妹のレビュー・感想・評価

林隆三さんは亡くなってんですね。ご冥福をお祈りします。
僕はこの俳優さんのファンで、旧国営放送をかつて見ていた時に、天下御免の「小野右京之介」が好きだったからてある。
平賀源内の話で、平賀源内を山口崇さんが演じていた。さて、その登場人物に田沼意次がいた。
仲谷昇さんが演じていた。たしか、田沼意次って日本史の中で悪者だったが、天下御免では悪者ではなかった。実はそれがきっかけで歴史が大好きになった。
さて、現在の大川ドラマが同じような登場人物。
50年ぶりの再解釈なのかなぁ。
僕は田沼意次は近現代の資本主義の先駆けと解釈している。
この映画もボブ・ディランファンとしては見る訳には行かなかった。どうやら、秋吉さんを見たのは、「祭りの準備」か「神田川」だったかなぁ。
追記
片桐夕子さんのご冥福をお祈りします。知らなかった。

藤田敏八 監督・内田栄一脚本による1974年製作の日本映画。配給：日活。

かぐや姫の大ヒット曲「妹」をベースにした青春映画と聞くが、確かに設定は歌詞内容から少々借りてきているが、世界観的には全く異なる、相当に奇妙・奇天烈なかなり変態チックな映画であった。

多分、藤田監督というより脚本書いた内田栄一の映画なんだろう。主人公は林隆三で、彼の出世作らしいが、出戻ってきた妹秋吉久美子に近親相姦的な妄想をずっと抱いている。彼は大学生ひし美ゆり子や妹夫の妹吉田由貴子とセックスするが、妹がわりの様である。

再度嫁いだ先へ戻すということで、妹に綺麗な花嫁衣装を着せて記念写真を撮る。ロリコン趣味とまではいかないが、19〜20歳の秋吉久美子が美しく可愛いらしい。ただ彼女、夫を崖から突き落として殺してしまったという見た目とのギャップが怖い過去も明かされる。それを全く知らない兄が、剃髪し消息を絶った妹を屋台をしながら探し続ける姿で，映画は終わる。

そして、妹夫の兄演ずる伊丹十三は、文字デザイン等を描く芸術家（実際の通り）。また彼は両刀使いなのか、林隆三に抱きつくがそれを妻子に見られて、一家心中してしまう。その葬儀に彼の弟妹（村野武範、藤田弓子）と共に参列するいかにも異分子の秋吉久美子。何という破天荒なストーリーと、かなり唖然とさせられた。反面、訳が分からなさすぎて、後には監督もする内田栄一という脚本家に大いなる興味も覚えた。

また、70年代の東京の風景、早稲田や高円寺、都電荒川線、飛鳥山駅近辺等は知らない世界なので、かなり興味深かった。

監督藤田敏八、脚本内田栄一、企画古谷康雄、製作岡田裕、撮影萩原憲治、美術横尾嘉良、音楽木田高介、録音紅谷愃一、照明松下文夫、編集井上治、助監督八巻晶彦、スチール寺本正一。

出演　秋吉久美子小島ねり、林隆三小島秋夫、吉田由貴子（北河多香子）和田いづみ、吉田日出子山本ミナコ、伊丹十三和由一夫、初井言栄岩上とよ、片桐夕子岩上みどり、村野武範和田研二、藤田弓子和田英子、ひし美ゆり子女子大生、藤原釜足写真屋、沢田みゆき秋夫の級友の妹、山田つぐと男、高橋明やくざ、溝口拳やくざ、玉井謙介勤め人、浜口竜哉鑑識係、雪丘恵介刑事、野村隆刑事、桂小かんバーの客、榎木兵衛バーの客。