「できる女は自転車に乗る。」あらくれ(1957) 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
できる女は自転車に乗る。
1957年。成瀬巳喜男監督。徳田秋声の同名小説の映画化。大正初期、自我の強いできる女が、自堕落で意気地のない男たち(やそれを許容する社会、大多数の女たち)と張り合いながら、恋にやぶれ、それでもなんとかやっていこうという話。
すばらしい作品。できる女の成長と苦しみを描きつつ、ユーモアもたっぷり。監督独特の時代描写(街の音、自転車に乗る女、無声映画)を含みつつ、ゆったりとしたリズムで息の長い丁寧な物語になっている。喧嘩シーンのアクションはすばらしいし、最後の雨のシーンは息もつけないカメラワーク。「乱れる」を思い出す。
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