「悪名」と言ってもいろいろある。前作の「悪名市場」や「悪名波止場」は演出上のモタモタが古臭い感じが否めなかった。もちろん2人のバディーはカッコいいけど。
この「悪名一番」は文句なしに面白い。八尾の朝吉とはなんなのか、がはっきりと分かり、心底カッコいいと分かる。名誉もいらない、酒もいらない、金もいらない、女もいらない、武器もいらない、ただ人情と友情のために、大阪の田舎者と嘲笑われながらも、ど根性を突き通す。鶴田浩二、高倉健もいいが、勝新太郎の悪名の泥臭い生き方に、男の中の男は何かと胸がすく思いがする。多くの人に語り継がれて欲しい作品。