでは本当に面白いが、ループ世界の崩壊から先は正直盛り下がる。黒幕である夢邪気がでてからが一番面白くないのはなんだかなー、という感じ。
個性的なキャラクターとそれを演じきる声優陣は最高。
粘りある作画、丁寧な動き、音楽の使い方は非常に良い。
オチはあっさりしすぎだと思うが…
愛はブーメラン
押井守の独自解釈を前面に出しすぎて、原作者高橋留美子を怒らせたという伝説の作品。
私はうる星やつら世代ではなく、むしろはじめてちゃんと視聴したうる星関連作品が本作だったので初見時にそれほど違和感はなかったです。
冒頭から終盤まで印象的なシーンや掛け合いの連続で、ノスタルジーを感じさせるBGM(特にメインテーマ:モチーフ「不安」)も相まって、鑑賞後にはいつも感傷的になってしまいます。
終わらない文化祭前夜という舞台も、切なくもあり楽しくもあり、最高の作品だと思います。
なんだこれ…!!
この話全体が うる星をはじめとした日常
アニメを皮肉っているような作り。
後の時代に ループものは 飽きる程作られたが この映画は押井溶液に
どっぷりと 浸かっているためか まだまだ
異臭(良い意味で)が漂っている。
押井監督最高傑作!
押井監督作品は小難しいものが多いですが、こういうドタバタコメディに落とし込む方が得意なのだと思います。
謎を残した表現技法も多く、ラストは「お~~~っ!」となるオチで、「この作品はなんだったんだろう」と何度でも見返したくなります。
「BSアニメ夜話」で分かりやすい解説をしているので、観終わった後は是非。
ヤッパリ良くできてる
ハルヒやまどマギでもやってた無限ループ系の元祖?
久しぶりに見返したけど、今でも十分見れる。ラムがいないハーレムは意味がないってとこに少しだけホロッとくる。
最後3階建ての高校が2階しかないのは、まだ夢は醒めてない(何が現実かなんてわからない)ってこと?
たまらない
映画館で見て以来何度も見ていて久しぶりに見返した。ビジュアルイメージが凄まじくて、特に幻惑的なコラージュのようなクライマックスがたまらない。その手前の破壊された映画館でゴジラを見ている場面などもすごくいい。あんな状況で取りあえず遊んでいる彼らの図太さが、元気があってすごくよかった。夜の友引高校を探索する場面もお化け屋敷のようで楽しかった。
展開や構成がかなり無理矢理で、しかしそれでなければ描けないテンポや雰囲気があって見事に合致していたのではないだろうか。気にならなくなるくらい楽しい。
ナチスのコスプレを無邪気にやっていたり、様々な著作権がからむキャラクターを無邪気に描いていて、現在の観点からドキドキするのだが、それくらいが楽しくていいと思う。
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