生地獄

劇場公開日:

解説

車椅子生活を送る青年に降りかかる恐怖と、やがて明かされる彼の忌まわしい出生の秘密に迫るフランティック・ホラー。監督は、本作が初の劇場用作品となる藤井秀剛で、脚本も自らが執筆。撮影を「恐竜泥棒」の奥原一男が担当している。主演は本田博仁。尚、本作は『つんくタウンFILMS』の3丁目企画として製作、公開された。ドイツFantasy Filmfest 2000 第14回サイエンスフィクション・ホラー&スリラー国際映画祭出品作品。スーパー16ミリからのブローアップ。

2000年製作/104分/R15+/日本
配給:つんくタウンFILMS
劇場公開日:2000年6月1日

ストーリー

72歳の老婆・千代とその孫娘・ユキが、遠戚にあたる元川家に預けられることになった。元川家には、仕事の忙しい父親と雑誌社に勤務する長男のケン、車椅子生活を送る次男の康人、そして家事全般をひとりでこなしている妹のマミが暮らしていたが、ただひとり康人だけが、この来訪者たちに不吉な予感を感じていた。果たして、その予感は的中し、康人は千代とユキに虐待を受けることになる。車椅子を坂道で押され車に轢かれそうになったり、ミミズやゴキブリ入りの食事を出されたり、スタンガンで電気ショックを受けたりと、日に日にエスカレートしていく虐待。しかし、康人がどんなに訴えようと家族は誰も信じてくれないのであった。そんな中、ケンの勤める雑誌社の後輩記者が、一年前に起きた歯科医一家惨殺事件の犯人で、その後精神病院から脱走した老婆の行方を追っていた。その老婆とは千代のことで、彼女は遺伝子学の権威であるクラウド教授によってシャム双生児を生む実験材料に使われていたことが分かる。そして、その実験において彼女が43歳にして生んだ子供がケンで、50歳に産み落としたシャム双生児がユキと康人であったのだ! 更に、康人の父親がクラウド教授その人で、マミは養子だったことも判明。しかし、事実を知った記者、そしてマミが、康人の目の前で千代たちの狂宴の餌食となってしまう。ところが、その狂った家族にはまだ驚くべき事実が隠されていた。実は、歯科医惨殺事件や康人の虐待は、ユキと体を切り離された時に人格も二分された康人が起こしたことだったのである。やがて、覚醒する康人のもうひとりの凶暴な人格。彼は千代たちを惨殺すると、再び元のおとなしい康人の人格に戻り、精神病院に収容される。

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