赤い天使のレビュー・感想・評価
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西が勝ちました、桜を好きと言ってください
少女漫画原作のラブコメ映画よりあのシーンラブコメだった❤️🔥
軍服着るのも、キスマークつけるのも
台詞もなにもかも胸キュン過ぎたぁ
映画の中で演じるシーン
花様年華にもあったな
結局のところ、いわゆるメロドラマ…
宣伝用スチール写真に騙された。
あの若尾文子が、まるで『ワイルド・バンチ』の如く玉砕覚悟でガンガン(別にダジャレじゃないよ)撃ちまくるのかと思ってた。
実際、銃なんか全然ブッ放さないし…
それにしたって、ラストは、もっと強烈に叩きつけるような展開になるのかと思っていたが…
結局のところ、いわゆるメロドラマ…
ラヴシーンで流れるフォーレもどきの旋律も、すっかりシラけてまう。
ほんとセンスねえなあ…
あまりに凡庸で…
集中して観てたのに、ホントああいうのイヤになるよ。二人とも芝居は良かったのに。
冒頭の方から、凄惨な野戦病院の手術の現場とか、意外にストレートなレイプシーンなどなど、割とヘヴィに攻めてはいたが、もっと抉るようなリアリズムで徹底して欲しかった。
若尾文子のヌードシーンなんか、殆どたぶん、いや、明らかに替え玉…
こういうリアルに攻めていく映画は、ちゃんとセックスもフィジカルとメンタルの両面リアルに描いてくれないとホント萎えちゃうよ。
う〜ん、いろいろと残念!
しかし、なんだかんだで若尾文子は、やっぱりいい。
今回はナレーションもしていて、あの淑やな中にも芯の通った語り口…
あんな声で「おやすみなさい…」なんて…
ホントもう、たまらんよ。
激愛と反戦の中で
増村保造監督×若尾文子のコンビによる1966年の作品。
これが初見だったか再見だったかあやふやだが、今尚色褪せない衝撃作。
今見てもそうなのだから、当時の衝撃は如何なるほどだったのか。
日中戦争激下の昭和14年。従軍看護師の西さくらは、中国の野戦病院に赴任する。
そこで目の当たりし、体験した地獄のような戦争の惨状。
次々運ばれてくる負傷兵。その対応や看護に追われる。
重傷の兵士もいれば、怪我も癒え傍若無人の兵士も。目をギラつかせながら。
ある時さくらは、一人の兵士にレイプされる。
お国の為に闘った英雄像など微塵もナシ。獣のように欲望剥き出し。
さくらは前線へ。そこで自分をレイプした兵士と再会。瀕死の状態で輸血をしなければ助からない。
軍医に頼み込み、輸血。が、ほどなく死亡。
この時のさくらの胸中はどう捉えるべきか。
自分をレイプした男。それでも看護師として本当に助けたかったのか。それとも、自分をレイプした男をこのままみすみす死なせてなるものか。名誉の戦死などではなく、この男に相応しい死を与える為に、今は生かして…。
前線の惨状はさらに凄まじく。
運ばれてくる負傷兵に対し、医師も看護師も何もかも足りない、追い付かない。
負傷兵の処置は、全て軍医の即判断。
助かる見込みのある負傷兵には手術が行われるが、無論麻酔なども全く足りない。手足の切断手術も麻酔ナシで。まるで精肉工場でただひたすら肉を切るかのように手足を切り落としていく軍医。
助かる見込みの無い負傷兵はバッサリ切り捨て。
それも命が助かる/助からないの理由ではなく、また戦場で闘えるか否か。
兵士は単なる戦争の道具。まだ使えるのなら善し、使えぬのなら…。
両腕を失った若い兵士。
それ故女性の身体を自分の手で触れる事が出来ない。性の悦びを感じる事が出来ない。
同情したさくらは我が身を奉仕する。身体を重ね合わせたり、局部に触れて悦びを感じさせたり。
が、却ってそれが不幸を招いてしまった。
男として自分一人で性の悦びを得る事が出来ず、無力と無能に陥った彼は自殺する。
極限戦時下の性事情を赤裸々に。
この兵士も含め他の兵士も一時帰還が許される身。が、その許可が下りない。
もし帰還したら身体の一部を失った姿が周囲の人々にショックを与え、戦意の意気が下がる。帰還しても人目に付かぬよう隔離される。
初めて知った不条理さに衝撃を受けた。
戦慄級の戦争映画であると同時に、壮絶な愛の物語でもある。
軍医の岡部。兵士として使えるか否かで処置を行うか独断し、冷徹。非常に厳しくもある。
しかし、ヤワじゃこの地獄では仕事を続けられない。強靭な精神力。
そんな岡部に惹かれていくさくら。
岡部の体力も精神も支えているのは、モルヒネ。
が、過剰摂取により岡部は性的不能者に。岡部もさくらに惹かれつつ、抱く事が出来ない。
岡部からのモルヒネ投与命令を拒むさくら。
禁断症状を経て、性欲が戻った岡部。
二人は激しく愛し合う。
多くの兵士が負傷し、死に、地獄絵図のような最前線。
その渦中で戯れる二人に思わずツッコミたくなるが、二人が結ばれたのはこのほんの一時。
直後の悲劇を思うと…。
塚本晋也監督の『野火』を見た時のような。心底恐ろしい戦争描写。
それらを通して鮮烈に、凄まじく突き付ける反戦映画。日本の反戦映画の中でもトップレベル。
最前線の最悪の一つ、病。コレラ。
感染した慰安婦。
今なら賛否巻き起こしそうな描写も媚びる事無く。
愛の物語としても、様々な激愛の形を描いてきた増村×若尾コンビだからこそ。この名コンビの作品を全て見た訳ではないが、間違いなく最高傑作の一つだろう。
遂に敵襲。
生きるか死ぬかだけの混乱。散り散りに。
後輩看護師は被弾し、亡骸を見つけた時、衣服を脱がされたその姿。
岡部と“再会”。が、その時すでにもう…。
人の中の獣性が歯止めが利かなくなる。
性や欲が剥き出しになる。
地は赤く染まり、死が蔓延る。
育まれた愛さえも葬られる。
戦争は全てを露にする。全てを失う。
そこには何も残らない。
戦争が残すのは…。
切断、切断、また切断。ベテラン軍医は負傷兵を診て即判断しなければ...
切断、切断、また切断。ベテラン軍医は負傷兵を診て即判断しなければ間に合わない。「だめ」と「切断」だ。
バケツの中には切り取った足や手が無造作に入れられ、戦争の悲惨さを物語る。視点はあくまでも医療従事者側からのもの。戦争の大儀などとは無縁で、生かすべきか殺すべきかを考えさせられる。また、敵地での兵士は女に餓えるなど、戦争時の人間のセックスについての描写が多かった。
印象に残るのは両腕を失った折原一等兵(川津祐介)。腕がない映像をCGもない頃にここまでリアルに描けるのは凄い!妻を残して重傷を負い、内地へ送還させられても隔離され、戦争の悲惨さを国民の目から避けるようにされるといって痛烈な批判もあった。男の機能は爆発寸前なのを西さくらも承知して、彼を慰めることとなるが、満足した折原は翌日自殺。後半、軍医との恋愛が中心になるが、モルヒネ中毒によってインポとなった彼はさくらを抱けない。二人とも前線に赴くがコレラが発生し今にも中国軍が攻めてくるのであった。
反戦映画とは言えないのかもしれないが、戦争の悲惨さおろかさが十分に伝わる、ちょっと変わった映画。『ジョニーは戦場へ行った』にも似ているような気がする。
モノクロでなければ正視出来そうにない。
また坂本一等兵の仕業ね、これで3度目よっ!
これはほんの序盤。激戦、コレラ、慰安婦、どんどん悲惨になる。
戦闘シーンの迫力といい戦争大作にみえるが多分そういう作りじゃないんですよね。
もう少しで傑作なった映画
若尾文子は、女優から映画が造らるタイプの素晴い女優である。
この作品は、そんな中でも上位に来るのではなかろうか。
前編エッチなムードが漂い、しかし芸術的で本格的な雰囲気をも崩していない。
ラストがなにか少し尻切れトンボ気味な感があるのが残念だが、全体たとして濃厚で味わいの深い作品だった。
戦争と人間の性
戦争の悲惨さの中で、高い自我を持って生きる一組の男と女の自暴自棄とも言える愛の物語。虫けらの様に死んでいく兵士と強いコントラストをなす、特権エリートが織り成す限界状況での性。重過ぎる素材背景の中での隠微な官能映画と言える。
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