AKIRAのレビュー・感想・評価
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日本の戦後30年を詰め込んだ社会的なアニメ映画
ストーリーは「ネオ東京」が舞台。荒廃状態からここまで立て直した、と大佐が高層ビル群を眺めながら発言するシーン。日本は1945年、原子爆弾がアメリカによって投下された後、ポツダム宣言を受け入れ、降伏した。その時すでに、原爆により広島・長崎は崩壊、また関東大空襲をはじめとする各地の大空襲により日本は焼け野原状態にあった。そこから戦後復興は難航。しかし、1955年朝鮮戦争をきっかけに朝鮮特需がおこり、高度経済成長期へ向かう。この戦争のおかげで日本は一気に復興することができた。作者の大友克洋さんはちょうど、この1年前の1954年に生まれている。
その他にもざっと挙げていくなら、ヘルメットをかぶりゲバ棒を持ってデモをしている人たちが映画の中で、多人数でてくる。これは、これは60年代〜70年代の学生運動だろう。その当時、学生運動が起きていた理由はさまざまあるが、安保闘争への反対、全共闘、大学紛争などなど。これは日本だけでなく世界的にも、特に1968年は社会運動の時代であった。
東京オリンピックの描写が、出てくるのも踏まえ、あの時代を表現していることは間違いない。ちなみに東京オリンピック開催は1964年である。ストーリーの設定は2019年だが、現実的な話、作者が想像していたのは、64年オリンピックだろう。
ここらで’AKIRAくん’について。これは、「原子力」を表象しているのではないかと思う。科学者が全てを包摂したエネルギーみたいなことを言っていたが、まさに原子力こそ、人間が発明した人工的で無限に生み出すことができるエネルギーである。また、最後にAKIRAくんがオリンピック会場でどでかい爆発をしたシーン。原爆が爆発する時の爆発の仕方と同じである。似たような作画に、『風の谷のナウシカ』で巨神兵がビーム?を打って爆発するというものもある。宮崎駿作品の中で、若き頃の庵野秀明が作画したとして有名。これも確か、原爆を表象してるだとか。
それに同時代を生きていた岡本太郎も、その作品で原子力を表現している。その一つが70年万博で作られた「太陽の塔」。太陽の塔の背面には黒い太陽が描かれている。これは人間が作り出した人工的な太陽、すなわち原子力である。
作者の大友さんも、岡本太郎に影響を受けているのではのないだろうか。ケイが、金田にアメーバのことを話しているシーンがあったが、太陽の塔の内部にある「生命の樹」の1番根っこに、アメーバのオブジェが置かれているのだ。岡本自身もアメーバを生命の根源だと捉えていた。
AKIRAくんは、みんなの中にある。
関根光才監督「太陽の塔」で、誰だったかが言っていた。日本は、原子力の影響を1番受けている国なのにそのことを忘れてしまっているのではないかと。広島、長崎に落とされた原子爆弾。ビキニ環礁の水爆実験による第五福竜丸事件。それに2011年、東日本大震災による福島第一原発事故。これほど原子力に影響を与えられた国が他にあるのか。
AKIRAくんが原子力であるならば、僕の中にもいてるし、みんなの中にもいてる。
最後になるが、超能力幼稚園児だけはまったく意味がわからなかった笑。数年後に見たらわかる時が来るのかな。今回はこのような社会性の部分に注目して鑑賞したので、今度見る時は、作画自体の素晴らしさ、音楽のかっこよさ、バイクのロマンといったところも刮目、刮耳して鑑賞したい。芸術的な意味合いでも満たされた気持ちになった映画であった。
ふと思ったが、太陽の塔に’アキラくん’という名前を付けたらしっくりきた
内容は難しいけれど、観ていくうちに世界観に魅了される。 映像といい...
内容は難しいけれど、観ていくうちに世界観に魅了される。
映像といい、ストーリー展開といい1988年の作品ではあるけれど、今観てもとても新鮮ですごい。当時の衝撃はすごかったんだろうなぁ。今もなお様々なところに影響を及ぼしているのは頷けます。
作画が乱れない恐ろしい映画
当時のトップアニメーター、最高戦力を集めて作られただけあって、今見ても綺麗。
漫画の絵がそのまま動いている。
よくこのクオリティでセルアニメーションを作りきったなと感心する。
やはり残念なのは中身が漫画と別物に…
しくじったのは漫画版を読んでどこまで映像化するのかなと期待して映画を観たため、ガッカリ感が強くなってしまった。
そこまで面白くはないって言うのが正直な感想です。
ただ、1988年にこれだけの映像を作り上げた熱意には感動します。
セルアニメの1つの到達点
10年ほど前に1度DVDを借りて視聴しましたが、久しぶりに動画配信サービスを利用して再度視聴しました。
初見の時には今のアニメでもなかなか感じられない「物の重さ」を感じるアニメーションに度肝を抜かれた記憶があります。また、ナンバーズ達がいる施設や能力開発の描写が、なんとなく薄気味悪かったり、あの年代の日本アニメ特有の音楽がとても印象的でした。
作画の凄さは分かっていたので、今回はストーリーを以前よりも楽しめたと思います。ストーリー的には誰か1人を必要以上に焦点化しすぎることなく進み、迫力あるシーンも随所で見られるので、退屈せずに面白く見れました。
序盤にある犬のシーンは、かなりリアルだったり動きが精緻で目を見張るものがあります。
どうでもいい話ですが、初見の時にはガレキの落下していくシーン等に物の重さを感じたのですが、今回は不思議と感じられませんでした。DVDと動画配信サービスの差なのでしょうか。自分の目が衰えてしまったかもしれません。
うーん、退屈
今更、初見。
人類の進化の先に新世界が誕生した、のかな?
原作も知らないし、テーマ的に実は深いのかも知れないけど、
映画の尺では深みは感じず、超能力バトルメインで退屈だった。
幻魔大戦か!って思ってしまった。
登場人物の誰も好きになれない。
有名なバイク含め、メカや先進的と退廃的な入り混じった世界観が格好良い雰囲気映画。
そんな感じ。
映画よりも原作漫画を読むべき。
原作の漫画は群像劇としても厚みのある内容だが、この映画では極少人数にしかスポットが当たっていないのでとても物足りない。原作漫画では意味のある人物たちがこの映画では簡単に殺されてしまって残念だった。
映像美とありそうな話
この作品が世界中の他の作品に影響を与えている、と聞いて観ました
カッコいいですね。。。。
ワイスピ見てるみたい!
2019年は荒廃してないと言いたいところでしたが
コンピュータに支配されている、という点では合ってる
娯楽を超えた美術作品のひとつですね
原作を読んでからハマった
初見は世界観や絵柄、音楽などに魅力を感じたもののストーリーがよくわからず、そこまでハマっていなかったのですが最近原作を読んでハマりました。その後改めて映画を観ましたがとてもよかったです。
原作からの変更点はいろいろあるのですが、原作者が監督で脚本に携わっているだけあって全体的な雰囲気やストーリーの根幹は同じです。
映画は2時間にまとめるためキャラクターやエピソードを削っているので原作より鉄雄に焦点が当たっていたのがよかったです。少しずつ鉄雄が変化していく様子や金田への憧れ、劣等感等が映画の方がわかりやすかったです。しかしその分映画では金田とケイの関係があっさりしてしまっていました。
原作は映画より長い分、物語が壮大でキャラクターに深みがあり、個人的には初見の没入感は原作の方がありました。映画を観て世界観には惹かれたけど話がいまいちわからなかったという人は原作を読んでみるといいかもしれません。
とはいえやっぱり映画はAKIRAの世界に色がついて音がついて動きがついたものが観れるという感動があります。映画、原作ともにそれぞれの良さがあり、どちらもとても面白かったです。
現実の東京2020オリンピックは残念ながらバッハやる気満々です
久々に鑑賞
アキラの絵ってこんなものだったのかと少々拍子抜けてしまったが直に慣れてくる
昨今の萌えアニメのように女の子がちっとも可愛くないのがいい
初めて観たのは子供の頃だが当時はチンプンカンプン
それでもなんか知らないけどとにかく凄いという印象は頭の中に焼きついた
原作未読
原作者自ら映画化
原作はこんなもんじゃないと怒り心頭に発するのもいささか滑稽
2020年のオリンピックを予言したと一部の痛い人たちが大騒ぎしているが全くの偶然に過ぎない
全体的に観れば大友克洋の未来予想図は実際とはかなりかけ離れたものだ
それでいい
伝説のジャパニメーション
これを見ずして日本のアニメを語ってはいけない
少々グロい
顔色悪い老け顔の子供3人が印象的
ブクブクと膨れ大きくなる鉄雄の姿は圧巻
カオリ可哀想
あと声優陣のなかではケイの声を担当した小山茉美の印象が強い
ちなみに大学野球のメッカが物置きになると聞き僕も最初は東京五輪開催に反対はしていた
だが今も反対を続けている人たちはいかがなものかと思う
いまから初めて観るものではない
往年の名作ですが、あまりささりませんでした。
テーマも内容もクオリティも、当時はパイオニア的存在だったのかもしれないけど、今は同様のもので溢れてる。
当時観た人たちには永遠の名作なんだろうけど、今の若者が観るものではないと思ってしまった。
今見るとずいぶん印象が違うのかもしれない
今じゃ自慢できることなのかもしれない。この映画私は劇場で見ている。当時何とも思わなかったし、何かピンとこなかった。コミックには夢中になったのだが、映画では全体に音から受ける印象が良くなかった。
画期的と言われた口の動きと声優のセリフが同調するシステム。かなり違和感があります。現実に、あんな風に口を動かしてしゃべる人間っているんだろうか?音楽は、和のテイストを意識して太鼓の音とか、和声唱和とか使い方がしゃらくさい。少なくとも流行り歌を採用していないので今見ると、ずいぶん印象が違うのかもしれない。映像作家として大友克洋が世界的に評価されるきっかけになったので、きっと、たくさんの人が支持した結果なのだろう。
コミック版が中断した状態で映画が公開されたので、結末がどうなるのか気になった。それ見たさに劇場に運んだと言っても過言ではない。でも、当時がっかりしたのを覚えている。
2018.10.1
サイコーに気持ち悪い(褒め言葉)
DolbyCinemaの再上映にて。
公開から32年たった今でも斬新で度肝を抜かれる。
2回目の鑑賞だけど、最初画質の荒い2Kテレビで観たときと印象が全く違う!やっぱり映画は映画館で観てこそ「映画」だなと再確認。
DolbyCinemaは音響が頭おかしかった。
なんか隣のオヤジ喋ってんな、と思ったらガヤだったし、高音、低音の表現幅が広すぎてビビる。
上映終了後、とある2人組が「いやー音キモイよ!耳栓欲しかった」と話してたくらい。人生に残る映画体験でした。
それで作品は、というと。
もうね、独創性が洪水してますよ。
まず世界観から狂ってるし(いい意味で)、展開がもう訳分からんし(もちろんいい意味で)、どうやったらこんなバケモンみたいな映画を創れるのだろうか。
大友克洋すごいよ!頭の中どうなってるんだろう?
正直、2Kテレビで観たときはこの独創性とヒャッハーテンポについていけず「なんかすごいけど、気持ち悪いアニメだったな」ぐらいしか印象残らなかったけど、2回目は「なんだ!このクソ素晴らしく気持ち悪い映画は!」と強く印象に残った。
うねうねぐちゃぐちゃした作画だけで「AKIRA」という味が出るし、芸能山城組の音楽が凄すぎる!「ラッセーラー」とか「ヒーハー」、「カランカラン」など人の生声を音楽に起用する発想が既に頭おかしいし、それに和太鼓の低音と高音を併せ持った音や民族的なリズムなどを組み込んでくるから唯一無二の音楽となってる。
それが狂い乱れたAKIRAという世界観にピッタリマッチしておりまさに完全無欠の存在!
これは世界に自信を持って誇れる作品だ。
日本映画は現代こそ重苦しい人間ドラマが世界向け作品のジャンルだけど、実は日本独特な風俗の乱れやぐちゃぐちゃとした独創性溢れる作品など、日本人ならではの暑苦しさをメインに描いた映画の方が世界に誇れるジャンルのなのかもしれない。
本作も黒澤明や北野武、宮崎駿、「三大ジャパニメーション」と勝手に括っている『パプリカ』と『ゴーストインザシェル』もそうだし。
もっとこういった映画が増えることを願う。
余談
「かぁーねぇーだァーー!」
「さんをつけろよデコ助野郎!」
ってやり取りが大好きすぎる。
アニメーションの限界に挑んでいる
20年前以上昔の作品なのにもかかわらず、今も色褪せず力を持ち続ける作品。
その多額の製作費から可能となる圧倒的な作画と壮大なストーリー設定、芸能山城組による独特な音楽の起用等、全てにおいてインパクトがあり凄いの一言。
見終えたあとの疲労感が凄く世界観に引き込まれる程、熱中しました。
日本に誇れるアニメの一つだと再認識させられた。
近未来の非現実感×大迫力のIMAX
今年の6月ぐらいかな……?
ちょっと前に緊急事態宣言が出たこともあって、人の動きが少ない時に見ました。映画館も当然人数制限していた頃。IMAXシアターだったので、馬鹿みたいに広いのに観客は10人ぐらいしかいない。
例年だったら、まああり得ないような環境下で見たこの作品は、個人的に今年のナンバーワン映画でした。
AKIRAといえば、ヴィレヴァンにある、やったら分厚い漫画という印象しかないような2000年生まれにとって、初めてAKIRAがどういう作品なのか知る機会でした。
AKIRAって、主人公じゃないのか笑
まずそこから入るぐらい無知だった私ですが、すぐにその世界観にのめりこみました。
設定は2020年というのに、とても近未来で個性的で独特な世界だなと思いました。
作品が作られた当時のファッションと希望に満ちた未来が凝縮されたようなその世界に私は生まれたかったものだと、感じずにはいられません。
話のあらすじは他の人がしてると思うので、本当に感想しか書きませんが、音響はIMAXということもあり素晴らしいし、映像は遥か昔描かれたとは思えないほど繊細で鮮やかで、昨今のアニメーションよりけた違いに魅力的に映りました。
セル画はやっぱり良いっすよね。
混沌とした現代にバブル期の余裕をビシビシ感じる機会があるとは。
同年代にこそ見てほしい映画です。
映画は映画の、漫画は漫画良さがありますね。
ドルビー劇場での上映。配信やDVDでは観たし、漫画は何度も読んだ作品。
SF漫画で3つ挙げろと言えば「AKIRA」「攻殻機動隊」「火の鳥」になるかな。ガンダムや松本零士はSFよりも人間ドラマが強く感じます。
冒頭の5分ぐらいのバイクのチェイスシーンが痺れますね。テールランプを線で描く技法や、金田がバイクを横滑りさせながら止まるシーンは、やっぱカッコいい!
鉄パイプを引きづりながら、ってカットは、本家のAKIRAよりも、パクリのブラックレインの方がカッコいい。
やっぱ「破壊と暴力」の作品ですね。モノが壊れるさまを描くことで、美しさと力強さを表現している。エヴァも「破壊の美学」ですよね。まあ、この時代のアニメや漫画の世界でAKIRAの影響力は絶大でしたでしょうから。
映画としてどうか、と言われると。。。正直、SFとしての面白さは漫画を読まなくては分からんし、大友克洋の圧倒的な絵のうまさも、漫画であってのものかな。原作の分量を2時間の映画にぶち込む訳だから、そりゃ限界あります。でも、冒頭の15分ぐらいのカッコよさは必見ですね。最後の崩壊シーンは、やや力尽きた感が否めないな〜、漫画の3巻の終わりの迫力には遠く及びませんね〜。あと、原作漫画とは違い、ドラックの表現が少なくなっていましたね。
劇場で初めて観たので「ドルビーシネマ」でどうの、ってのはよくわかりませんでした。スクリーンの迫力で圧倒されてたので音の方は、、、う〜ん。
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