宇宙大怪獣ドゴラ

劇場公開日:

解説

丘美丈二郎の原作を「蟻地獄作戦」の関沢新一が脚色、「モスラ対ゴジラ」の本多猪四郎が監督した空想科画映画。撮影もコンビの小泉一。

1964年製作/81分/日本
原題または英題:Dogora -The Space Monster
配給:東宝
劇場公開日:1964年8月11日

ストーリー

二十世紀後半。科学の進歩は著しく、すでに人間衛星は広大な宇宙に向って飛び立ち、その未知の世界にメスを入れていた。TV衛星は、そなえつけのカメラで宇宙の景観を地上の受像機に送りつつ、地球四周目に入ろうとしていた。が、突然巨大な宇宙螢に襲われ、衛星は爆発した。この様子を地上の宇宙電波中継所で見ていた桐野技官らは色めきたった。それから数時間たった真夜中。宝石商、天宝堂に五人組の強盗が押しいった。そのとき、五人組の前にピンク色の固りが現われ、金庫にはりつき、次第にヒトデように変化していった。金庫はすごい勢いで白熱化していった。五人組は一目散に逃げだした。一瞬後、金庫は爆発し、怪物はどこへともなく消えていった。翌日現場にかけつけた警視庁外事課、駒井刑事、結晶構造学の権威宗方博士らは、この猛威に呆然とした。そんなある日、駒井刑事は、貯炭場を襲った大怪物が、竜巻のような勢いで石炭を吸いあげる光景を目撃した。同行していた桐野は、怪物の啼き声から、TV衛星を襲った宇宙螢と同種のものであることを断言した。事件はさらにひろがり、世界中をふるえあがらせた。国連は宇宙対策委員会を設けこの事件の究明にのり出した。業をにやした防衛軍は、ロケット弾を怪獣に打ちこんだ。弾は命中した。が、怪獣は細胞分裂を引き起し、無数に殖えて、その威力を増した。そのとき、この怪物によって筑豊の癈坑にうずまっていた、土蜂の大群がほじくり出され、怪物を追いかけ始めた。怪物は土蜂にさされると、ふくれ上って死んでいった。宗方博士はこれを利用して土蜂の毒素を集め、怪物にふりかけた。怪物は全滅し、地上に平和がよみがえった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5大怪獣はどこだ

2023年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

炭素を食べる宇宙怪獣が地球にやってくる。
石炭のみならず、ダイアモンドまで食べ尽くそうとする。
この怪獣、アメーバかスライムのように、どんどん分裂して増えていく。
発想は面白いが、子どもたちは喜ばないだろう。

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いやよセブン

3.0怪獣も人間ドラマパートも不定形

2021年11月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

興奮

東宝特撮1964年の作品。
東宝特撮の宇宙怪獣と言うと真っ先に思い浮かぶのが、キングギドラ。
しかし、それに先立つ4ヶ月前にデビュー。東宝特撮初の宇宙怪獣。言わば、キングギドラの先輩。
それが、ドゴラなのだ!
(あまり知られてないようだけど…)

イカか、クラゲか。とんでもない!
アメーバ状から、空を覆い尽くす巨大さへ。
設定上ではミクロから無限大まで。単体から細胞分裂を起こす。
他の怪獣とは違って表現が難しいドゴラ。その為か出現シーンはそんなに多くはない。が、特撮演出は見所。
『美女と液体人間』を彷彿させるアメーバ状のドゴラは作画合成で表現。
一番の見せ場、北九州襲撃。ビニールで作った巨大ドゴラを水槽の中に吊り、水流が浮遊感を素晴らしく表している。
橋脚を掴むドゴラの触手はアニメーション。
あらゆる特撮手法を用い、あたかもそれが“不定形怪獣”の名にぴったり。
そんなドゴラのエネルギー源は、ダイヤモンド(=炭素)。

TV衛星が突然消息を絶つ前、アメーバ状の謎の怪物を目撃した。
世界中の宝石店で何者かによってダイヤが盗まれ、深夜の銀座でもダイヤ強盗団が金庫を破ろうとしている時、そのアメーバ状の怪物が現れ、金庫を溶かし始めた。
怪物は炭素を食い尽くす事が分かる。“ドゴラ”と命名。
ドゴラ殲滅とダイヤ強奪を巡って、刑事、博士、強盗団、謎の外国人が交錯する…。

これまでの怪獣映画は怪獣メインに人間ドラマがサイドストーリーであったが、本作はどちらも両立。いや寧ろ、人間ドラマに比重が置かれている。
当時岡本喜八などがよく撮っていた東宝暗黒街ものを彷彿させる、ギャング・アクション。
刑事や謎の外国人=正体はダイヤGメンが立ち向かう。
根っからの怪獣映画ファンには物足りないかもしれないが、そこはさすが名職人である関沢新一の脚本。たっぷりの娯楽性とサービス精神。

夏木陽介、小泉博らお馴染み東宝特撮キャスト。
しかし一際印象残すのが、
ダイヤGメンのマークを演じるダン・ユマ。ユーモラスな存在だが警察や強盗団を煙に巻き、なかなか頭が切れる。当時『007』シリーズが大ヒットしていて、その影響もなきにしもあらずのスパイ…? 確か脚本上では“変ナ外人”と記してあったような…。
そして、強盗団の紅一点として圧倒的な美貌と妖艶さを放つのが、若林映子。一応強盗団の仲間だが、マークと手を組もうとしたり、最後ダイヤを一人占めしようとしたり、“読めない女”。さながら“リアル峰不二子”。尚、劇中では“動くベッド”。
にしても、関沢新一の脚本って娯楽に徹しているのはいいが、ツッコミ所多々やリアリティー皆無はまだしも、本作の“変ナ外人”とか“動くベッド”とか今だったら…。

打つ手ナシと思われたドゴラ殲滅。
が、思わぬ“虫”の存在、その毒素が決め手となる…!

意外とあっさり突破口を見出だしたドゴラ殲滅。
が、クライマックスの円谷特撮演出による攻撃、盛り上げる伊福部音楽。
ダイヤを巡る人間側の闘いも決着。

怪獣も不定形なら、
ギャング・アクションであり、刑事ものであり、ちょいスパイ風であり、王道の対怪獣映画。
色んな意味で、“不定形”!

久し振りに見たら、勿論本編は本多監督だが、なのに平田昭彦と佐原健二が出てない事に驚き!

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近大

3.0東宝特撮としての新機軸として不定形怪獣というものを出そうとした意欲は感じる

2020年2月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怪獣映画だが、基本ガス人間第一号などの怪人シリーズの系譜に並ぶ、その延長線上にあるというべき作品

見所は4つ
不定形怪獣ドゴラの特撮
若松大橋などの北九州の特撮シーン
若林映子の現代的美貌
ダンユマの変な外国人ぶり

ドゴラの不定形怪獣というイマジネーションをCGの無い時代に見事に実写で映像化している
大変な苦労を重ねたとのことだ

若松大橋を望む北九州市街を一望するスペクタクルはワイドカラーを活かした素晴らしい映像で、ミニチュアセットは迫真の出来映え
螺旋を巻いて舞い上がっていく石炭の映像も迫力がある

若林映子は前作のキングコング対ゴジラにも出演をしていたし、次の三大怪獣地上最大の決戦では更に重要な役で出演をして特撮シーンファンを痺れさせる
そればかりか、本作3年後の1967年には007は二度死ぬでボンドガールにまで抜擢されて行くのだ
ルパン三世の不二子のようなボリュームがあって華もあるところが当時の女優にはなかなか他にいない魅力がある

ダンユマはマークという謎の外国人役
この人も特撮ファンなら顔を覚えている人だろう
マークは007を意識した役で、本作公開当時はゴールトフィンガーが公開されたばかりの頃でブームにあやかったもの

映画としてはさして面白くもなく、前半睡魔に襲われるほど
ドラマパートと特撮パートの物語の噛み合わせもあまり良くない
不定形怪獣というものをだして何をやりたかったのか?
そこと結びつくようなドラマパートでは全然ない
よってカタルシスも何もない

東宝特撮としての新機軸として不定形怪獣というものを出そうとした意欲は感じる
そこは評価したい
しかし、核心的な特撮技術であるミニチュアセットや繰演、合成といったものに特段の進歩はないのだ

これだけの特撮技術を駆使できる人材を抱え、大ヒットにも恵まれて資金も豊富であったはずなのに、次世代に向けての特撮の模索がこの不定形怪獣だけで終わってしまったのは実に残念だ
本当の意味での特撮技術の革新にむけて研究を重ねるべきだったのだ

海外から特撮のライバルたちが技術革新をはかり、東宝特撮にキャッチアップしようとしていた重要な時期であったのにこうであったのだ

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あき240

4.0不定形怪獣

2019年3月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

楽しい

興奮

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しゅうへい

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