「物語そのものよりも映像の美学を堪能すべき作品であると思います」暗殺(1964) あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
物語そのものよりも映像の美学を堪能すべき作品であると思います
1964年松竹、白黒作品
篠田正浩監督作品
誰の暗殺?
幕末ものだから、坂本龍馬?井伊大老?
違います
清河八郎という人物です
この名前を知っている人は結構な歴史好き、特に幕末もの、新撰組ものに詳しい人でしょう
原作は司馬遼太郎の歴史小説「奇妙なり八郎」
この原作小説自体、あまり有名でもありません
つまり一般的には無名です
実在の人物です
新撰組の母体となった浪士組を幕府に提案し実現させ、234名の浪士を率いて江戸から京都に乗り込んだ人です
結局のところ、丹波哲郎が演じるこの人物が題名の通り幕府に暗殺されるまでの物語です
有名どころは坂本龍馬が少し登場する程度です
近藤勇、土方歳三などは名前のみ一言台詞にでるだけです
お話も幕末ものが好きで予備知識があるなら楽しめもできますが、そうでなければ退屈な時間になるかも知れません
しかし撮影が尋常ではありません
恐ろしく鮮明なカメラが大胆なアングルで、美しい陰影をもって撮られています
冒頭からその映像にハッとさせられます
物語そのものよりも映像の美学を堪能すべき作品であると思います
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