劇場公開日 1960年11月13日

「【今作は、寡婦になってしまった母を想う娘の心、娘を想う母の心。そして若き時にその母に憧れた三人の今や立派になった男達の、二人を幸せにしようとする心意気が爽やかなヒューマンストーリーなのである。】」秋日和 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【今作は、寡婦になってしまった母を想う娘の心、娘を想う母の心。そして若き時にその母に憧れた三人の今や立派になった男達の、二人を幸せにしようとする心意気が爽やかなヒューマンストーリーなのである。】

2025年9月19日
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■亡き友・三輪の七回忌に集まった間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)ら旧友三人。
 いまだに美しい未亡人の秋子(原節子)と談笑しているうち、婚期を迎えている娘・アヤ子(司葉子)にいい婿を探そうという話になるが、アヤ子にまだその気がないと話は立ち消えになる。
 そのうちに三人は、秋子が再婚しないからアヤ子は結婚しないのでは、と余計な事を考え始め、三人とも若きときに秋子に惚れていたために話は進み、妻を亡くしていた平山が候補になる。だが、その話は秋子が知らないうちに独り歩きを始め、それを知ったアヤ子は母と激しい口論になってします。

◆感想

・今作では、間宮、田口、平山を筆頭として、皆善人である。誰もが秋子の事を心配し、アヤ子に良い人はいないか相談するのである。
 アヤ子は最初はそんな人はいないと、母を心配し言うが、間宮の会社に勤める後藤(佐田啓二)と出会い、二人は恋仲になる。

・アヤ子の友人の威勢の良い佐々木百合子(ナント!岡田茉莉子)は、オジサン三人を自分の家の寿司屋に呼び出し、平山に秋子を頼むというシーンも良い。

・話は途中でイロイロとこんがらがるが、それは全て皆が秋子とアヤ子に幸せになって貰いたいからであり、アヤ子は到頭、後藤と祝言を上げるのである。

<一人になった秋子が、一人アパートに戻り、着物を脱ぎ布団に入る後ろ姿。そこからは、一人になってしまった寂しさと、娘が幸せになって欲しい気持ちが原節子さんが演じた秋子の背中から、滲み出ているのである。
 今作は、寡婦の母を想う娘の心、娘を想う母の心。そして若き時にその母に憧れた3人の立派になった男達の心意気が爽やかなヒューマンストーリーなのである。>

NOBU
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