宿無し犬
劇場公開日:1964年5月2日
解説
「現代インチキ物語 ど狸」の藤本義一がシナリオを執筆「悪名一番」の田中徳三が監督したアクションもの。撮影は「悪名一番」の武田千吉郎。
1964年製作/91分/日本
配給:大映
劇場公開日:1964年5月2日
ストーリー
女よりもコルトが好きだという鴨井大介は、母の墓参のため高松に来た。しかし、墓地はゴルフ場となっていた。憤慨した大介だが、金比羅参りをする途中、印象的な美人に出会い、強い興味を持った。その日宿に帰った大介は、偶然やくざにかこまれて口論する昼間の美女を見て、喧嘩に割って入り、一人の肩口を刺した。翌日神戸港を出帆する船の上で、沼野観光社長と称する男から三〇万円さし出された。昨日、大介が喧嘩した相手は、大興組の連中で実は沼野を狙っていたのだが、大介が飛び出したため命拾いをしたというのだ。そのうえ大興組は、墓をゴルフ場にしていると聞き、大介は大興組にのりこもうとしたが、沼野にひきとめられ食客となった。大介はそれからも何度かあの女に会ったが、ボディガードつきで近よることが出来なかった。沼野の経営するつれこみ宿ルビアンで、女中柳子とそのみたされない思いをと思った時、ルビアンは火に包まれた。青井が保険金詐欺を働いたのだ。沼野から青井を殺すように頼まれた大介は、断ると一匹狼に返りドヤ街に入った。そこへかつて彼女のボディガードをしていた、実は刑事の木村が現れ、大興組、沼野観光、青井という悪の路線をたちきるため、青井を連れ出して欲しいと頼んだ。例の美人の名前が麻子であり、彼女の居場所と交換条件に承諾した大介は、情夫康市の前で、麻子か、墓のオトシマエ四千二百万を渡せとタンカをきった。追いつめられた康市が麻子を殺そうとするのを見た大介は、康市を海に落し、麻子を安宿に拉致した。だが、康市と麻子がたった二人の姉弟だと知った大介は、康市の骨を引きとり大興に出向いたが、まちかまえた佐伯は青井との対決を条件に危地へと追いこんでゆくのだった。