家光と彦左と一心太助

劇場公開日:

解説

「森の石松鬼より恐い」の コンビ小国英雄の脚本を、沢島忠が監督した一心太助シリーズの第四作。撮影も「森の石松鬼より恐い」の坪井誠。

1961年製作/93分/日本
原題または英題:The Shogun and the Fishmonger
配給:東映
劇場公開日:1961年1月3日

ストーリー

元和九年の元旦。江戸城に大事件が起った。秀忠の嫡子、次代将軍の家光が毒殺されかかったのである。家光の弟忠長を偏愛する北の方が本多上野介らと組み、家光を亡きものにしようとしているのだ。家光の乳母春日局、大久保彦左衛門らはこれを憂慮した。彦左は将軍剣術指南柳生宗矩と対策をねった。彦左の一の子分魚屋の一心太助が新年の挨拶に来た。正装した太助は、家光と瓜二つだった。彦左にアイデアが浮んだ。家光と彦左の身分を入れかえるというわけである。太助は気狂いに化けた。家光も高熱のあまり頭がおかしくなったというので、太助と家光は姿を入れかえることに成功した。家光の太助は、魚河岸に行って太助の人気を知った。本多上野介につながるゴロツキどもが魚河岸の差配権を手に入れようとして暴れたが家光と十兵衛が彼らをノシた。江戸城に入りこんだ太助はトンチンカンぶりを発揮した。家光が気狂いになったと思いこんだ本多一味は、秀忠の代りに経書御講釈事始を家光がするよう願い出た。しかし、太助と家光の早がわりによって事なきをえた。長屋に戻った家光はいじめられる巳之吉を後妻の子供の次郎松が必死にかばっているのを見、弟の忠長に冷たかったわが身を反省した。その頃、太助の家光は忠長によび出され、逆心のないことを訴えられた。忠長が本多一派の陰謀を表沙汰にできないのは、一味の中に母北の方がいるからなのだ。太助は身分をうちあけ、忠長を連れて彦左邸に行き、家光と会わせた。家光、忠長は初めてお互いの気持を知った。その時、鳥居土佐の暗殺団が邸内になだれこんだ。魚河岸の連中や長屋の住人が助勢に駈けつけ、忠長は鳥居土佐を斬った。元和年六月、将軍秀忠は家光に将軍職を譲るため上洛した。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0入れ替わりコメディ

2020年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

徳川の世継ぎである家光(萬屋錦之介)が暗殺されそうになり、うり二つの一心太助(萬屋錦之介)を影武者にする。
入れ替わりのコメディが面白く、最後にはお約束のチャンバラも用意されている。

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いやよセブン

4.0"一心如鏡"

2015年4月5日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

“一心如鏡”

コメディ時代劇としてかなりの面白さ。
以前に観賞済みの為に、初見の時程笑わなかったにしろ、錦之助による1人2役、緩急付けた演じ分けは何度も爆笑に近い笑いで笑わせてくれて、見事の一言です。

また、すり替わりを巧みに取り入れた脚本の小国英雄さんは、黒澤映画でも脚本を担当されているのを考えると、黒澤作品の『影武者』にはクレジットされてはいないものの、かなりの影響を与えていたのではないか?と推測出来るかも知れません。

気合いの入った見事な美術セット内で縦横無尽に展開される、お世継ぎ様と単なる町民とのドタバタ喜劇。
切れの良いセリフ廻しに、テンポの良い編集。
加えて、何よりも観客を楽しませる事に心底尽くそうとする東映娯楽時代劇の面白さ。沢島忠監督の演出の冴え。

だからクライマックスの大立ち回りなんかはかなり強引…と言うよりも、寧ろ無理矢理と言った方が適切だろう。

世代を越えても、兄弟仲良く手を携えて行けば天下太平なり。

目出度し目出度し

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松井の天井直撃ホームラン

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