劇場公開日 1988年9月15日

「【セピア色の”すき焼きのシーン”は何度観ても、涙が込み上げてくる作品。親とは”どのような状況”でも子供が心配なのだ・・。】」異人たちとの夏 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【セピア色の”すき焼きのシーン”は何度観ても、涙が込み上げてくる作品。親とは”どのような状況”でも子供が心配なのだ・・。】

2020年5月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

泣ける

怖い

幸せ

ー 大林宣彦監督、素晴らしき多くの作品を届けて頂き、本当に有難うございました。ご冥福をお祈りいたします。-

 作品の内容は、人口に膾炙しているので、敢えて記さない。

<鑑賞当時の感想>
 ・”親子の関係”とはどのような状況でも永遠に繋がり続けるという事。

 ・山田太一さんの小説自体が素晴らしいのだが、その作品の”独特の世界観”を崩さずに映像化した大林監督の力量と市川森一の脚本の凄さ。
 ー書いているだけでも、凄い布陣である。-

 ■想い出のちょっと恥ずかしいシーン
 ・名取裕子さん演じる妖しくも哀しき女ケイ(凄い、色気であった・・・)と原田とのベッドシーン。初見時は学生で、TVで友人と観ていたので、かなり気まずくもドキドキしながら観たなあ。

 ■白眉のシーン
 ・浅草の誰もいないお盆の時の道路で、原田(風間杜夫)と鯔背な寿司屋職人の父(片岡鶴太郎)とのキャッチボールのシーン。そして、二人が交わす会話。

 ・今半別館の二階で、三人がすき焼きの鍋を囲んでの会話の素晴らしさ。
  特に、原田の父の台詞に涙が滲む。
  ”こいつは12で両親を失って・・・・、良く頑張った・・。”

 ・原田の両親(母は、秋吉久美子・・そりゃ、美しいですよ。)が後ろの襖窓から夕陽が差してくる中、徐々に姿が消えていくシーン。そして、暗くなった間に独りで座り込む原田の背中・・。

 ー個人的に邦画の名シーンの一つだと思っている。-

<初見時から数十年振りに観ると、ケイの本当の姿が露わになるシーンなどは正直厳しいものがあるが、それでもこの作品は私にとっては忘れ難き名作なのである。>

NOBU
Mさんのコメント
2022年10月2日

怖い話だけどあたたかな気持ちになる作品ですね。

M